次の表の赤枠を見て欲しい。
(肺癌の)StageがI・IIだとPLA2(+)の割合が少なく(約2割)、StageIII・IVだとPLA2(+)の割合が多い(6割以上)ことが分かるだろうか。

このPLA2(フォスフォリパーゼA2)は何者かというと、ズバリ「体内で炎症促進作用物質を作る際、最初の工程に必須の酵素」である。
専門的に言うとアラキドン酸カスケードの上流の酵素である。
参考)他サイト
つまり・・・「肺がんの人を集めて調べたら、ステージが進んでいる人ほど炎症促進酵素が働いている」ということである
以前の記事「【ミトコンドリア】抗酸化物質ががんを転移させない」で癌の「発生」と「悪性化」は別問題と指摘したが、それがここでも表れている。
「体内の炎症」と「酸化と抗酸化」は切っても切れない関係にある。
先の記事と同様「ミトコンドリアの酸化」と並び、「PLA2の活性化」は癌の発生・悪性化メカニズムの上流に位置すると考えられる。
ちなみにPLA2の働きを阻害するのはシチコリン(別称:CDPコリン)である。
余談になるが、シチコリンは一部の医師のグループで認知症で併用され、著効例をが数多く報告されている。
このPLA2活性は日本で実施したい場合、グレートプレインラボラトリーの有機酸検査(の1項目)しか無く、測定したい場合はグレートプレインラボラトリーに取扱医療機関(国内でも10箇所くらいしか無いかも)を紹介してもらうのが良いだろう。