村上春樹/騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編 (その1) | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

弁護士宇都宮隆展の徒然日記

くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

村上春樹さんの新作長編「騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編」を半分くらい読みました

 

以下現時点でのあらすじを記載しますので、未読の方は注意してください

 

 

 

 

主人公は美大を卒業した後、肖像画を描く仕事で生計を立てている男性の画家です

 

36歳の彼は、ある日妻から別に好きな人ができたと言われ、村上作品定番の離婚をすることになります

 

彼は、家を出て、小田原の山奥にある友人の父が住んでいた家を借りることにします

 

友人の父は、若いときはウィーンに留学したくらい将来を嘱望されていた洋画家だったにもかかわらず、帰国してからは日本画に転向したという方で、飛鳥時代を描いた日本画で名声を得ていました

 

家にはオペラのレコードが大量にある一方で、絵は一枚もありません

 

しかし、主人公は屋根裏から「騎士団長殺し」というタイトルがつけられた1枚の日本画をみつけます

 

その絵は、オペラ「ドン・ジョバンニ」のワンシーンを飛鳥時代の日本人をモデルに描いたもので、絵の隅には穴から顔を出している謎の人物が描かれていました

 

主人公は過去を回想してこの物語を述べており、どうやらこの9か月ほどの間に起きたことが人生を大きく変えたらしい(別れた妻とよりも戻すらしい)のですが、この絵は何を意味することになるのでしょうか?

 

さらに、その後真夜中になると、敷地にある祠の裏にある塚の地下から鈴のような音が聞こえてくるようになるのですが、近所に住む男性からこの現象が上田秋成の「二世の縁」という話に酷似していると聞かされます

 

不思議な雰囲気をもつこの男性は、それほど高い年齢ではないのですが事業で成功して今は隠居しているような状況にあり、破格の報酬で主人公に肖像画の作成を依頼した人物です

 

この鈴の音も何を意味するのか?

 

非常にぶっ飛んだ物語になるかもしれないと危惧していましたが、これまでのところはバランスの良い展開で、この先がものすごく楽しみです