東京大学医学部医学科 有志

東京大学医学部医学科 有志

平成26年6月23日、東大医学部の一連の不祥事について、岡﨑 幸治(代表)・木村 悠哉・齋藤 宏章・洪 碩佑・吉田 礼の5名の連名で公開質問状を提出致しました。

平成26年6月23日、
一連の東大医学部の不祥事についての学生への御説明をお願いする公開質問状を、濱田総長、宮園医学部長、門脇病院長にお渡し致しして参りました。

門脇病院長の秘書さんにお渡しし、宮園学部長の秘書さんにお渡しし、濱田総長へは総務課の職員の方にまずお渡ししました。
門脇病院長へは、その後病院長室前で直接お会いでき、お話を頂くことができました。

濱田総長、宮園医学部長、門脇病院長で相談の上、学生への説明方法を二日以内に私へメールして下さるそうです。

提出した公開質問状はPDFファイルでこちらからダウンロードできます。
http://fast-uploader.com/file/6959152571874/

本文は以下の通りです。
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平成26年6月23日
濱田 純一 東京大学総長 殿
宮園 浩平 東京大学大学院医学系研究科長・医学部長 殿
門脇 孝  東京大学医学部附属病院長 殿

公開質問状
東京大学医学部医学科6年
(代表)岡﨑 幸治 木村 悠哉 齋藤 宏章
洪 碩佑  吉田 礼 
 
 拝啓
 梅雨の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別の御鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、この度甚だ僭越ながら書状をお送り申し上げましたのは、私達の学部が瀕している創立以来最大の危機に、先生方から学生への直接のご説明を賜りたいと存じたからであります。
 今年1月から、東大医学部は立て続けに多くの報道で、患者さんの権利を蔑にした臨床研究の不正や、製薬会社との癒着が指摘されております。
 ある教授の先生は、降圧剤の製薬会社が不正に関与した臨床研究疑惑が持ち上げられ、元職場の千葉大学では論文の撤回勧告が出されたようです。別の教授の先生に於いては、製薬会社がお膳立てした白血病薬の臨床研究で、患者さんの個人情報が流出させられたと報道されています。更に、東大医学部の教授の先生が責任者を務める、国民の多額の税金が投じられたアルツハイマー病研究の国家プロジェクトでは、データ改ざん疑惑が報じられています。
 私達はメディアで述べられていることが全てだとは思っておりません。しかし、学生の立場からは、先生方から今の東大医学部の状況についてご説明が無ければ、信じたくないことも信じざるを得ないのであります。
学生は病院実習で、医学の知識だけでなく、患者さんと向き合う姿勢を学んでおります。患者さんを受け入れてから、問診し、ミーティングで患者さんの病態を検討し、治療から退院へと見送るまで。私達は指導医の先生方の熱心な診療現場を拝見し、学ばせて頂きました。
しかし、これまでのメディアの報道を聞くにつけ、東大医学部で学んでいることに私達は自信が持てなくなっております。「本当に東大病院では患者第一の医療が実践されているのか。」先生方にこのような感情を抱きながら指導を受けておりますと、「東大医学部の先生方に御指導頂いている自分達は、患者さんを救う真摯な医療を、果たして将来国民の信用を得て実践できるのか。」という不安が拭えないのです。
 私達は、今年の2月3日、メディアに取沙汰されている教授の一名に、学生に対する説明を求めご連絡を致しました。しかし今に至って尚、教授からの返答を頂けておりません。
 今回、この様な不躾な行いに至りましたのは、世間で取沙汰されている一連の東大医学部の不祥事について、学生に対する教授の先生方からの直接のご説明を今一度お願い申し上げる為であります。
 私達は、国民に信頼され得ると確信を持てる医学部に於いてこそ、将来患者さんに貢献できる医術を学べると信じております。
 ご多忙極まる中、大変恐縮ながら、7月末日までにご説明下されば幸甚に存じます。
 何卒、お応え頂きます様、宜しく御願い申し上げます。
 敬具
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昨日、東京大学本郷キャンパスにて宮園医学部長主催で「臨床研究について考える会」が開催されました。

SIGN研究、J-ADNIに関して記者会見資料の内容をベースに、内部調査を主導された先生方から学生向けに分かり易く説明して頂きました。
門脇病院長からの、臨床研究の総論に関する講義形式の講演の後、学生40人が5グループに分割され、グループディスカッションを行いました。

各グループの代表の発表に対し、先生方が質問に対する回答もしくはコメントを下さりました。

先生方の、「学生に対し真摯に向き合い、先生方自身も悩んでおられる臨床研究に関して一緒に考えて行きたい」という姿勢を感じました。

一方で、主な不足としては、
・第一回公開質問状において例示した「VARTstudy」に関するご説明の機会が無かったこと。
・当事者の先生にできれば直接ご説明を頂きたかったこと。
・社会にこの様子を公開することができなかったこと。
が御座います。

今回限りでなく、この様な会を他の形式ででも継続されるという意向を表明して頂きました。

学生の考えもしっかり汲んで下さること、そしてそのような会の継続性に私達は期待と希望を持たせられました。