あの日③
とても慌てていて家族全員どうすればいいのかとにかく落ち着いている場合じゃなかった。当初、裏側にいた竜巻はあちこちぐるぐる回って最終的にうちの真正面に近づいてきた。まるで、家族の悲鳴に引き寄せられたように。そしてリビングのほうにむかってきたので、家族全員廊下の方に逃げ出した。僕自身は一番最後だった。さいごにきこえたのはリビングの窓ガラスが乱暴に開けたかのような音そして、家族の悲鳴だった。僕は竜巻にふわりと持ち上げられて飛ばされた…いや、浮いたといった方がいいのかもしれない。竜巻の勢いはとても強く目を開けられる状態ではなかった。耳元では強い風の音がひびいていた。そしてとつぜん僕の顔に木製の柱のようなものがぶつかってきた。鈍い痛みが1回、2回そしてたてつづけに3回意識が飛びそうになったことを覚えている。意識が飛びそうになる一歩手前で我にかえり、どうにか踏みとどまった。そして、風がやんだ。そして視界が晴れていくにつれ見えてきたものは…目を疑う光景だった。