先天性心疾患と統合失調症の闘病記,自分の半生

先天性心疾患と統合失調症の闘病記,自分の半生

 3歳の時、先天性心疾患で手術をし、24歳の時統合失調症を発症する体験をしました。その闘病の様子と自分の人生を振り返るために書きました。

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24歳になり、看護の仕事も3年目に入ろうとしていたとき、病気の魔の手が少しずつ、しかし確実に迫ってきた。始りは、死にたい、眠れない、焦燥感などから、メンタルクリニックなど、色々なところを回ったがうつ病という診断しか、してもらえず抗うつ薬を処方された。しかし、抗うつ薬は、吐き気が半端なくあり、仕事中でも屋上に行き、嘔吐しながら仕事をしていた。それが1か月くらい続き、なかなか薬の効き目というものが出てこず、苦しい思いをしていた。そこで、思い切って看護長に相談してみたところ鬱ではないから、薬を飲むのをやめた方がいいと言われた。辞めて1週間ぐらい確かに調子は良くなったような気がする。少しずつ前の自信を取りもどすことが出来たような気がしていたが、考えが甘かった。

ある夜勤明けの日、採血をしている最中に、吐き気を催し、洗面所で吐いてしまった。患者さんは心配そうに「大丈夫?」と言ってくれたが、大丈夫ではなかった。その後も吐き気が止まらず、ずっと吐き続けた。もう一人のおばさん看護師が俺の異変に気づき、「吐きたいなら全部吐いちゃおう」と言ってくれた。吐き気は止まることなく朝の申し送りまで続いた。おばさん看護師がその異変を看護長に報告してくれたようで、「少し休養が必要かもしれないから暫く休みなさい」と言ってくれた。それからどうやって自宅に戻ったのかは解らないが、一人暮らしの部屋に居た。休んで良いと言われたけど、患者さんの事や仕事の事、今後のことなどが頭を巡りなかなか寝付けないでいた。そんなとき、頭の中に確かに聞こえた「この役立たず、バカ、死ね、お前なんかいない方が良い」などの声。これが幻聴か?と冷静に分析できたが、止めることはできなかった。女の声、看護長の声、子供の声など、色々な声色で頭の中を罵声が飛び交う。耳を塞いでも聞こえてくる悪魔のような叫び、頭が狂いそうになり大きな声を上げた。だが、鳴りやむことがなかった。

そんな状態の中、車で近くの駅まで行った。誰かに殴ってもらえば正気が取り戻せるのではないか?という訳のわからない思いに誘われた。近くにいた若い不良の集団に声を「こんなところに座ってんじゃねえよ、邪魔なんだよ」と怒り、殴ってもらうのを待っていたが俺の顔が相当、恐ろしい顔をしていたのか、逃げてしまった。結局殴られることなく去っていった。そのことを母親に話すと「これはおかしい」と思ったのか実家から迎えに来てくれて暫く、実家に帰ることになった。