担当:きあ

 

 

Q&A

 

Q1.1-2-4aの日本のジェンダーギャップ指数「政治」「経済」分野は何と比較して低いのですか?

A1.「政治」分野のスコアは0.057で138位/146か国であり、他の国と比較して低いです。評価の内訳は、国会議員(衆議院)の男女比のスコアが0.111(131位)、官僚の男女比のスコアが0.091(128位)、過去50年の行政府の長の在任期間の男女比のスコアが0.000(80位)です。

 「経済」分野のスコアは0.561で123位/146か国であり、他の国と比較して低いです。評価の内訳は、労働参加率の男女比のスコアが0.759(81位)、同一労働における男女の賃金格差のスコアが0.621(75位)、推定勤労所得の男女比のスコアが0.577(100位)、管理的職業従事者の男女比のスコアが0.148(133位)、管理的職業従事者の男女比のスコアが0.148(133位)です。

 

Q2.2-3-3例の男女による差自体をなくすというのはどういうことですか?

A2.男性、女性というジェンダーの区別自体をなくして、性別にとらわれず個々の個性を尊重することです。集団をグラデーションと捉え、ゾーニングせずに「みんなで」と捉える考え方です。ジェンダー(社会的・文化的性差)をなくすことを指すジェンダーレスや、全てのジェンダーを包括するオールジェンダーがこの考え方といえます。

 

Q3.2-3-4aのジェンダーの壁撤廃と、生物学的性差上分けた方が良いことの板挟みとは何か?なぜそうなりますか?

A3. ジェンダーの壁のみを撤廃する場合問題は起こりにくいですが、ジェンダーの壁と生物学的性差の壁の両方を撤廃する施策の場合、新たな問題が生じやすいです。ジェンダーの壁を撤廃し、全ての人が利用しやすい施策をしようという前向きな変化であったはずなのに、生物学的性差によってマイナスの副作用が生まれ、結果的に新たに利用しづらい人が生まれることがあります。これを板挟みの状況と捉えています。

 ジェンダーの壁を撤廃することについて。例えば、男性を「くん」女性を「ちゃん」と呼ぶことを「さん」に統一する解決方法を取ったとき、それによる新たな問題は生じません。一方で、生物学的性差上分けたほうが良いことについて。例えば、男女のトイレを分けずに、ジェンダーレストイレとして全ての性別の人が同じ手洗い場、トイレを使用できるような解決方法を取ったとき、そのことによる新たな問題が生じます。プライバシーの欠如や、盗撮・性犯罪への懸念等があります。

 

Q4.かつてより女性の仕事のイメージが強い保育士、介護士、キャビンアテンダント等の職業に男性の志望者や就業者が増えた要因は何ですか?

A4.職業としての需要が高まる中、人材不足から積極的な人材確保が求められていること、男女の雇用機会均等が進んできたこと、「保母さん」→「保育士」、「スチュワーデス」→「キャビンアテンダント」等の呼称変更が行われたことがきっかけになっています。

 

Q5.2-4-2cのアツギのラブタイツキャンペーンはどういうところが批判され、炎上したのですか?

A5.タイツは女性がターゲットの商品ですが、広告に使用された「萌え絵」を好むのは男性が多いことが批判の原因です。広告ではタイツを履いている女性を他者視点で色っぽく描いていました。例えば、豊満な体形の女性がスカートをめくっていたり、きわどい洋服を着用していたりする表現がありました。ターゲットの女性たちは女性に寄り添うタイツ会社を求めているのに対して、広告表現が他者視点でタイツを履いた色気のある女性を描いており、フェチを感じさせるような表現が受け入れられない原因でした。

 

Q6.「月曜日のたわわ」の新聞広告の事例と、「オタ恋」の事例の同じところと違うところは何ですか?

A6.2つの事例の共通点は、体形を理想やイメージを基に強調して描いている点です。萌え絵の質感の豊満な体形の若い女性を描いています。また「オタ恋」はオタクの男性が肥満体形でメガネをかけている姿が多く、「オタク」のイメージが強調されています。「月曜日のたわわ」は広告のためのキャラクターではなく、アニメ作品のキャラクターをそのまま使っている点、このような萌え絵タッチの漫画やアニメ作品は他にも多数存在しておりファンが多いという点で、一見炎上しそうにありません。

 ではなぜ前者は炎上し、後者は受け入れられたのか。それは、掲載メディア選定の違いが大きな理由だと考えます。前者は新聞に大きく掲出されました。後者はXで「オタ恋」公式アカウントが広告を出していました。新聞の大広告は企業理念やメッセージが載ったり、歌の歌詞が載ったり、スポーツ選手の活躍が載ったり、新年やクリスマスのイベント特別広告に使用されたり、文字が多く堅いイメージの新聞紙面の中でひときわ目を引く存在です。また、新聞社は信頼度の高さを維持するために、新聞特有の広告掲載基準を設けています。そのため、この広告が有名紙に認められ大きく掲載されたことが批判されました。また、広告の対象者である若い男性は新聞の購買層に合っておらず、届けたい人に届かず、はまらなかったことがそもそもの原因でもあります。

 後者の広告が掲載されたXは、秒単位で最新情報やポストが更新され、情報で溢れています。文字だけでなく、写真やイラスト、動画が投稿されており、この広告がなじみやすい環境でした。また、1つ1つの情報告掲出のハードルが新聞に比べて低く、自由な広告・PRに溢れています。またXは「オタ恋」利用者の若者や、オタ活をする人たちが活発にコミュニケーションをするSNSであり、届けたい層に届けることができたことがバズりに繋がりました。

 

Q7.2-5-2で紹介されていた名前のうちどれがジェンダーレスネームにあたりますか?

A7.碧、暖、蓮、凪、陽翔、はると、ゆいと、りく、そら、あおいです。かつて男性の名前の流行は、勇ましさや力強さを表現する名前でした。しかし最近は暖かさや穏やかさ、自然の雄大さや美しさを表す漢字、優しい響きの読み方が流行しています。この暖かさや穏やかさは、かつて女性の名前の表現に使われていましたが、現在は男女両方で使われています。