担当:さな

 

Q&A

 

Q1.オーバーツーリズムとは何でしょうか。

A1.オーバーツーリズムの定義は厳密には存在しません。しかし、「環境容量」というコンセプトを使い説明がなされます。それによると、「『環境容量』を超えて、観光客あるいは観光関連の事業者が、自然や景観、伝統的建築物などの観光資源を過剰に利用する」となります。

 また、「環境容量」は「ある観光地において、自然環境、経済、社会文化にダメージを与えることなく、同時に観光客の満足度を下げることなく、一度に訪問できる観光客数の最大値」の意味です。

 

Q2.1-2-4 で分散/課金が誘導的、規制は直接的とありましたが、課金も直接的なのかなと思ったのですが、どういう点で誘導的なのでしょうか。

A2.例えば、ある観光地に入るとき入場料を払わなければならないとします。これが課金ですが、この時観光客自身が入場料を払ってでも、入るか入らないか決めます。課金を迫ることで、入らないという選択肢に観光客を無意識のうちに誘導しますが、最終的に決めるのは観光客自身です。

 一方で、規制は、一方的に入ってはいけないと観光客の行動を制限します。ここに、観光客の意思が挟まれることはなく、直接的な方法でオーバーツーリズムに対処していることになります。

 

Q3.2-3-6 入域料はどのくらいなのでしょうか?

A3.その観光地によって異なるため、ここでは答えることができません。しかし、オーバーツーリズムが起きている場所は、問題さえなければ観光客に来てほしいと思っていることが多いです。そのため、オーバーツーリズム対策になるが、人は途切れることなく来るちょうど良い入域料を設定する必要があります。

 

Q4.ピピレイ島の分散させるために発展させたとあるが、どの様に発展させたのか気になりました

A4.ピピレイ島がオーバーツーリズムに悩まされる以前、近くのプーケットが観光客の多さに苦悩していました。そこで、プーケットはオーバーツーリズム対策としてピピレイ島への観光客の分散を行うこととなります。そのため、ピピレイ島はプーケットから観光客が訪れるようになりました。つまり、ピピレイ島はプーケットの分散先となったことで発展した、ということです。しかし、分散先として訪れる観光客が多く、一転して、オーバーツーリズムに悩まされる、悪循環が起こってしまいました。

 

Q5オーバーツーリズムの対策として自家用車利用の抑制があげられているが、海の近くの駐車場は有料にしたり、夏場だけ有料にしたりすることもオーバーツーリズムの対策の一つですか。

A5.鎌倉においては対策になるのかどうか、調査をしなければなりません。鎌倉では自家用車の利用が問題となっており、電車やバスの利用促進をしていく必要があります。もし駐車場を有料にすることで、自家用車で来る人が減るならば最良の結果です。しかし、駐車場でお金を取ることで違法駐車が多くなってしまったり、お金を払うことを嫌って車を停めず、また電車やバスに乗り換えることなく車で観光資源間を巡るたことで、渋滞が発生してしまったり、といった可能性も考えられます。オーバーツーリズム対策は観光地の状況によって対策が異なってきます。鎌倉のオーバーツーリズムに対する効果的な対策は何か、慎重に考えなければなりません。

 

Q6.住民が優先的に電車に乗ることができる施策がありましたが、具体的にどのように優先して乗ることができるのでしょうか。

A6.沿線の住民や通勤・通学者は、予め発行を受けた「江ノ電沿線住民等証明書」を改札で提示し、優先的に駅構内に入って改札内の行列に並ぶことが認められます。このため、短い待ち時間で乗車が可能になります。ちなみに、優先乗車を開始する目安は、改札外まで行列が伸びた場合とされています。

 

Q7.鎌倉〜長谷間が混雑する区間になったのは、その施策のせいということですか?それともあえてそこに集中させることが目的だったのですか?

A7.元々、鎌倉駅と長谷駅周辺は観光資源が豊富であり、観光客が集中してしまっていました。それにも関わらず、自動車対策として、「鎌倉フリー手形」が販売されバス・電車の乗り降り自由の区間に指定されてしまっています。これにより、さらに観光客が集中し、混雑の原因となるのではないかという考えでここでは例に出しています。