次世代型フィジカルセラピスト ケンちゃん

次世代型フィジカルセラピスト ケンちゃん

人が人たる所以・原理原則を、理学療法士・鍼灸師の視点から追究するブログ

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効く時もありますが、効かない時もあります。

効かないと言ったら語弊がありますね。

一時的に効きますが、効果が持続しない時があります。



鍼灸は性質上、痛みに関係する受容器と神経に対して直接的に介入するので、

即効性があります。


しかしながら、その神経や細胞は、一定の緊張状態を常に保っていて、

そこに強制的にシャットダウンをかけて

細胞と神経にリセットをかけるので、

一時的に細胞は機能しなくなります。

ゲームやパソコンをリセット・シャットダウンした時には、

再開するまでに時間がかかりますね。

それと同じだと思ってもらえたらと思います。


なので、鍼灸をすると、

身体が軽くなった、動きが良くなったなどの感覚が現れる事がありますが、

それは、実は、動きを阻害していた部分に強制終了をかけているからなんです。

でも、その強制終了した部分も身体の大切な一部。

適切に機能するように仕向けていく必要があります。


そのためには、筋肉や関節を能動的に動かす必要が出てきます。


鍼灸をするという事は、何かしら身体に不具合が起きているという事だと思いますから、

その原因は、身体の動かし方からきているかもしれません。

身体の動かし方が悪くて不具合が起きているのであれば、

身体の動かし方を良くしなければ根本的な解決にならないのに、

鍼灸だけで治そうというのは、対処療法に近く、

また、治癒までの道のりが遠回りである事が、よくわかると思います。


身体の問題に応じて、

鍼灸を選択するのか?

運動を選択するのか?

どちらがより最善かは治療者の力量にかかってきますが、

どちらにせよ、身体の動きの質を見極めて判断する必要があるので、

治療院でも、鍼灸だけではなく、動きの質も見れる治療院にかかる事をオススメします。

何年か前より脚光を浴びるようになった赤ちゃんトレーニング

 

室伏広治選手や、錦織圭選手、ダルビッシュ有投手などが取り入れていると噂になり、

 

話題になりました。

 

上記の選手達は、シカゴにあるフィジカルセラピー(理学療法)&トレーニングセンターを経営されている

 

Robbie Ohashiさんが受け持っていたということもあり、

 

スポーツ界や医療界に広まったようです。

 

私も、先輩に紹介して頂き、どっぷりとハマった時期があり、今でもとても参考にさせて頂いています。

 

 

赤ちゃんトレーニングと言うぐらいですから、

 

赤ちゃんの身体の動きを基にして体系づくられた治療法になります。

 

元々は、肢体不自由児の治療法がベースになっており、

 

この治療法を体系づけられた神経内科医・小児神経科医の弟子達が

 

さらに応用した物。と、ざっくり捉えて頂くとよいかもしれません。

 

 

つまり、ここでわかるのは、

 

『身体の不自由な方、それも子供からトップアスリートまで応用されている治療法であり、トレーニング方法』

 

だと言う事です。

 

 

赤ちゃんの発達に伴う身体の動きの理想形は万人に共通するものであり、

 

ゼロから心身を形成する上で非常に重要かつ根本的な神経と筋の使い方になります。

 

 

ですから、対象者を選ぶことなく、身体の動きの質の向上に対して万人に対応する事が出来るのです。

 

 

しかしながら、注意しなければならないのは、

 

赤ちゃんの動きを模倣したり、負荷量を上げているだけでは十分な効果が得られない事があるという点です。
 

もう少し詳しく言えば、細かく身体を見てみると、

 

各関節や筋肉が適切に機能した上で動けていない事の方が多いので、

 

結局は赤ちゃんの理想的な動きの中での筋や神経のコントロールには至っていないので、

 

効果が薄くなるあるいは持続性が乏しくなる事があるということです。

 

しかしながら、全く効果がないわけではありません。

 

どんなメソッドでも、一定の効果はあると思います。

 

しかしながら、その先を一歩踏み込んで、よりクオリティを高めるためには、

 

赤ちゃんの動きの理想形がどのような動きなのか?

 

それに伴う筋肉や関節、神経の活動はどのようになっているのか?

 

という細かな専門的な知識と技術が必要になってきます。

 

フィジカルセラピスト(理学療法士)は、その点についての知識を持ちあわせていますので、

 

是非、お困りの時には、赤ちゃんトレーニングに精通したフィジカルセラピスト(理学療法士)のセッションを受けてみて頂けると

 

違いが分かると同時に、理解が深まると思います。

 

ブログランキングに参加しました。

 

参加ジャンルは、

 

お役立ち情報の【健康・医療】

 

健康・美容・ファッションの【トレーニング・ストレッチ】

 

です。

 

 

あえて仕事・就職ジャンルの医療・介護には参加していません。

 

趣旨は、専門家に対して専門知識を述べるのではなく、

 

なるべく大衆に対して、わかりやすい形で情報提供をしていきたい。

 

という思いが(現在は)強いからです。

 

いや、たまには専門家向けにも発信するけど。

 

 

私たちの仕事は、医療などに精通しないクライアントさんを対象とする事がほとんどです。

 

そのため、クライアントさんに体のつくりなどが分かりやすいように簡潔に情報提供をする必要があるからです。

 

共通言語を持っている人間に難しく言うよりも、

 

共通言語が無い方々に難しい事を簡単に言う方が難しく、また、大切なスキルなのだと最近感じます。

 

日々の仕事の上でも、医療関係者ではない方々に対してプレゼンする時にでも。

 

 

身体の情報は、日進月歩。常に新しい情報が入っては出ての繰り返しですが、

 

本ブログでは、フィジカルセラピスト(理学療法士)、鍼灸師の立場から、

 

医学的な背景、特に運動学・解剖学・生理学に基づいた、西洋医療と東洋医療の中で学び、経験してきた事や実際の事例、

 

現在考えている事や新たなメソッドとなりそうな事を発信していけたらと思います。

 

だからどうした?

 

人間は左右差が無い人はいない。

 

重要なことは、左右差などを認めつつ、身体の状態と心の状態をマッチさせてあげる事。

 

あるものはある。ないものはない。あるがままを認めてあげる。すべてはそこから。

 

 

 

身体の左右差は、流派によって考え方が違い、治療方針も若干異なる。

 

利き手との関係と説く人もいれば、

 

横隔膜の左右差と説く人もいるし、

 

頭蓋の変位からくると説く人もいれば、

 

脳の左右差からくると説く人もいる。

 

全て間違いではないけれども、完全なる正解でもない。

 

けれどもそれなりに効果が上がる。人体の不思議。

 

 

どのような治療法で体を修正していくとしても、

 

最終的には身体活動を伴わせた中で維持できるようにならなければ、

 

日常生活には反映されにくく、対象者の訴えの半永続的な解決にはなりにくいと感じる。

 

特にリハビリという分野においては、

 

re(再び) habiris(適した)状態にし、社会的統合を達成するというリハビリの語源を基にするのであれば、

 

身体活動を通して、その受容器と効果器となっている末梢の軟部組織や、それに指令を送っている神経システムなどを総合的にコーディネーションするとともに、

 

対象者の身体と心の認知の歪みなども是正していきながら心身を修正していく必要があると感じる。

 

 

姿勢が悪いから、身体が歪んでいるから、病気やケガをしているからではなく、

 

それはそれとして、それは一つの要因ではあるけれども、それが原因で出来ないと決め込んでいるのは自分自身であって、

 

それに囚われて活動範囲や生活範囲を狭めるのではなく、

 

出来るところから、少しずつでよいから、自分を見つめ直す良い機会だと思って

 

自分の体と心の会話を楽しみながら、生活を営んでいくと、

 

少しは気持ち的にも、身体的にも楽になるのではないかと思う。

 

そして私たちはそのサポートをする専門家であり、

 

身体活動の分析と治療を得意とする医療資格者、フィジカルセラピスト(理学療法士)なのです!

 

対価をどのように決めるか?

 

身体のケアや治療に関わる値段設定は、専門知識や資格の有無に関わらず

 

所属する分野によって天と地の差がある。

 

 

 

『金銭的報酬だけを目的に医療を施したり医学を教えたりすることを戒め、人命を尊重し、患者のための医療を施すこと。』と

 

医学の父、ヒポクラテスは説く。

 

これは医療に携わる人が最初に学ぶ倫理観であり、医療に従事する方が根本に持っているマインドであると思う。

 

国民皆保険や介護保険の恩恵もあり、

 

日本では格安で高度な医療や介護を受けられる、とても恵まれた国だと思う。

 

その反面、医療を提供する側の人間は、直接的な金銭のやり取りをせしないこともあり、

 

金銭面に対しての思考が弱く、自分の行っている医療に対して値段をつける事自体を嫌悪する傾向にあると思う。

 

自分自身もそうだ。

 

 

 

対して、フィットネス業界はどうか?

 

こちらはビジネスとしての思考が高く、

 

しっかりと金銭面的な考えも働かせることもあり、自己ブランディング力が医療の人間に比べはるかに高いと感じる。

 

医療の人間にはあまり持ち合わせていない、とても素晴らしい能力だと感じる。

 

しかしながら、身体に対する知識を持ち合わせていないことも多々見受けられるのにも関わらず、

 

報酬を前提としない医療のマインドは無いこともあり、また、保険を使えないこともあり、

 

価格は医療よりも高額に設定されている傾向。

 

 

専門知識を有しているのにも関わらず低額な医療?

専門知識が無いのにも関わらず高額なフィットネス?

 

フィットネスが心身に好影響を与えることが証明されつつある今、

 

医療の中にもフィットネス要素を取り入れる傾向が多々見受けられている。

 

では、その場合の価格設定はどうする?

 

根底にあるターゲット層やマインドが違うけれども、その垣根が取り払われている今、

 

そして混合診療や混合介護が解禁に向かっている今、

 

身体に関わる職種のモラルも含めて、社会的な、経済的な立場も含めて

 

これから総合的に市場を作り上げていく、大切な時期に入るのではないかと思う。

 

折衷医療。

 

統合医療の先を行く?概念だと自負している。

 

【統合とは】

2つ以上のものを一つにまとめること

 

【折衷とは】

いろいろな物からいいところをとり、一つにあわせること。ほどよいところをとること。

 

 

 

医学の歴史では、様々な国と文化の中で発展してきた治療法が沢山存在しています。

 

そのため、統合医療の名のもとに、

 

様々な異なる人体の考え方や治療法、文化の違う医療概念同士を合わせ、

 

最善の治療を選択・提供する事は容易ではありません。

 

ワンボックスカーとスポーツカーを組み合わせたようなもんです。

 

 

 

そのため、折衷医療のスタンスで、

 

それぞれの治療法に共通する事項から良いとこどりをして、

 

各治療法が共存しながら協力し合えるような治療方針の方が

 

身体に適切に作用します。

 

ちょうどいい!HONDA!

 

中途半端といえば中途半端だが、それが良い。

 

無理なく、ちょうど中間をとっている、折衷案ですね。

 

 

どんな治療法でも、人間の原理原則である、運動学・解剖学・生理学に落とし込めば、

 

それぞれの関連性が見えてきます。

 

治療法に縛られることなく、その方に適切な医療を提供するためには、

 

ごちゃまぜ医療の統合医療から、色んな治療法のいいとこどりの、『ちょうどいい!折衷医療!』へ転換をすることが、

 

セラピストにとってもクライアントにとっても柔軟で応用のきいた

 

双方にとって良い医療の提供と発展につながるのではないかと思う。

 

そうすれば、沢山色んなメソッドを学んだとしても、

 

それぞれの根底にある関連性が見えてきて、

 

さらに楽しい学びとお仕事が出来るのではないかと思う。

 

起業を目前にして、様々な方にプレゼンをする機会を頂くが、

 

理学療法士と名乗っても、相手の頭には『?』が浮かぶ様子。

 

自分自身のプレゼンが下手で上手く伝わらないこともあるが、

 

パーソナルトレーナーや、鍼灸師、整体師、ピラティスインストラクターなど、

 

近隣の、身体に関わる職業の名称を聞いた時には、パッとイメージが浮かぶものの、

 

理学療法は、やはり名称だけでは伝わりにくいようだ。

 

個人的には、とても素晴らしい職業だと思っているのに、とても残念なこと。

 

理学療法士とフィジカルセラピストは違うと訴える方がいらっしゃるのもわかる気がする。

 

だけど、理学療法とフィジカルセラピーでは、職務内容が違うのだ!と訴えるのではなくて、

 

私は、社会的認知というか、どんな仕事をしているのか?を分かりやすく伝えるために

 

フィジカルセラピストと、第一声に言おう。そして、和訳では理学療法士ですよ。と。

 

その方が、フィジカル(身体の)セラピー(治療)をする人。と認知しやすいと個人的に感じる。

 

理学療法?何か電気とかでもかけるの?的な誤解を招きにくくなるのではないかと思う。

 

 

なので、ブログタイトルも、

『次世代型理学療法士』から『次世代型フィジカルセラピスト』に変更!

 

 

私の周りには素晴らしいフィジカルセラピスト(理学療法士)が沢山います。

 

その人たちの素晴らしさを社会にわかってもらえるように、理解してもらって、さらに皆が輝けるように、

 

自分なりの取り組みをしていこう

 

お久しぶりです。

今日は、鍼灸の自己練レポートです。

思ったこと、感じたことを記載していきます。


鍼の侵入深度が今どのくらいなのかのイメージや、皮膚や膜や筋との侵入時の感覚の違いがよくわからない。なんか練習方法無いかな?と先輩に伺ったら、『皮付きの鶏肉とかどうかな?』というヒントを頂いたので、やってみました。注射をされる医師?や看護師は、侵入時の感覚で、今どの辺の組織を貫いているのか?がわかる方もいるそうですね。太い方が分かりやすいのかな?知り合いの看護師は、学生時代にグレープフルーツを使って注射の練習をされていたそうです。


何か、良い練習方法を知っいる方がいらっしゃいましたら、是非、教えて頂きたいですm(__)m



で、練習していて思ったことを列挙していきます。

●鶏肉にも固い筋組織に対しての鍼で、少し柔らかくなるような気がする。ただし、結構雀啄しなきゃならないけど。組織そのものを傷つける、もしくは、摩擦熱によって柔らかくなるのかな?

●膜そのものにいくら刺しても、膜組織そのものの柔らかさは変わらず、穴も開かない

●鍼そのものに膜がこびり付いているいるような感じ。だから、鍼の移動に伴って、ある程度膜の移動も起こる。



<考察とまとめ>

今回は死んだ組織を使っているので、生理学的な反応はありません。なので、構造上の変化によるものだと思います。


膜そのものが傷ついたり穴が開く様子が観察されず、鍼にこびりつくように鍼の移動に対して膜の移動も起こるようでしたので、固い組織が柔らかくなったように感じた?のは、鍼と膜の間で生じた摩擦熱なのかもしれません。

ただし、ある程度の速さでもって刺入しないと、膜の粘弾性を越えた際にプツッと刺入する形になりませんので、今の自分の技量では、感覚として上がってきにくいようです。


膜の移動が起こるということは、組織が鍼の移動で圧迫されたり牽引されたりすることになると思われます。組織の圧迫そのものは、一時的にその部分の津液(体液)を滞らせ、牽引(離開)は津液(体液)を引き込んで流れを良くします。それを応用した徒手療法もあるようですが、鍼では、より直接的に深部の組織の圧迫と牽引を行うことによって津液(体液)循環に対してアプローチすることが出来るのではないかと考えました。あとは、雀啄とかを行うことによって部分的に熱を発生させて循環を促したり。

鍼の刺入および抜鍼法を補瀉によっても変えるみたいなので、こういう背景があるのかもしれません?まぁ、生理学的な反応をすっぽかして構造だけで考えているので、他にもいっぱい考えられることはあると思いますが。

とりあえず、レポートなので、感じたこと・思ったことだけなので勘弁です。



今日もお疲れ様でした。

こんにちは。

そろそろ中間テストが近くなってきたので、テスト勉強をしないといけない(/_;)という思いに打ちひしがれている高木です。この時期は、なんでか気持ちが落ち込みやすく、元気がなく、体力も奪われるのかな?先日風邪をひいてしまいました。もう治ったので、体を動かして元気を取り戻していかなければ!



今回は、体の軸についてです。

そもそも、体の軸というのは、解剖学・運動学的には存在しませんが、いわゆる身体表象としては非常に大切です。何か一つ、姿勢や動きを見ても、軸がしっかりしている人というのは、スポーツなどを見ていても強靭なイメージを持ちます。


「軸」というのは、調べてみると中心とか主軸とか記載されています。芯とか幹とかでも良いのかな?

中心が規定されているからこそ、そこよりも末端が効率的に広がったり(拡散)縮まったり(集約)できるのです。しかしながら、身体運動をする上では、軸は動かなければなりません。部分によっては拡散したり集約したりしながら、身体に生じる重力や反力および、身体モーメントを適度な剛性と柔軟性とでもって緩衝しながら、力を伝導しつつ次の力へと転換しなければなりません。


軸は身体表象と捉えると、丹田や、チャクラなどと同じような意味合いとなると思われます。

解剖学的には、体の中心であり、幹になるのは脊柱を中心として頭部・骨盤になるのでしょうか?基本的には、脊柱を起点として直接的に関節を成しているのが入るのでしょうが、これらに共通するのは、左右で対に存在するのに、一つの物として統合されて見られたり、考えられたりするものが多いですかね?と、なると、広義には、肩甲骨や肋骨なども含まれるのでしょうか?

脊柱は、部分によっても違いますが、前後緩衝系メイン、肩甲骨・腸骨は前後緩衝系・左右平衡系・回旋推進系に関与、胸郭も部分によって違いますが、3次元的に動くので、同じですかね。

前後左右の整合性が高まった時に、よりスムーズに回旋できる、つまり、力のエネルギーへと転換しやすくなります。この状態がいわゆる軸ができた状態になるのかもしれません。前後左右どちらに崩れても、もとに戻せ、かつ、それらを統合して回旋系への力へと変換できる状態。



では、軸・体軸という定義はいつ頃できるのですか?

成人ではこれらの定義が当てはまるとしても、じゃあいつ頃から当てはめて考えて良いの?

高校生?中学生?小学生?はたまた、幼児?

いわゆる丹田やチャクラなどは、静定なスタティックな状態での身体表象を意味していることが多いと思うんですが、そんな、小さい頃からそれらを当てはめられるか?と考えると、ちょっと難しいように思われます。ともすると、動きの中で軸は形成されるということになるのではないでしょうか?



実は、もっとさかのぼり、胎児の時、それも、胚児の時に、もうすでに体軸というのが存在しているそうです。身体表象という成人での脳内イメージを構成する以前の、身体図式や身体地図ともなる座標軸として存在するそうです。

それもそうです。地図の無い、まっさらな世界にポツンと受精卵ができて、「はい、じゃあ、今から人の形になってって下さい」と言われても、東西南北もわからなければ方位磁石も無い中で、どのように進んで行けば良いのか?人体へと分化を進めていったら良いのかは分かりませんから。迷っちゃいますよね。


身体座標軸として存在する胚児の軸の概要は、

●頭から尾へと走る『頭尾軸』

●体の正中を右と左に分ける『内外側軸』

●体の前から後ろに走る『背腹軸』

●近位から遠位へと走る『遠近軸』


成人の解剖学的肢位と類似した軸とされているため、体軸という概念は、胚児の時代から形成されているものであり、こられを意識することは、発生学的にも有用で、言い換えれば、DNAレベルから備わっている身体座標軸であり、脳内イメージとしての身体表象だということになります。








仙腸関節における閉鎖力について、個人的に新たな知見が見つかったので、報告します。
仙腸関節は、閉鎖位と閉鎖力の2つの概念によって機能を果たしていると周知されていると思われます。
閉鎖位というのは、仙腸関節が骨性に安定していること。
閉鎖力というのは、筋によって安定していること。と認識しています。
関節が機能する上では筋の作用が不可欠であり、この、筋の作用によって関節運動が行われることによって体を動かすことが可能になります。仙腸関節も同様で、仙骨と腸骨で作られる関節ですので、それぞれが個別に筋の作用によって動くことが可能であり、仙腸関節の動きそのものが身体運動へと波及することを意味しています。
仙腸関節においては、閉鎖力というのが筋による制御になりますので、この閉鎖力というのがいかにして機能し合っているのか?が大切になるのだと考えています。
いつだかの記事にも記載させて頂きましたが、仙骨のカウンターニューテーションは肛門挙筋のガイドによって機能し、グランディングが促されます。その結果、下腿の前傾が誘起され、ヒラメ筋が制御を担います。仙骨のカウンターニューテーションによって伸長された多裂筋は遠心性収縮をすることで仙骨~腰椎の安定性を担い、腸骨は仙骨の動きに相対的に腸骨筋の作用によって前傾をすることでカウンターを取ることで、仙骨によって引き起こされる関節モーメントを相殺させる力となり、骨盤帯周囲の安定性が獲得されます。腸骨筋の働きは大腰筋の伸長を誘起することによって収縮しやすい環境をもたらし、仙骨のカウンターニューテーションによって起こる関節モーメントおよび、腰椎の屈曲に対して拮抗することによって腰椎の安定性を獲得することができます。

以上が、一連の、私の今のところの仙骨を中心とした仙腸関節周囲の機能的解説です。

仙骨を中心として考えると、上下と前後に対する身体運動の解説になっていると思います。
今のところ、私の考えているPhysical coordinate systemのバイオメカニクスから考えると、身体運動のベースとなる前後緩衝系に関わっている動きになりますが、さらに高次な運動を要求するためには、左右平衡系とを組み合わせ、回旋推進系へと波及・統合する必要があります。
臨床で感じていた所は、確かに、先ほど解説した連動性が当てはまるのですが、いまいち不十分というか、パンチが効いていないような印象を持っていたことです。

以上で解説した肛門挙筋によるカウンターニューテーションは、その付着部および、筋のボリュームから、尾骨および下部仙椎と恥骨との間の張力発揮と関節運動を起こすことに留まってしまいます。より強力な閉鎖力およびカウンターニューテーションを引き起こすためには、梨状筋が働くことが必要です。梨状筋と言えば、股関節を診る上では重要だと周知されている筋肉ではあると思われますが、この梨状筋は、仙骨側への付着は、仙骨の前面というか、内面に付いています。筋の作用を考える時には、停止が起始に近づくというだけでなく、滑走説を考えると、両側性に引き付ける作用だということを忘れてはいけません。どちらかが優位に固定されているのか?というだけの違いなので、リバースアクションも考慮して考えなければなりません。股関節側が固定された状態での梨状筋の張力発揮は、仙骨のカウンターニューテーションを引き起こします。肛門挙筋に比べ、付着部が上方なことと、筋のボリュームが大きいことから、より強力なカウンターニューテーションを起こすこととなります。梨状筋の機能不全は、仙骨が浮き上がったような現象を認めますが、この状態は、いわゆるニューテーションしている状態となっており、閉鎖力とグランディングの低下を示唆しています。加えて、一側性の梨状筋の張力の変化は、仙骨を回旋させる要因となりますので、梨状筋は、仙骨に対する前後緩衝系をメインとして、回旋推進系(および左右平衡系)へ関与することとなります。
梨状筋は深層外旋六筋の一つですが、他の深層外旋六筋はどこに付着しているのか?というと、仙骨ではなく、坐骨周囲に付着しています。つまり、リバースアクションを考えると、坐骨の外転に主に関与していることがわかります。坐骨の外転は、立脚する際には必要な動きであり、重心の左右への移動だけでなく、坐骨の外転に伴って、骨盤底筋の横方向の浅・深会陰横筋の線維を主体とした遠心性収縮をもたらし、骨盤の左右方向の安定性に関与します。つまり、左右平衡系を中心に、回旋推進系に関与することとなります。

いわゆるコアユニットや閉鎖力を考える上で股関節が外せないのは、深層外旋六筋の梨状筋による仙骨のカウンターニューテーションの誘起とそれに伴う骨盤底の前後系の繊維の収縮および、深層外旋六筋の他の筋肉による坐骨の外転に拮抗する形での骨盤底の横方向の繊維の収縮が促されるためだと考えられます。つまり、深層外旋六筋を一塊として考えるのではなく、それぞれの筋や繊維によってアプローチの目的が違えば、体に作用させる方向性が違います。

仙腸関節は荷重と反力を統合する部位であります。そのため、荷重関節としては非常に重要であり、荷重と反力を抜きにして考えるのは難しいと思われます。
この関節は、凹凸はあるものの、ほぼ平面関節です。
荷重と反力がもろにかかるのにも関わらず、関節の向きがそれと並行というのも、不思議じゃありませんか?ふつう、上下方向に負荷がかかるのであれば、平面関節であればそれと垂直にした方が安定するのですが、そのような形態をとっていません。
だからこそ、自由度が高く、同じ関節内だけでそれぞれが関節モーメントを相殺することが可能な関節であり、重心の制御にもってこいなのではないのでしょうか。そして、荷重と反力がかかる方向に並行な関節の脆弱さと安定性および支持機構として靭帯が密になっているのだと考えます。

仙骨は前後緩衝系がメインですが、腸骨はというと、前後傾に起因する前後緩衝系、外内転に関与する左右平衡系、そして、それらが複合して動いた場合と、イン・アウトフレアの回旋推進系の3方向に密に関与してきます。股関節は3軸ですので、言うまでもありませんね。
つまり、仙骨と連動している下腿は、蝶番関節の変形として、もともとは一軸性の関節形態が変形した足関節の螺旋関節によって、前後緩衝系をメインとしており、股関節を構成している大腿骨・腸骨は、前後緩衝系だけでなく、左右平衡系と回旋推進系に関与するということになります。