過保護というと”甘やかされれて育った、甘ったれた人”というイメージがあるかもしれません。
過干渉というと、”なんでもやってもらえて、苦労を知らないから、怠け者になった人”というイメージがあるかもしれません。
ここでは、ちょっと違った視点を提供します。
医師が診断書を書く場合を除いて、心理の専門家が本人に対して「あなたはアダルトチルドレン(AC)です」とか「あなたはトラウマです」と言うことは基本的にはありません。専門家にラベルを貼られることで、そのラベルに支配される(新たな症状が発生したり、症状から抜け出しにくくなる)ことを嫌うためです。[続きを読む]
カウンセリングについての議論で、こんな話題がありました。ひどく苦しい状況の人に、こう聞かれたら、どう答えるか。「なんで私(だけ)がこんな目に会うんでしょうか・・・」
前回に続いて人生脚本の仕組みと修正のお話です。
思考、感情、行動(身体反応)などはお互いに影響し合っています。考えが変われば気持ちが変わった、行動したら考えが変わった、などなど。しかしながら、とっさのとき、無意識に起こっているのは、思考(自動思考)→感情→行動の方向の影響です。そしてこの、“とっさのとき”は人生の分岐点であることも多いのです。その積み重ねが人生をつくります。
”とっさのとき”の例をみてみましょう。
例:
挨拶したのに返事がない (出来事)
↓ ←私には価値がない(ビリーフ)
嫌われている (自動思考)
↓
傷つくのがこわい (感情)
↓
話しかけない (行動)
↓
価値がない人の人生 (人生)
ビリーフ(思い込み)によって出来事が解釈されます。この解釈が人によって違います。それが脚本の違いです。それ以外は殆ど万人共通。
行動や習慣からへフィードバックが起こります。このループによって脚本は強められてゆきます。これを「運命」と呼んでよいでしょう。そのみなもと(根本原因)はビリーフです。
とはいえ、ビリーフ以外にも人生の原因はあるかもしれません。たとえば、日本人に生まれたこと、その性別に生まれたこと、たまたま雨が降ったこと。それらは「宿命」と呼んでよいでしょう。
運命:変えられる必然
宿命:変えられない偶然
人生は宿命ではなく運命で作られると思えることが重要かと思います。
人生脚本(運命)の修正の方法には、こんなものがあります。
・認知の歪み(自動思考)を修正 (認知療法)
・ビリーフを解消 (ビリーフチェンジ心理療法(心理セラピー))
・想像力(思考・感情)と表現力(行動)を磨く (演劇的手法)
…など
私がやっているビリーフチェンジ心理療法では、ビリーフが作られた原体験を探り、ビリーフが作られるその前を取り戻します。
いずれにしても、まずは自分の人生脚本を意識することが、人生の主導権をもつヒントになるのではないかと思います。