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⑴
支配人・吉田、スタッフ・珠代、社長・浅香、秘書・安尾、
新婦・景子、新郎・小西、借金取り・レイ、組長・高井、殺し屋・椎森、
が揃う状況。
吉田が景子・小西・レイ・高井・椎森に対し、落ちついた口調で、
吉田「皆さん、きちんと話し合われてはどうですか?」
⑵
新郎・小西が新婦・景子に真面目に語り掛ける。
小西「確かに、親が決めた結婚だったかもしれません」
小西「でも、僕は景子さんのことを真剣に愛しています!」
小西「改めて、僕と結婚してください!、お願いします!」
♪感動的な音楽が流れる
景子「私が人質になった時、あなたは私を守ろうとしてくれました」
景子「あなたなら、私を一生守ってくれる。…そう思いました」
景子「プロポーズ、お受けします」
小西「ありがとう」
吉田が小西たちに、
吉田「良かったですね」
小西と景子が自分たちの意思で結婚することを決めた。
⑶
ここから、追いかけられた順に許される展開に。
小西が借金取り・レイに対し、
小西「借金は必ずお返しします!」
小西「もう少しだけ待ってください!」
♪感動的な音楽が流れる
レイ「小西。俺はお前が借金を踏み倒す奴やと誤解していた」
レイ「でも、命懸けで人を守ろうとする姿を見て、考えが変わった」
レイ「待ったるわ!」
小西「ありがとうございます!」
吉田が小西に、
吉田「良かったですね」
小西と景子が手を繋ぎ、別館の式場に戻っていった。
⑷
レイが組長・高井に対し、
レイ「使い込んだ金は必ず返します!」
レイ「もう少しだけ待ってください!」
♪感動的な音楽が流れる
高井「レイ。俺はお前を裏切り者やと誤解していた」
高井「でも、命懸けで人を守ろうとする姿を見て、考えが変わった」
高井「使い込んだ二千円、無かったことにしたる!」
レイ「ありがとうございます!」
吉田「二千円!?…それくらいやったら貸したのに」
レイが事務所に戻っていった。
⑸
高井が殺し屋・椎森に対して、
高井「殺すことは待ってくれ!」
♪感動的な音楽が流れる
椎森「高井。俺はお前を殺し屋から逃げる奴やと誤解していた」
椎森「でも、命懸けで人を守ろうとする姿を見て、考えが変わった」
椎森「殺すの、来週にしたる!」
高井「ありがとうございます!」
吉田「ええんかいっ!」
吉田「(殺されるまでの)時間遅なっただけですよー!?」
高井と椎森が新郎新婦のように仲睦まじい様子で手を繋ぎ去っていった。
吉田「二人、結婚式挙げそうな雰囲気やな。(苦笑)」
こうして、吉田はホテルで起きたトラブルを丸く収めることができた。
※
補足
若者カップル、澪と圭吾のその後については描かれていません。
(服を脱がせる役割を終え、)そのまま帰ってしまったようですね。
⑴
トラブルを見事に収拾した吉田に感動した様子の浅香社長。
浅香「吉田さん、素晴らしいわ!」
浅香「ホテルマンとして最高よ!」
浅香「犯人に対するあなたの言葉、立派だった! ホテルへの愛情を感じたわ」
浅香「あなたをヘッドハンティングしてきて、本当に良かった」
吉田「なら、仕事を続けてもいいんですか!?」
浅香「モチのロンじゃない!」
吉田「やったー!、良かったー!」。
安尾「吉田さんが仕事を続けられて良かったです、か?()」
安尾「良かったです」
⑵
浅香「…あっ、そうそう」
浅香「だから、自分達でホテルを見つけて、これからもホテルマンとして頑張ってね」
吉田・珠代「えーっ!?」
吉田・珠代「そんなアホな~!!」
終
[雑感]
⒈
今は無き西梅田劇場の公演で、吉田裕さんの実質的なリーダー週でした。
騒音付きのプレハブ劇場が懐かしいですね。
吉本新喜劇全体としてのキャスティングが現在と比較するとまだまだ柔軟な時期で、
今回の週を見ても、吉田裕さんのキャスティング色がしっかりと感じられます。
そして、NGK以外の劇場での週20公演は現状を考えると凄く多い数に思えます。
土日は一日4公演、水金は夜公演『ワラスイ・ワラキン よる寄席』がありましたね。
⒉
タイトル『お客がとまらないホテル!?』
「泊まらない」と「止まらない」を掛けたものでした。
⒊
各リーダー座員さんの新喜劇の魅力・特徴
⑴
芸歴順に、
・清水けんじさん…絶品の回し・ツッコミ、物語を引き締める演技力、過去の清算劇
・信濃岳夫さん…驚異的な台本、新人をも活かす配役、ポップな作風→人情劇は少なめ?
・諸見里大介さん…舞台映え、キャラクター、(+舞台挨拶でも活きるトーク力)
が御三方の魅力・特徴とするならば、
吉田裕さんの魅力・特徴は以下のような点でしょうか?
・容姿弄りは最低限の柔らかく温かい作風、人情劇
・前のめり、熱血
・随所に見られる落語的要素
・大袈裟なリアクションと間で作る笑い
・共演者を選ばない適応力
⑵
他御三方は『不得意面がある一方、得意分野で突き抜けた魅力を持つ』特化型の印象で、
吉田裕さんは『不得意分野が無い』バランス型の印象を抱いています。
−20+120も100−0も=100。
三者三様、甲乙付け難いということで。
2019/02/05~11
【よしもと西梅田劇場・吉田裕さん担当週】
『お客がとまらないホテル!?』 完