吉田と諸太郎、二人。

吉「お前のせいで、信濃が怪我してしもうたやないか
タラー
諸「シャケが白い皿で運ばれて行きましたね
ウインク
吉「救急車や!タラー笑い泣き


諸「あいつがまた来たら、吉田の素性が安世さんにばれる」
吉「…そやねん
タラー
諸「ほな、吉田が死ぬんはどうやろ?
ウインク
吉「死んだらあかんやん!
タラー
諸「ほんまじゃなくて、死ぬ芝居」
諸「チンピラと喧嘩して、拳銃で撃たれて死ぬことにする」
諸「吉田が死んだのを見たら、信濃も諦めて、『川』に帰るから
ウインク笑い泣き

吉「そんなん言うても、拳銃、どこにあんねん?」
諸「あるやん
口笛
諸太郎がオモチャの拳銃を取り出す。

諸「俺がチンピラの役するわ」
吉「顔がばれてるやないか!」
諸「ウジウジ言うな!絶交するぞ!
ムキー笑い泣き
吉「友達みたいに言うな!(苦笑)」 笑い泣き

諸「変装するから!」
諸太郎は帽子を取り、店の忘れ物のサングラスを掛け、
口の周りにたこ焼きソースを塗り、口髭代わりにする。
笑い泣き

吉「衣装は?」
諸「チンピラの服が要るな」
諸「あと、吉田を死んだように見せる医者の役も要る」

諸「どこかに、チンピラと医者の服を持ってて、医者の役をやってくれる人、おらんかな?」


そこに、啓之が通り掛かる。
啓「嫌ですよ、医者の役なんて」

啓之はクリーニングの配達で、医者の服とチンピラの服を持っていく途中で、
結局、芝居を手伝うことになる。


諸太郎が演技プランを練る。

①信濃が登場すると、演技スタート
②諸太郎「吉本組や!覚悟せえ!
プンプン」と信濃を殴る
③吉田「俺の舎弟に何するんや!
プンプン」と諸太郎を殴る
④諸太郎「くそーっ!」と、拳銃を取り出し、吉田に向けて撃つ
⑤啓之がスマホで拳銃の発射音を出す
⑥吉田が倒れる
⑦啓之が登場→啓之「私は医者です」
⑧啓之が吉田の脈を測る→啓之「ご臨終です」
⑨信濃が諦めて、去る
というもの。


諸太郎は自分でプランを練ったものの、
練習する中で、幾つか不安も生まれたよう。

諸「俺、小1やけど、シャケに殴り掛かって大丈夫かな?」
吉「あいつは威勢だけやから、その点は大丈夫や!
ウインク笑い泣き

諸「突然登場して、一言目に『私は医者です』もおかしない?」
諸「そんなシーン、見たことある?(苦笑)」

吉「大丈夫や!言わん方が怪しまれる」
と、吉田が啓之を見る。
吉「ほぼ何もしてへんのに、汗だくやな!(苦笑)」
笑い泣き


諸太郎の視界に信濃が入る。
諸「シャケ、もんてきた!
びっくり笑い泣き

信濃はまだ治療中で、
頭を包帯で巻き、ネットで固定している。
それが、シャケの皮のように見え、
諸「自分から寄せに行ってるやん!(苦笑)」
笑い泣き


演技、スタート。

諸「吉本組や!覚悟せえ!
プンプン
と、諸太郎が信濃を殴る。
信濃が吹っ飛ぶ。
信「痛ーっ!


諸「弱っ!…言うてた通りや。(苦笑)」
笑い泣き

吉「俺の舎弟に何するんや!プンプン
と、諸太郎を殴る。

諸「くそーっ!」
諸太郎が拳銃を取り出す。
信「兄貴、危ない!
びっくりアセアセ

諸太郎と信濃が拳銃を奪い合う。
諸太郎が誤って、上空に向けて発射したフリをしてしまう。

啓之がスマホをタップし、『バーンッ!』という拳銃の発射音を出す。
このままでは不味いため、
追加で『キーン!キーン!キーン!』と弾が弾かれる音を出す。
笑い泣き
(公園であるにもかかわらず…)

 

諸太郎が弾道を追うフリをし、
吉田が弾を喰らい、倒れる。

啓之が現れ、
啓「私は医者です」
吉田の脈を測り、
啓「ご臨終です」

信「兄貴、まさか死ぬなんて…(泣)」
信「一生、忘れません!(泣)」
信濃が去っていった。

吉田は起き上がり、信濃の去った方向を見て、
吉「何で上手く行ったんや?
キョロキョロ笑い泣き


諸太郎が衣装を脱ぎ、小学一年生に戻る。

芝居に協力し終えた啓之は、クリーニングの配達に向かった。

 
 


吉田と諸太郎が二人で居ると、安世が悲鳴を上げながら現れる。
安「キャーッ!!
ガーン

吉「どうしたんですか!?」
安「ストーカーに追われてるんです!
アセアセ


髪を七三分けにし、テカらせた、ストーカーの瀧見(瀧見信行)が現れる。

瀧「安世ちゃーん!
爆  笑

吉「ストーカー行為は止めろ!
プンプン
瀧「違う!」
瀧「安世ちゃんの後を追ったり、」
瀧「安世ちゃんの出したゴミを漁ったり、」
瀧「安世ちゃんの郵便物を見ただけや!
えー笑い泣き

吉「それをストーカー行為って言うんや!タラー


吉田が瀧見に、
吉「安世さん、嫌がってるやろ!」
瀧「お前、誰や!?」
吉「…」
吉「安世さんの彼氏やっ!
プンプン

安「えっ?
キョロキョロ

吉田が、瀧見に聞こえないように、諸太郎に対し、
吉「相手を騙す作戦やから!
ウインク


瀧見は勘が鋭いのか、吉田の行動を怪しく感じたのか、
瀧「嘘ついてるやろ!?」
瀧「それに、安世ちゃんの彼氏は僕や」
瀧「お前の方が僕より強かったら、安世ちゃんの彼氏と認めてやろう!
えー

瀧見が運動神経が鈍そうな動きで吉田を殴る。

吉田は殴り返さず、その場に倒れ、我慢する。
誰にも聞こえないような、小さな声で、
吉「俺は二度と手を出さんて、決めたんや!
プンプン

諸太郎は歯痒いようで、吉田に対して、
諸「やり返せよ、暴力王っ!
ムキー


補足。
瀧見さんが殴る場面について。

瀧見さんはヤクザ役の時は鋭いパンチを放っていて、
役柄上、運動神経の悪い動きをオーバーに演じていると思われます。


一方的に殴られる吉田を見ていられない諸太郎は、
ポケットから小さな器を取り出し、蓋を開け、瀧見に振り掛ける。
瀧「うわっ!、なんや!?」
諸「検尿
口笛笑い泣き
瀧「汚っ!アセアセ


瀧見が安世を連れて行こうとすると、吉田が瀧見にしがみ付き、
瀧見が吉田を殴り倒す。
何度か繰り返すうち、瀧見が根負けする。
瀧「ここまでやられても、立ち向かってくる…ほんまの彼氏のようやな
アセアセ
瀧「安世さんは諦める」
瀧「安世さん、幸せになってね」

瀧見が去っていった。


安「吉田さん、私のために…
おねがい
安世が吉田に抱きつく。

二人は良い雰囲気になるが、
ここで、諸太郎が二人の間に入り、吉田に抱きつく。
諸「吉田…
おねがい笑い泣き

吉「邪魔や!入ってくな!えー
吉「めちゃくちゃ、ええとこやのに!
えー

諸「吉田、エッローッ!
ニヤリ
諸「エッチ、スケッチ、イブラヒモビッチ!
ニヤリ
吉「ワンタッチや!
タラー
諸「吉田、古ーっ!
ニヤリ
諸「今は、イブラヒモビッチって言うんや」
吉「聞いたことないぞ!
えー


安世が吉田に感謝する。
安「吉田さん、ありがとうございます!
おねがい

安「あの、『彼氏』って…
キョロキョロ
吉「あっ、あれは安世ちゃんを守るために、ストーカーを騙したんや」

安「本当に彼氏でも良かったのに…」
安世はわざとらしく、
安「…えっ、私、何言うてんやろ?
アセアセ
諸『本当に彼氏でも良かったのに…
口笛

吉田が諸太郎に、
吉「そういう時だけ、子供になるなあ
タラー笑い泣き


諸太郎が、安世に聞こえないように小声で、吉田に対し、
諸「吉田、告白した方がいい」
諸「今の感じやったら、行ける
ウインク
諸「告白や!」

吉「分かった!」
吉田が安世に告白しようとする。
 
 
その5に続く