安世が休憩から戻ってくる。

安世は諸太郎を見て、
安「めちゃめちゃ、可愛い!
おねがい
安「僕、小学校一年生?
おねがい

吉「この見た目で、何で分かるんや!(苦笑)」
笑い泣き


諸太郎が嘘泣き
えーんしながら事情を説明すると、
安「遊園地、行けなくて、かわいそう
ショボーン
と小さな体で諸太郎の巨体を抱擁する。

安世の体に顔を埋め、吉田を見てニヤニヤする、諸太郎
ニヤリ 笑い泣き
安「泣き止んだ?」

諸「…えーん笑い泣き
吉「嘘泣きやん!絶対泣いてない!タラー笑い泣き

その言葉に諸太郎が怒り、吉田を威嚇する。
諸「やるんか!
ムキー


喧嘩になりそうなところを安世が止める。
安「私、人を殴ったり、暴力は大嫌い!
えー
安「この公園でも、吉本組の人間が暴れたことがあったのよ!
えー

諸太郎が安世に、
諸「『吉田』も元ヤクザですよ
ニヤリ
大人の吉田を呼び捨てにする、小学校一年生の諸太郎。
安「…?」
吉「あーっ、僕もヤクザが大嫌いなんです!
アセアセ

吉田が慌てて、諸太郎を呼び寄せる。
吉田は安世に聞こえないように、諸太郎に小声で、
吉「要らんこと、言うな!
アセアセ
吉「安世さんに嫌われたら、俺、生きていけん
アセアセ

諸「分かった。吉田、好きなんやろ?、安世ちゃんのことウインク

吉「…アセアセ
諸「言うたろー!言うたーろー!
口笛
吉「…ちょっ!
アセアセ
諸「…先生に言うたーろー!
口笛笑い泣き
吉「先生かい!アセアセ笑い泣き


諸「金や!
ニヤリ
吉「…えっ?」
諸「ばらされたくなかったら、金よこせ
ニヤリ
吉「ほんまに小学校か!?…なんぼ?」
諸「50円
ニヤリ 笑い泣き
吉「かわいいなあ。(苦笑)」
諸「うまい棒、5本買う
口笛
吉「今、消費税掛かるから、50円で5本買えんぞ
タラー
諸「ほな、54円や!
ニヤリ
吉「54円って。(苦笑)……(少し考えて)…合うてるやん!
びっくりアセアセ

小学一年生とは思えない計算力を見せる、諸太郎。
 
 


屋台で、紅生姜を切らしたよう。

吉田が新名に、
吉「それやったら、僕が買ってきます
ニコニコ
安「私が買ってくるわ」
安「吉田さん、働きすぎで体が心配」
安「吉田さんの栄養ドリンクも買ってこないと」

その様子を見ていた諸太郎が、
諸「ヒュー、ヒュー!
チュー
諸「この部屋、暑くない?
チュー

吉「おったなあ、そんな奴。(苦笑)」
子供時代を懐かしむ、吉田。


安世が買い出しに出掛ける。

安世はバッグを忘れていることが分かり、
新名がバッグを持ち、短距離走のように全速力で追いかける。
笑い泣き

吉「…なんなん、今の必死な感じ。(苦笑)」


吉田と諸太郎、二人になる。

諸「安世さんも吉田のことが好きだと思う
ウインク
諸「だから、告白したら?」

吉田は諸太郎から視線を外し、客席の方を見て、
吉「そんな勇気無いわ」
吉「…それに、俺はこの生活が続いたらええと思ってる」

諸「…吉田、誰と喋ってんの?
ニヤリ笑い泣き
吉「お前や!アセアセ
 
 


吉田と諸太郎が二人で話していると、
オレンジの派手なスーツを着た男・信濃(信濃岳夫)が現れる。

信濃は吉田を見て、
信「アニキ、探しましたよ!
爆  笑
吉「…
ショボーン
吉田は信濃のことを知っているようだが、冴えない表情で、あまり嬉しくなさそう。


諸太郎が信濃に尋ねる。
諸「お前、誰や!
ニヤリ
信「吉田さんの舎弟や

諸「シャケ(鮭)ー?
ニヤリ笑い泣き
信「違う!舎弟!アセアセ
諸「どっからどう見ても、シャケやん!」
諸「切り身にしてくれてるし
ニヤリ笑い泣き
諸「シャケって言うより、シャーモン(=サーモン)やなニヤリ

諸「いただきます!」
諸太郎が信濃に噛み付こうとして、信濃が必死で避ける。
信「俺、食べたら、バケモンやぞ!(苦笑)」
笑い泣き


信「キレんぞ!
ムキー
諸「だから、もう切れてるやん!
ニヤリ笑い泣き

信「ガキやからって、あんまナメたら!」
諸「カキやからって、生で食べたら?
口笛

信「ガキやからって、そういうこと言うたら!」
諸「カキやから、醤油マヨで?
口笛
信「…お前、更に太るぞ!(苦笑)」
笑い泣き

信「しゃ!」
諸「しゃ!」
信「て!」
諸「て!」
信「い!」
諸「い!」
信「しゃてい!」
諸「シャケー
口笛

信「うーんっ!
ムキー
両手のひらを上にし、全ての指を折り曲げて苛立ちを表現する、信濃。
諸「炙られてんの?
ニヤリ笑い泣き

信「お前には、俺がどう見えてんねん!?」
諸「シャケ
ニヤリ
信「シャケから離れろ!」
諸太郎と吉田が舞台袖に捌ける。

信「そういう意味ちゃう!
アセアセ
信「集合!」
諸太郎と吉田が舞台袖から戻ってくる。

信濃が諸太郎に分かり易く説明する。
信「子分って意味や!」
諸「…おもんな
えー笑い泣き

信「アニキ、なんなんすか、このデカイの!?」
吉「訳あって、屋台の大将が預かってるんや」


信「アニキも、こんなとこで何してるんすか!」
信「花月組の『暴力王』と言われた男が!」

諸「マキバオー?」
吉「暴力王や!
タラー
諸「ダッセー!
ニヤリ笑い泣き
『ダサい』と言いたいがために、吉田に異名を言わせる、狡猾な諸太郎。


信「花月組を立ち直らせることができるのは、アニキしかいないんです!」
信「組に戻ってきてください!」
吉「俺は戻らんて、決めたんや!
プンプン

信濃が屋台を見て、
信「こんなもんがあるから、あかんのや!
ムキー
と、屋台を蹴って怖そうとする。

諸「何、すんねん!
ムキー
諸太郎がたこ焼きの鉄板の左右を両手で持ち、
信濃の頭に叩きつける。

信濃は仰向けに倒れ込み、体を痙攣させる。
諸「シャケがピチピチしてるわ
口笛爆  笑笑い泣き
吉「痙攣してるんや!アセアセ

諸太郎が吉田に、
諸「よっ!暴力王!
口笛笑い泣き

吉「お前のせいや!アセアセ

暗転。
 
 
その4に続く