『オタク、恋してますか?』
[セット紹介]
『公園』
中央奥に、ラーメン屋台がある。
舞台上手に、喫茶フラワームーン(の入り口)。
舞台上手袖・下手袖最前部に、道。
[物語]
(敬称略)
⒈
⑴
舞台は、ラーメン屋台のある公園。
敬介(もりすけ)が現れる。
敬「ええ天気やなあ」
敬介は屋台を見て、
敬「誰も居てへんなあ」
敬介は舞台下手袖を見て、
敬「…それにしても、お父ちゃん、来るの遅いなあ」
敬介は父親とラーメンを食べに来たよう。
⑵
アルミ製の岡持ちを持った、ラーメン屋台の大将・烏川(烏川耕一)が現れる。
烏川は敬介を見て、
烏「お客さん?」
敬「そうですけど」
烏「直ぐに準備しますんで、前の椅子にお座りください」
烏川が急いで屋台の方にやってくる。
屋台の奥に行こうとして、右手の岡持ちで敬介の頭を叩く
敬「痛ーっ!」
烏「どうしました?」
敬「今、叩いたでしょ!」
烏川が敬介の薄めの頭部を見て、
烏「引き摺ったんか、毛抜けてますよ?」
敬「元々や!」
烏「すみません」
烏「ラーメンをサービスしますんで、許してください」
敬「それやったら、許します」
⑶
烏「一人でいらっしゃったんですか?」
敬「父と妹と一緒に来たんですけど、遅れてて」
敬「大将は一人で屋台をされているんですか?」
烏「今日からアルバイトを雇ったんですけどね」
烏「初日から遅刻しているんですわ」
烏「高校生の男の子らしいけど、知り合いの紹介なんで、どんな子か知らんのです」
(敬称略)
⒈
⑴
舞台は、ラーメン屋台のある公園。
敬介(もりすけ)が現れる。
敬「ええ天気やなあ」
敬介は屋台を見て、
敬「誰も居てへんなあ」
敬介は舞台下手袖を見て、
敬「…それにしても、お父ちゃん、来るの遅いなあ」
敬介は父親とラーメンを食べに来たよう。
⑵
アルミ製の岡持ちを持った、ラーメン屋台の大将・烏川(烏川耕一)が現れる。
烏川は敬介を見て、
烏「お客さん?」
敬「そうですけど」
烏「直ぐに準備しますんで、前の椅子にお座りください」
烏川が急いで屋台の方にやってくる。
屋台の奥に行こうとして、右手の岡持ちで敬介の頭を叩く
敬「痛ーっ!」
烏「どうしました?」
敬「今、叩いたでしょ!」
烏川が敬介の薄めの頭部を見て、
烏「引き摺ったんか、毛抜けてますよ?」
敬「元々や!」
烏「すみません」
烏「ラーメンをサービスしますんで、許してください」
敬「それやったら、許します」
⑶
烏「一人でいらっしゃったんですか?」
敬「父と妹と一緒に来たんですけど、遅れてて」
敬「大将は一人で屋台をされているんですか?」
烏「今日からアルバイトを雇ったんですけどね」
烏「初日から遅刻しているんですわ」
烏「高校生の男の子らしいけど、知り合いの紹介なんで、どんな子か知らんのです」
⒉
⑴
烏川と敬介が話していると、
夏の男子学生服姿の藍五郎(酒井藍)が現れる。
藍「こんにちはー!」
藍五郎は角刈りで眉毛は太く、口周りに円を描くように髭を生やしている。
ペットボトルを持ち、舞台の左右を行き来する、藍五郎。
藍「暑いですなー!」
藍「夏は暑いから、水分、取らな!」
と、ペットボトルを口にしている。
⑴
烏川と敬介が話していると、
夏の男子学生服姿の藍五郎(酒井藍)が現れる。
藍「こんにちはー!」
藍五郎は角刈りで眉毛は太く、口周りに円を描くように髭を生やしている。
ペットボトルを持ち、舞台の左右を行き来する、藍五郎。
藍「暑いですなー!」
藍「夏は暑いから、水分、取らな!」
と、ペットボトルを口にしている。
藍五郎が客席の上方を見て、
藍「夏が過ぎたら、直ぐ春や」
烏「秋と冬もあるけどね。(苦笑)」
烏「ほんで、どこ見て言うてんの?」
藍「春を思うと、遠くを見つめてしまうんや」
藍「♪こういう夢なら もう一度逢いたい」
藍「♪春が来るたび あなたに会える」
と、懐かしい歌(Hysteric Blue)を歌い始める、藍五郎。
烏「…(苦笑)」
藍「♪そういう気持ちを 忘れずにいたら」
藍「♪強く生きられるような気がして」
烏「もう、ええ!キリがない!(苦笑)」
⑵
烏川が藍五郎に尋ねる。
烏「お客さんですか?」
藍「今日からのバイトっす!」
烏「お前かい!」
烏「ほんまに高校生?(苦笑)」
藍「俺は、花月高校三年の酒井藍五郎っていいます」
藍「俺のチャームポイントは…」
と、人差し指で口周りの髭を一周し、
藍「この立派な人差し指」
烏「髭ちゃうんかい!」
人差し指をアピールするように縦にする、藍五郎。
烏「20世紀少年か!」
藍「おもろい、おもろい」←遇らうように
⑶
敬介が烏川達に、
敬「お水、貰っていいですか?」
藍「嫌です」
と、ペットボトルを隠す。
烏「お前の飲みかけのやつ、ちゃう!」
烏川が敬介にお水を出す。
烏「ペットボトル、キンキンに冷やしやがって。(苦笑)」
ペットボトルをよく見ると、舞台用の空のものではなく、
水が凍っていることが分かる。
藍五郎は凍らしたペットボトルを敬介の頭の上に乗せる。
敬「冷たっ!」
⑷
烏川が藍五郎に対し、
烏「初日に遅刻して、要らんことして…クビや!」
藍「そんな~!」
藍「俺、バイトして、どうしても買いたいもんがあるんです!」
烏「…そこまで言う、買いたいもんて、何や?」
藍「漫画です!」
烏「漫画かい!」
藍「俺、花月高校の漫画クラブの部長なんです」
藍「学校に予算が無いから、自分達で漫画を揃えなあかんのです」
藍「クビにせんとってください!この通りです!」
と、手を胸の前で合わせ、合わせた手を中心に体を左右に揺らす、藍五郎。
烏「それ、やめろ!」
話を聞いていた敬介が烏川に対し、
敬「許してあげたらどうですか?」
藍五郎が敬介に、
藍「要らんこと、言うな!」
烏「お前のために言うてくれとるんや!」
烏「…しゃあないな。今回は、許そう」
⑸
藍五郎がエプロンを着けようとするが、なかなか終わらない。
烏「何、しとんねん」
藍五郎が後ろに振り向くと、手が回り切っておらず、紐を結ぶことができない。
藍「大将、お願いします!」
烏川が藍五郎の後ろに立ち、エプロンを結ぶ。
烏「…これ、毎日せなあかんの?(苦笑)」
⑹
烏川が紐を結ぶ間、藍五郎が女性モードになり、
目をキラキラさせ、客席斜め上を見ながら、
藍「星が綺麗やわ~」
烏「…」
藍「…って、アホかっ!(苦笑)」
照れるように一人でノリツッコミする、藍五郎。
烏「こっちのセリフや!」
烏「こっちのセリフや!」
烏「ええ加減にせえよ!」
藍「すいませんでした!」
また、手を胸の前で合わせ、合わせた手を中心に体を左右に揺らす、藍五郎。
烏「じっとせえ!(苦笑)」
烏「自分のこと、石と思え!」
烏「余計なこと考えんと、真面目に働いて」
藍「すいませんでした!」
また、手を胸の前で合わせ、合わせた手を中心に体を左右に揺らす、藍五郎。
烏「じっとせえ!(苦笑)」
烏「自分のこと、石と思え!」
烏「余計なこと考えんと、真面目に働いて」
⒊
⑴
一の介(島田一の介)が現れる。
一「お邪魔します~」
烏「一の介さん、こんにちは」
敬「お父ちゃん、遅かったな」
一の介と烏川は知り合いのよう。
烏川は、一の介と敬介が親子であることを初めて知る。
藍五郎が一の介に近付き、一の介の頭髪を見ながら、
藍「間違いない。親子です」
一「どこ見て、言ってんの?」
藍「…」
藍「ここ!」
と、一の介の頭に指を当てる。
⑵
烏「一の介さん、息子さんがいたんですね」
一「娘もいるんだが、二人とも恋人も作らず、フラフラ…心配で仕方ないよ」
敬「俺やって、彼女ほしいよ!」
⑶
一の介の娘で、おかっぱ頭にした、直子(今別府直之)が現れる。
直子が父親・一の介と兄・敬介に対し、
直「二人とも、お待たせ」
藍「バケモン、来たで。(苦笑)」
直「…」
直子は客席の方を見て、
直「なんでやねーんっ!!!」
皆「…(苦笑)」
藍「何を撒き散らしたんですか?」
直「何も撒き散らしておりません」
⑷
一の介は直子のことを肯定しようと、皆に対し、
一「直子、可愛いやないかい」
烏「…可愛いですか?(苦笑)」
一「…家族っちゅうのは、そういうもんや!(苦笑)」
藍「どう見ても、バケモン家族や」
烏「もう、言うな」
⑴
一の介(島田一の介)が現れる。
一「お邪魔します~」
烏「一の介さん、こんにちは」
敬「お父ちゃん、遅かったな」
一の介と烏川は知り合いのよう。
烏川は、一の介と敬介が親子であることを初めて知る。
藍五郎が一の介に近付き、一の介の頭髪を見ながら、
藍「間違いない。親子です」
一「どこ見て、言ってんの?」
藍「…」
藍「ここ!」
と、一の介の頭に指を当てる。
⑵
烏「一の介さん、息子さんがいたんですね」
一「娘もいるんだが、二人とも恋人も作らず、フラフラ…心配で仕方ないよ」
敬「俺やって、彼女ほしいよ!」
⑶
一の介の娘で、おかっぱ頭にした、直子(今別府直之)が現れる。
直子が父親・一の介と兄・敬介に対し、
直「二人とも、お待たせ」
藍「バケモン、来たで。(苦笑)」
直「…」
直子は客席の方を見て、
直「なんでやねーんっ!!!」
皆「…(苦笑)」
藍「何を撒き散らしたんですか?」
直「何も撒き散らしておりません」
⑷
一の介は直子のことを肯定しようと、皆に対し、
一「直子、可愛いやないかい」
烏「…可愛いですか?(苦笑)」
一「…家族っちゅうのは、そういうもんや!(苦笑)」
藍「どう見ても、バケモン家族や」
烏「もう、言うな」
更に『バケモン家族』の内訳に触れる、藍五郎。
藍「ハゲ(=一の介)、ハゲ(=敬介)、デブ(=今別府)、デブ(=烏川)って」
烏「俺を家族に含めるな!」
烏「それ言うなら、お前(=藍五郎)もデブやぞ!(苦笑)」
⑸
藍五郎の散々な言いように、怒り出す、直子。
直「こんなところで食べたくないわ!」
直「お父ちゃん、行くわよ!」
と、敬介の腕を引っ張り、去って行く。
一「間違えとるぞーっ!」
一「バカヤロウ!」
何人かのモノマネをした後、一の介も去っていった。
烏「…誰の真似か、全く分からん。(苦笑)」
藍「今のは、上田吉次郎と花菱アチャコと田中角栄です」
烏「高校生が何で分かるんや!(苦笑)」
藍「ハゲ(=一の介)、ハゲ(=敬介)、デブ(=今別府)、デブ(=烏川)って」
烏「俺を家族に含めるな!」
烏「それ言うなら、お前(=藍五郎)もデブやぞ!(苦笑)」
⑸
藍五郎の散々な言いように、怒り出す、直子。
直「こんなところで食べたくないわ!」
直「お父ちゃん、行くわよ!」
と、敬介の腕を引っ張り、去って行く。
一「間違えとるぞーっ!」
一「バカヤロウ!」
何人かのモノマネをした後、一の介も去っていった。
烏「…誰の真似か、全く分からん。(苦笑)」
藍「今のは、上田吉次郎と花菱アチャコと田中角栄です」
烏「高校生が何で分かるんや!(苦笑)」
その3に続く