⒋
⑴
新名・内場・中條・真希、4人。
中條は真希の縁談を進めていてるよう。
健「相手はNGKレジャー開発の社長なんだがね」
健「上手く結婚出来れば、業務提携できる」
健「そうなれば、我が花月ホテルは益々、安泰になるよ」
真「…ホテルのため?」
健「お前のためだよ」
真「…」
健「誰か、他に付き合っている人でも居るのか?」
真「いえ…」
⑵
健「では、私は休憩してくるよ」
中條が奥に向かう。
内「私も、休憩、いただきます!」
新「お前はあかん!さっき、来たばっかりやないか」
新「ダンボール、安尾さんのところに運んで」
内場がダンボールを抱え、中央奥の通路に消える。
⑶
新名と真希、二人に。
真「徹郎さん、どうしよう?」
真「このままだと結婚させられてしまう」
真「私と徹郎さんが付き合っていること、いつ打ち上けるの?」
新「時期が来たら…」
真「時期って、いつ!?」
新「いや…タイミング、難しいやん?」
真「怖いだけでしょ!もう、いいわよ!」
真希が奥に消える。
新「真希ちゃん、ちょっと…!」
新「…」
⑷
内場が現れる。
内「終わりました」
新「…聞いてた?」
内「何のことですか?」
新「聞いてなかっなら、ええんや」
内場が奥に戻ろうとする。
内「でも、まさか、オーナーに黙って二人が付き合ってたとはな」
新「聞いてるやん!」
内「最後、ちょっとだけ…」
新「どこから?」
内「『徹郎さん、どうしよう?』」
新「全部やん!ダンボール運ぶ仕事、してないよな!?」
⑸
まりこが現れる。
森「何かあったの?」
内「いやね…」
新「内場!」
内「言うてええこととあかんこと、分かってますって!」
森「…『あかんこと』?」
内「新名さんと真希さんがオーナーに黙って付き合っているってことです」
新「おいっ!」
⑹
森「新名さん、私のこと、遊びやったん?」
新「あなたとは何の関係もない!」
内場がまりこの額を見て、
内「汗、凄いな。(苦笑)」
内「あっ、毛皮やから?」
森「今はゴリってないです。(苦笑)」
⑺
まりこが新名に対し、
森「付き合ってること、オーナーに言うた方がええと思います」
内「いや、こんな中途半端、言うても無駄ですって」
新「さらっと悪口言うな!」
内「そうや、花月ロボにも聞いてみましょ?」
内場が花月ロボに尋ねると、
ロ『正直に言うべきです』
内「何、言うとんねん!ガラクタのくせに!」
ロ『何、言うとんねん!ガラクタのくせに!』
内「真似すんな!」
ロ『真似すんな!』
内「お前、アホか!?」
ロ『お前よりマシや!』
内場が激昂し、ロボを壊してしまう。
ロボットは、腰の部分から上と下に真っ二つになる。
内「ロボが真っ二つ」
内「イ〝~」
内「えらいこっちゃ」
内「イ〝~」
内「あっ、ご一緒に」
皆「イ〝~」
内「ロボットもご一緒に」
花月ロボの電子音も加わり、
皆「イ〝~」
⒌
⑴
ロボは『イ〝~』を最後に、反応しなくなってしまう。
断末魔の叫びだったのだろうか?
新名が内場に促す。
新「壊したこと、オーナーに言うた方がええ」
内「嫌です!クビになるから」
新「こう言うのは、正直に言うた方がええよ」
内「それやったら、先に、二人が付き合っていることを言いますよ!」
新「それは…」
まりこはオーナーの姿が見えたようで、
森「オーナーが来るわよ!」
新「取り敢えず、くっ付けて、壊れたことを隠そう!」
内場がロボの下半身に、上半身を乗せる。
⑵
中條が奥から現れる。
雑誌の写真撮影のため、置き場を変更しようとする、中條。
中條は、ロボの足(下半身)を持つ。
そのままでは落ちるため、咄嗟に内場が上半身部分を持つ。
中條がロボの下半身を持ち、適切な置き場を探す。
内場がロボの上半身を持ち、中條の後を追う。
中條にバレないか、ヒヤヒヤする、内場たち。
舞台を左に右に移動する、ドタバタの場面。
⑶
健「やっぱり、元の場所がいいかな?」
中央奥の台にロボの下半身を置き、
すぐさま、内場が下半身の上に上半身を乗せる。
満足そうに奥の部屋に消える、中條。
新「今ので、ようバレんかったな」
⑷
森「今のうちに、接着剤でくっ付けましょう!」
まりこがロボの上半身を持った時、
中條が再び奥から現れそうになる。
まりこが急いだあまり、下半身の上に上半身を『横(仰向け)』に乗せてしまう。
中條が現れ、おかしな状態のロボを見る。
健「…」
森「…」
健「やっぱり、あの位置が最高だな!」
満足そうに、奥の部屋に消える。
新「バレへんのかい!」
暗転。