『花月ロボはいかが?』

[セット紹介]
洋風の『花月ホテル』のロビー。


舞台下手袖に、入り口への通路。

舞台中央奥に、客室への通路。

舞台上手袖に、従業員控え室・事務室・応接室等への通路。


舞台中央に、椅子と膝の位置ほどのテーブル。

舞台中央奥には、高さ1m程の台がある。

舞台上手奥に、フロント。

 

 

 

[物語]

(敬称略)



舞台は『花月ホテル』。

筒井(筒井亜由貴)と奈臣実(山本奈臣実)が宿泊しにやってくる。
筒「着いた~。綺麗で、ええホテルやなあ
爆  笑
山「誰も居ないのかしら?」

従業員に呼び掛ける。


森「はーい!
ニコニコ
フロントの奥から、まりこ(森田まりこ)が現れる。

森「アーッハッハッハッハ
笑い泣き
大笑いしながら二人の前までやってきて、
森「なんか、ええことあったん?
ウインク
筒「あんたや!
タラー

筒「よう見たら、滅茶苦茶ゴリラやないですか!」
森「何よーっ!」
突き合いが始まり、ゴリラになる、まりこ。

まりこは舞台下手の客席に降りる階段に座り込み、
筒井の声にも反応しなくなる。


困った筒井が奥に呼び掛けると、客室主任の新名(新名徹郎)が現れる。
筒「従業員さんがゴリラから戻らなくて…
タラー
新「良くゴリラになるんです。(苦笑)


新「まりこちゃん、元に戻って!」
新名の呼び掛けに応じ、まりこが人類の進化のように元に戻る。
ま「ゴリッちゃった
ウインク

新名が筒井と奈臣実に対し、
新「ここまでが当ホテルのウェルカムサービスでございます
ウインク
筒「要りません!
タラー
新「すみません。客室主任の新名です
アセアセ

新名が筒井に記帳を促す。


新「今日から働く新人は?」
森「まだ、来てないです」
二人が話していると、
従業員服を着た内場(内場勝則)がゆっくりとした歩みで現れるニヤリ

ロビーの途中まで来てから、その場で必死に走る真似をする。 笑い泣き
新「内場、何してんのや!プンプン
内「急いだんですが…
アセアセ
新「どこがや!」

内「すみません!これには訳があって」
内「今朝、母親が…」
新「えっ?
キョロキョロアセアセ
内「起こしてくれへんかったんです
口笛
新「寝坊やん!
タラー

内『(母親が内場に→)起こさへん!
プンプン
内『(内場が母親に→)もう、ええわ!
プンプン
内「言うて
口笛笑い泣き

新「この歳でオカンに起こしてもらうな!」
内「わかりました。親父に起こしてもらいます
口笛笑い泣き
新「自分で起きなさいタラー

森田も加わり、紹介し合う。


内場が奈臣実を見て、相撲取り弄りを仕掛ける。
・奈臣実と新名の相撲
・落としたバッグを受け取る時、手刀を切る
山「乗っただけです!
えー

新「森田くん、二人を部屋までお連れして」
山「自分で行きます!」
森「高砂部屋に?
ニヤリ笑い泣き

話を聞いていた筒井が、
筒「腹立つわーっ!俺、一言、言うわ!」
亜由貴は従業員の前まで行くが、反転して奈臣実を指差して、
筒「痩せろっ!
プンプン
山「私ーっ!?
びっくりアセアセ

筒井と奈臣実が客室に消えていった。
 
 


事務室(舞台上手袖)から、
全身緑色で決めたオーナーの中條(中條健一)と娘の真希(前田真希)が現れる。

中條とは初対面の内場が、オーナーとは知らず、中條の見た目を弄る。
・アスパラガス
・関電ガス
・インゲン等

中條が全身緑色の服にしているのはファッションだそうで、
ヒートテックも緑色。
 
(今作の公演日はもう5月で)
内「暑いでしょ?(苦笑)」
健「…暑い。(苦笑)」
笑い泣き
内「あっ、温野菜?ニヤリ
健「さっきから、失礼な!君は誰だ!?」
内「青二才です
口笛」←温野菜の韻を踏むように 笑い泣き

内「私はオーナーの中條だ」
内「あっ、新人の内場です
アセアセ


新名が中條に対し、
新「オーナー、聞いてください!」
新「内場ですが、無茶苦茶な新人で…」
健「新人教育は客室主任のお前の仕事じゃないか!」
健「新人教育ができないなら、お前をクビにするぞ!」
新「…分かりました
アセアセ

内場が新名に対し、
内「分かったんやったら、早よ、トイレ掃除せえや!
えー
新「お前が言うな!
タラー


中條がテーブルの埃を見て、新名に怒鳴る。
真希が中條をなだめる。
真「…まあ、まあ、お父さん」

内「真希さん、お優しい…結婚したろかな?
ニヤリ
新「お前は、何で上から目線なんや!
タラー

健「言っておくぞ!」
健「真希は従業員との結婚は認めないからな!」
健「ホテルの次のオーナーは真希だ」
健「だから、結婚相手は、由緒ある家系の者でなければならない」
 
中條の話を聞く、真希の表情が曇る。
真「…
ショボーン
 
 


健「安尾博士にホテルの目玉となる物を頼んでいるんだが…まだかな?」

安尾は中條の長年の知り合いのよう。

白衣を着た博士の安尾(安尾信乃助)が大きなダンボールを抱え、現れる。
安「お邪魔しますか?
口笛
新「『か?』は要らない
タラー

暫くの間、新名による『か?』指導の時間。


安尾が皆に対し、
安「今日は『とっておき』を持ってきました」

安尾は、ダンボールから『写真立て』を取り出し、テーブルに置き、
安「写真を撮って置く、『撮って置き』
口笛
新「ダジャレかい!
タラー

安「あっ、間違えました
アセアセ
安尾は、ダンボールから『鍋の取っ手』を取り出し、
安「鍋の取っ手を置く、『取っ手置き』
口笛
新「ダジャレかい!
タラー
安「…さっきと全く同じツッコミですね
ニヤリ」 笑い泣き

安「あっ、間違えましたアセアセ
安尾は、ダンボールから、30cm程度の白色のロボットを取り出す。
安「とっておきのロボット、名付けて『花月ロボ』です!
キラキラ


花月ロボには、AIが搭載されていて、自分で考え学習するよう。

安尾がロボのスイッチを入れ、起動する。
花月ロボは流暢な日本語だが、機械らしい電子音のようなボイスで
(TVの匿名インタビューの加工ボイス風)、
ロ『こんにちは』
ロ『私は花月ロボですか?』
笑い泣き
新「『か?』は要らないタラー
ロ『私は花月ロボです』
安「すみません、私の喋りを学んだようで
口笛

新名が花月ロボに挨拶する。
新「こんにちは」
ロ『こんにちは。客室主任の新名徹郎さんですね?』
新「凄い!
びっくり
安「従業員の皆さんの情報は既にインプットしてあります」

まりこも花月ロボに尋ねる。
森「西梅田から難波までの距離は?」
ロ『4.5kmです』
森「凄いわ!」

中條は花月ロボに接客させることも考えているよう。
内「僕の後輩ですね
ニヤリ笑い泣き

内「ちょっと、触ってええですか?」
内場がロボに触ろうとする。
健「壊したら、クビだよ!
プンプン
中條の発言を聞き、手を後ろに回す、内場。


健「今日は、花月ロボの雑誌取材が来るからね」
健「くれぐれも、粗相が無いように」

安尾が舞台中央奥の台に花月ロボを置く。
安「ホテルのPCとネット接続したいんやけど…」
森「ご案内します」
中央奥通路から、PCのある部屋に向かう。



その3に続く