健二の父・耕一(烏川耕一)と母・あき恵(浅香あき恵)が現れる。

安尾と令があき恵を見て、
安・令「ブッサイクやな~っ!
ニヤリ
匂いや鼻脂を弄る。

今度は耕一の唇を弄る。
安「口笛吹いてる」
の後は、全員でひょっとこ弄り。
安「ひょっとこいしょ」←よっこいしょ
令「ひょっとこして」←ひょっとして
幸「ひょっとこ前」←男前
健「ひっとコーヒー」←ホットコーヒー
あ「ひょっとこ!」←ひょっとこ!

烏「ひょっとこから離れて!
タラー
皆が舞台袖に走り去る。
烏「そういう意味ちゃう!戻ってきて!
タラー
皆が現れる。

烏「自己紹介に、どんだけ尺使うねん!(苦笑)」
笑い泣き

烏「健二の父の耕一です」
あ「母のあき恵です」


幸恵に呼ばれ、おしみさんが何も持たず現れる。

烏「健二の父の耕一と申します」
おしみさんは、ニコニコと耕一のもとに向かうが、
耕一の顔を確認して、表情が曇り、耕一に背を向ける。
清「…
ガーン

幸「お婆ちゃん、どうしたの?
キョロキョロ
清「いえ…
アセアセ
清「幸恵、お茶っ葉、探してきてくれる?
アセアセ
おしみさんは安尾と令にも、
清「あなた達もお願い
アセアセ
安「調理場じゃなくて、台所ね
ニヤリ
令「キッチンね
ニヤリ
清「全部、一緒や!
タラー

幸恵・安尾・令が調理場に向かう。

(=おしみさんが三人をその場から外させた)


おしみさん・耕一・あき恵・健二、四人になる。

烏「…ご無沙汰しております
ショボーン
おしみさんが耕一達の方を振り返り、
清「気安く話しかけないで!
プンプン

清「幸恵が好きになった人の両親があなた達だなんて!」
清「こんな運命のいたずら、ありますか…
ショボーン

健「…どういうことですか?
キョロキョロアセアセ


清「幸恵の両親は交通事故で亡くなりました」
清「その事故の加害者は、あなたの父親です!
プンプン
おしみさんが耕一を指差す。

清「あの事故で、私達の家族は奪われた…
ショボーン


健二が耕一に詰め寄る。
健「ちょっと、待てよ!
プンプンアセアセ
健「事故の話、聞いてないぞ!
プンプンアセアセ

烏「…すまん
ショボーン
烏「25年前、お前はまだ小さかった」
烏「交通刑務所に入っていた5年間、海外出張と嘘をついていた」

健「ふざけんなよっ!
プンプン

あき恵が泣きながら、
あ「健二、お父さんの気持ちを分かってあげて!」

清「…家族で言い合うのはやめなさい!
プンプン
清「加害者であることには、変わりがないんですから
えー


そこに、安尾と令が現れる。
安「お茶っ葉、見つかりませんねー」

清「あの、今の話聞いてませんでしたよね?
キョロキョロアセアセ
安「何のことですか?」

安尾達が調理場に戻りながら、
安「いやー、まさか、健二さんのお父さんが、
口笛
令「交通事故の加害者やったなんて
口笛

清「聞いてるじゃないですか!
タラー
安「ちょっとだけです」
清「どこから?」

安『…ご無沙汰しております
口笛
令がオーバーに体を震わせ、両手で指差しながら、
令『気安く話しかけないで!
口笛笑い泣き

清「そんな言い方はしてない。(苦笑)」

おしみさんの言い方はともかく、安尾も令も皮肉な運命を知ってしまった。


おしみさんが健二にお願いする。
清「健二さん。幸恵の幸せを考えるなら、別れてください!
烏「私が事実を幸恵さんに伝えます」
清「結構です!
プンプン

清「小さな幸恵は、両親が亡くなった時、悲しみました」
清「事実を知ったら、大きなショックを受けるでしょう」

清「今日のところは帰ってください!」
清「幸恵には、『急用で帰った』と伝えますので」
健「…」
烏「…」
清「帰んなさいっ!!
プンプン

おしみさんが烏川らを店の外に押し出そうとする。
安尾や令も加わり、揉み合いになる。

そのうち、おしみさんが店外に押し出され、安尾が店の引き戸を閉める。
笑い泣き

安尾が店の外のおしみさんに対し、
安「帰れ!
プンプン」 
清「許してください!
お願い笑い泣き

清「えっ?キョロキョロアセアセ
清「ちょっ、ちょっとー!
アセアセ

暗転。

 

 



おしみさん・安尾・令、三人。

令がおしみさんに、
令「落ち着きました?」
清「落ち着くわけないじゃない
プンプン
清「イライラして、一睡もできなかったわ
プンプン

安「それにしても、驚きました」
安「まさか、自分の店から放り出されるとは!
口笛笑い泣き
清「あんたや!タラー
清「驚いたのは、健二さんの父親!」


おしみさんには、幸恵と健二を別れさせる策があるよう。
清「隣町から知人を呼んでいます」

ヒロ(吉田ヒロ)、ヒロの妻・真希(前田真希)、二人の娘・亜依(葛原亜依)、
三人が現れる。

ヒ「将棋!
口笛
清「…?」
ヒ「あっ、オセロ!
口笛
ヒ「あっ、チーッス!(=チェス)
口笛

安尾がワンテンポ置いて、わざとらしく倒れる。
清「安尾さん。この人を甘やかしたら、ダメですニヤリ
清「現実を受け入れさせないと
ニヤリ笑い泣き

おしみさんが、安尾と令にヒロ評を説く。
清「この人は、人間は悪くないんですけどね」
清「お笑いのランクが低い
ニヤリ
清「客(筒井)とクリーニング屋(小西)が居たでししょ?」
手を水平にし、
清「客がこのくらい(おしみさんの首)で、」
清「クリーニング屋がこれくらい(おしみさんの胸)としたら、」
清「この人はこれくらい(おしみさんの膝下)」
笑い泣き

清「でも、人は悪くないんですよニヤリ笑い泣き

おしみさんは、ヒロ家族の三人に芝居をしてもらうよう。


健二・耕一・あき恵とも約束していたようで、三人が現れる。
清「健二さん。幸恵と別れていただきます
えー
清「幸恵さんに嫌われていただきます
えー

健「どうやって…」


そこに、クリーニング店の小西が沢山の服を抱えて現れる。

清「あなた達に、お芝居をしていただきます」

おしみさんの考えるお芝居は、
①健二に愛人(真希)がいる
②愛人・真希が借金をしている
③真希の借金取り(ヒロ)が現れ、借金返済を迫る
④借金取りは健二の隠し子・中学生(亜依)を人質として連れてきている
⑤健二が結婚詐欺師として、様々な女性に手を出していることが分かる
⑥健二が幸恵に嫌われる
というもの。

ヒ「こんなの、上手く行かんと思うで
タラー
清「幸恵のためなんです。お願いします!
お願いアセアセ

知人の頼みということで、ヒロ達が協力を決める。


小「クリーニング屋なんで、衣装なら沢山ありますよ!
ウインク
と、客の服を衣装として貸し出す、小西。

衣装は、愛人の赤ドレス・セーラー服・借金取りのスーツ。

ヒ「すぐに着替えてくるわ!」
ヒロ達が着替えに向かう。

 

 

その5に続く