便・新名・拓、気絶した珠代の四人。

便達が、気絶した珠代をテーブル下手寄りの椅子にもたれ掛けさせる。

便が何か思い付いたよう。
便「俺が珠代さんの後ろで珠代さんの声をして、今別府社長を説得する」
便「だから、社長をあまり近寄らせないようにして」
拓「分かった!」


今別府・智・記央が氷やおしぼりを持ち戻ってくる。

今別府が珠代に近付こうとする。
新「珠代さんに近寄ったらダメです
アセアセ
今「何でや?」
新「それは…」
拓「それは、ブサイク病です!
アセアセ
拓「最近、学会で発表されたんです!」
新名が今別府に聞こえないように、小声で、
新「そんなん、信じるわけないやろ…
アセアセ

今「何だって!?」
今別府が珠代から距離を取る。
新「嘘やろ…(苦笑)。とにかく、今や!」

(名探偵コナンの解決場面のように)
便が高い声を作り、珠代が喋っているように見せる。
便『目が覚めたたい』
笑い泣き
今「…たい?」
便『あっ、頭がい[『たい』!
アセアセ

便『あなた、話があるの』
便『吉本ランドに…を、建設するの、熊本に
アセアセ
素でいっぱいいっぱいな感じになる、便。
笑い泣き
今「それは、嫌や!」
便『私に反対するの!?』
今「建てます!
アセアセ

笑顔になる、便・新名・拓。


便が声真似していることに気付いていた記央が、便に対し、
記「流石ですね、声真似して説得するとは!
爆  笑
思わず、便が立ち上がって姿を見せながら、高い声のまま、
便『声真似、してません!
口笛

今「これは、一体、どういうことや!!
キョロキョロアセアセ
今別府が激しく怒る。
血圧でも上がったか、今別府までよろめく。

気絶した珠代を奥で寝かせるため、
智が珠代の両脇を抱え、今別府とともに奥に向かった。


便「上手く行きましたね!
ウインク
新「どこがや!
タラー

 
 


便・新名・拓・記央、四人で居るところに、
黒色スーツ姿の信濃(信濃岳夫)と諸見里(諸見里大介)がやってくる。

信濃が1m近くありそうな長い名刺を見せる。
新「色々兼任されてるんですね」
新「捜査係兼庶務係兼刑事課長兼高倉健…ダジャレですやん!
タラー
信「高倉健さんが好きなもので
ウインク

信「名刺を返してもらえますか?」
新「名刺を返す?」
信「一枚しかないので」

スーツの中に仕舞おうとするが下からはみ出るため、
ズボン部分に仕舞う。


新「何の御用でしょうか?」
信「詳しい話は部下から」

信濃の部下、諸見里が話すが滑舌に問題があり、
全く聞き取ることができない。

結局、信濃が用件を伝える。
信「最近、この辺りで二人組による強盗事件が発生し、犯人が逃走しております」
信「手配書が出来たら、お持ちしますので」

諸「何かありましたら、連絡くだしゃい」
諸「電話番号は…」
諸「090-シャンシャンシャンシャン(3333)-ショーシャンクの空に」

信濃と諸見里が去っていった。

新「好きな映画、言うてただけやん!
タラー
 
 


便は、強盗事件の犯人が逃走している話を知り、
社長を説得する新たな案を思い付く。

便「チャンスですよ!」
便「犯人が娘の安世さんを人質に取って、拓さんが助けるんです」
新「そんな、上手く行かんて」
便「そこは、本当の犯人じゃなくて、お芝居なんです」

便「どこかに一万円で犯人役をやってくれる人、おらんかなあ?」
新「今時、一万でやってくれる人なんか、おらんて」

そこに、宿泊客の啓之と令が客室通路から現れる。
啓「一万円あったら、もう一泊できるのに…」
皆「おったー!
爆  笑


便が新名に尋ねる。
便「新名さん、一万円あります?」
新「えっ?俺が出すの?」
便「お願いします!」
新「あの~…財布、服に入れ忘れた。(苦笑)」
笑い泣き
素のミスのよう。

新名は咄嗟に、テーブルの果物カゴを啓之に渡す。
新「これで、お願いします!
アセアセ笑い泣き
便「さすがに、無理でしょう。(苦笑)」
啓「やります!」

啓之と令か犯人役を務めることに決まった。


便が演技プランを練る。

それは、
①啓之と令が安世を人質に取る
②拓「その子を放せ!」
③啓「金と逃走用の車を用意しろ!」
④安「助けてー!」
⑤拓「熊本県民は困っている人を放っておけない」
⑥拓「辛子蓮根ビーム!」→啓「ギャー!」と倒れる
⑦拓「馬刺し砲!」→令「ギャー!」と倒れる
⑧安世が助かる
⑨見ていた今別府が、熊本県民の人間性に惚れ、熊本に吉本ランドを建設する
というもの。

新「ビームなんて、信じませんって!
タラー
便「大丈夫です!」
便「人間なんて、知らなかったら、ビームが出てると思うもんです!
口笛笑い泣き


一通り、練習を終える。

新「ただの学芸会やん!」
便「大丈夫です!」
記「でも、犯人役の二人は身長が低いんで、迫力に欠けるかも…」

啓之と令は迫力を持たせるため、
目出し帽とオモチャのナイフを用意しに、梅田の街に出掛けた。


便「拓さんも熊本らしい衣装でいきましょう」
拓の衣装合わせのため、便・新名・拓・記央が客室通路に消える。

ホテルのロビーには、誰も居なくなった。
 
 
その6に続く