『熊本県民はあったかい人ばかりたーい』

[セット紹介]
洋風の『花月ホテル』のロビー。

舞台下手袖に、入り口への通路。

舞台中央奥に、客室への通路。

舞台上手袖に、従業員控え室等への通路。


舞台中央に、膝の位置ほどのテーブルとソファ。
テーブルには果物が入ったカゴが置かれている。

舞台上手奥に、フロント。

 
 
 
[物語]
(敬称略)


舞台は、西梅田にある『花月ホテル』のロビー。

啓之(清水啓之)、鮎美(木下鮎美)、令(レイチェル)、ほたる(重谷ほたる)
の四人で旅行に来た。

啓「ええホテルやなあ」
啓「可愛い鮎美ちゃんと来られて最高や
照れ
鮎「可愛いやなんて、もう、イヤやわ~!」
鮎美がバッグで啓之の頭を叩く。
啓「痛たたっ!鮎美ちゃん、何するの!?」
鮎「可愛いって言われたから、嬉しくて、つい~」


レ「せっかくの旅行やから、楽しもう」
啓「令はどこに行きたい?」
レ「俺は…」
行きたい場所を言うのかと思いきや、突然、DJを始める。
レ「♪トゥットゥク トゥーク…プスー」
レ「カモン!
口笛
啓「だから、どこに行きたいねん!
タラー
レ「後で決めよう」


宿泊記念に一枚写真を撮ることに。

レ「俺が撮るわ。皆、並んで」
他の三人が並ぶと、
レ「はい、チーズ、♪ズーッ ズーッ ズーッ」
レ「♪ずーっと前から こんな時を 待ち望んでた」
レ「♪僕だけに 最高の笑顔を 見せておくれよ」
レ「♪君も 君も 君も 君も」
レ「♪最高の笑顔で チーズ」
のタイミングで、氷室京介のようなポージングをしながらシャッターを押す。

啓「タイミング、わからんわ!
タラー

 

 



啓之達はチェックインしようとするが、
フロントにスタッフが居ないため、奥に呼び掛ける。

すると、従業員の熊本便(安井まさじ)が現れる。
頭には500円玉サイズのハゲがあり、
ちょうど同じくらいのサイズのホクロが左頰にある。

熊本便は熊本弁のイントネーションで、
便「いらっしゃいませ~!」

啓「随分、訛ってますね」
便「訛っとらんたい」
啓「訛ってるやないですか」
便「そげんこと言われたら、ショックたい、胃が痛いたい、たいたたい
口笛

便「なんでやねんやねん!
口笛
啓「なんなんすか?(苦笑)」
便「関西のツッコミでしょうが」


啓「あの、どこ出身ですか?」
便「熊本県です」
啓「ああ、熊本弁」
便「名前も『熊本べん』です」
啓「下の名前は弁当の弁?」
便「そんなカッコ悪い名前じゃないです。(苦笑)」
便「便器の便です
照れ
啓「小さい頃、大変やったでしょ?
タラー
便「そんなことないです。『熊本のうんち野郎』って呼ばれてました
口笛笑い泣き
便「兄の名前は熊本検」
便「兄弟で『検便ブラザーズ』と呼ばれていました
口笛笑い泣き


啓之は大きなホクロが気になるよう。
啓「ホクロ、凄いですね
タラー
便「これ、ホクロじゃない」
便「頭の髪の毛が降りてきている
口笛笑い泣き
便「熊本に帰ったら、元の位置に戻る口笛笑い泣き
便「なんでやねんやねん!」 笑い泣き
と、軽く、啓之の肩わや押す。

啓「押すことないでしょ!
プンプン
と、右胸を押し返すと、
便「いや~ん」
啓「…?
キョロキョロ
便「感じやすいんです」

ここから、『いや~ん、ばか~ん、そこ~ん、ひざ~ん』のくだり。

順番通り触れないと言い方を間違えたり、
全部に触れて「いやばかそこひざ~ん」等。


啓之がしつこく触っていると便がキレて、
果物カゴの果物ナイフを手に取り、突くフリをする
ムキー


騒ぎを聞きつけ、
客室主任の新名(新名徹郎)が現れる。
新「ストップ、ストップ!
アセアセ
新「何があったんや!」
啓「従業員がナイフを持って暴れ出したんです!
アセアセ
新「便、何をやっとんや!
アセアセ
便「客のくせに偉そうにするから…」
笑い泣き
新「そういうもんやタラー

新名が啓之達に謝る。
新「客室主任の新名です
アセアセ
新「こいつは熊本から出てきた新人で」
新「この度は申し訳ありませんでした!」
と、土下座する。

便「新名さん、土下座までせんでも
口笛笑い泣き
新「お前のために謝っとんや!タラー


便が啓之達のバッグを運ぼうとする。

しかし、便の怒りは収まっていなかったようで、
バッグを床に叩きつける
ムキー

新名が再び謝り、啓之達は怒りながら客室に向かった。


暴れた便は
便「汗を掻いた」
と、上着を脱ぐ。

すると、『I LOVE 熊本』とプリントされた白Tシャツが現れる。

新名が便に熊本弁を控えるよう促す。
新「熊本愛が強すぎるねん
タラー

 

 



下半身はパッチ、上半身は作業着の清掃員、
記央(もっこすファイヤー・のりを)が現れる。
記「ん~チョイチョイ!
口笛

新「変なん、来たな。(苦笑)」

便が記央に、服が合ってないと告げると、
記央が上着を脱ぐ。
すると、『I LOVE 熊本』Tシャツが現れる。

便「いや、まさか!
びっくり
記「熊本出身です!」
一瞬で意気投合する、便と記央。

横に並び、
便「熊!
爆  笑
記「本!
爆  笑
と、ポーズを決め、ハイタッチする。


そこに、また、『I LOVE 熊本』Tシャツを着た男性、
山田拓(もっこすファイヤー・拓)が現れる。
拓「熊本県観光課の山田拓です」

あっという間に意気投合する、三人。
横に並び、
便「く!
爆  笑
記「ま!
爆  笑
拓「も!
爆  笑
「と!」を担当する人がおらず、新名が空気を読んで横に立ち、
新「と!
アセアセ

便が新名に感謝する。
便「助かりました!」


拓は、吉本ランド社長が花月ホテルに社用で宿泊することを知り、
熊本県に吉本ランドを誘致しにきたよう。
拓「テーマパークの経済効果は抜群です」
記「熊本が活性化します」
便「僕も協力します」
便「新名さんも手伝ってもらえませんか?」
新「嫌やわ
タラー

すると、便が新名と一人二役を始める。
便「お願いします!」
便『嫌やわ』
便「なら、死にます!」
便『そこまで考えてんのか!じゃあ、協力するわ』

新「何、一人でやってんの?(苦笑)」

便が新名に対し、
便「ありがとうございます!」

新「しゃあないなあ」
新「分かった。協力するわ!
ウインク
便「ありがとうございます!」

四人が横に並び、
便「くま!
爆  笑
記「も!
爆  笑
拓「と!
爆  笑
新「…
キョロキョロアセアセ

新「…協力するんやから、そこは言わさせて!
タラー
 
 
その3に続く