リハーサルスタート。
(※台詞『』は劇団吉本の劇の台詞)

いきなり、裸にブリーフ一枚の佐藤が現れる。


佐『俺は、うどん屋の店主・佐藤!』
佐『今日も一日、頑張るぜ!』

佐『ヒーッ!口笛
と、片足の太腿を上げ、片足で立ち、
腰の前に両手を出し、人差し指を右に向ける。
(※『ヒーッ!』のたびに、必ずこのポーズ)

裕「待て、待て、待てーっ!
タラー
リハーサルを見ていた裕がツッコむ。
裕「何で、パンいち(=パンツ一枚)やねん!」
佐「いいでしょ?
ウインク
裕「こんな劇団、ちゃう!
タラー

 

佐藤が裕に対して、
佐「今日は新しい一面を見せるんです
キラキラ
佐「世界で通用するのは、下ネタ
キラキラ
佐「下ネタと言えば、パンいち
キラキラ
佐「パンいちの真逆が、うどん
キラキラ

裕「…とんでもない方向に向かっとるわ
タラー


リハーサル再開。

安世が現れる。
安『あー、お腹空いたー』
パンいちの佐藤が安世を見た瞬間、
『♪テロレロリーン
ラブラブ』と一目惚れの音がする。

佐藤が安世に対し、
佐『なんて、美しい人だ!』
佐『まさに運命!』

佐『ヒーッ!口笛

安『お一人でお仕事をされてるんですか?』
佐『いえ、アルバイトも居てるんです』
佐『言うてたら、来ました』


アルバイトの清水とジャボリが登場。

ジャボリが安世に自己紹介する。
ジ『I'm from ~
安『ネイティブ過ぎて、何喋ってるか分からん』

ここで、少し間ができ、笑いが起こる。
ジャボリが思い出したように、
安世に自己紹介しない清水に対し、
ジ『You speak!』
と、清水の頭を叩く。
清『痛~い!』

清『人の頭を叩くな!』
清水とジャボリが喧嘩になり、
ジ『もう、怒ったー!』

ジャボリが清水の服を脱がし、ドリザッパで乳首ドリルする。
しかし、ジャボリの叩き方があまりにも強く、
上半身はあっという間に真っ赤になり、
清「血ー出るぞーっ!
ガーン笑い泣き

ワキを叩く場面では、
清「腕、折れてまうぞーっ!ガーン笑い泣き

リハーサルを見ていた諸見里が、
諸「全然、おもんない
タラー
諸「どこが『リアルな心理描写』や
タラー


ヤクザの新名と信濃が登場。

新『邪魔すんでー!』
信『邪魔すんでー!邪魔すんやったら帰ってー!あいよー!何でやねん!』
信『用があって来とんや!』
と、一人で台詞を言い切る、信濃。
アドリブを入れているつもりらしい。

新『安世に用や!金返さんかい!』
信『安世に用や!金返さんかい!』

信濃を見ていた裕が
裕「めっちゃ、足しにいっとるな!
タラー

安『借金って、お幾らですか?』
新『100万円や!』
信『100万円や!』
安『そんな大金、返せません!』

新『ほな、事務所まで来てもらおうか!』
信『ほな、事務所まで来てもらおうか!』
二人で安世を連れて行こうとする。


その時、
佐『待たんかいっ!』

佐藤がヤクザ二人を殴り倒す。
新『くっそー!覚えとれよ!』
新名が去る。

信『くっそー!覚えとれよ!』
信濃は去らずに、その場にドヤ顔で留まる。
全て、信濃なりのアドリブなのだろう。


リハーサル、佐藤と安世の場面。

佐『大丈夫ですか?』
安『どうして私のことを助けてくださったんですか?』
佐『安世さん!あなたに一目惚れしてしまいました』


佐『僕とお付き合いしてもらえませんか?』
安『…』
安『ごめんなさい!』
佐『なんでーっ!』

見ていた裕が
裕「…そりゃ、パンいちでは無理やわ
タラー


安『好きな人が出来たんです』
安『その人は…ジャボリさん!』

佐藤がジャボリに対して、
佐『ジャボリ、こういう時は分かってるやろな?』
ジ『はい』

安『ジャボリさん、お付き合いしてもらえませんか?』
ジ『…』
ジ『喜んで!』

佐『全然、分かってないやーん!』

エンディング曲が流れる。


エンディング曲に合わせて、信濃が『しなちゃんダンス』を踊る。
最後まで、アドリブを入れ切ったつもりだろう。

こうして、リハーサルが終了した。

 

 



佐藤はリハーサル内容に満足げ。
佐「皆、最高や!
キラキラ
と、座員に握手して回る。

しかし、最後の信濃に対して、
佐「お前以外はな!
ムキー
と、ぶん殴る。

佐「いらん事ばかりしやがって!芝居を舐めんな!
ムキー
佐「お前の台詞は無しや!本番はただ立っとけ!
ムキー
信「そんな~っ!(泣)」

信濃は台詞を増やすどころか、台詞を失くしてしまった。


皆が休憩に戻り、裕・諸見里・信濃の3人に。

嘆く、信濃。
信「最悪やー!(泣)」
信「お父さん来るのに、どうしよう?(泣)」
信「他の座員が食中毒にでもならんかな?(泣)」


その時、真希の声がする。
前「たいへんよーっ!
びっくり

何と、清水とジャボリが食中毒で倒れたらしい。
二人が病院に運ばれる。

真希は『赤い箱』(=諸見里の差し入れ)を持ってきて、
前「楽屋にあった、このお菓子が原因らしいんです」
前「だから、食べないで!」

真希はお菓子の箱を屋台のセットに置き、楽屋に戻る。


裕が諸見里に対し、
裕「お前のせいやないか!
タラー
裕「賞味期限とか、ちゃんと確認した?」
諸「…いえ」
諸「1998年に初めてバイトしたお金で、母親に買ったお菓子なんです
口笛
諸「ひとつも食べてくれんかった
口笛
裕「20年前のやつやないかい!
タラー


看板座員が食中毒になり、
自分に出番が回ってくるのではないかと喜ぶ、信濃
爆  笑

座長の佐藤が舞台にやってきて、
佐「信濃、大事な話がある!
プンプン
信「仕方ないですよね
爆  笑

佐「清水とジャボリに代役を立てようと思う」
信「仕方ないですよね
爆  笑

佐「代役は…大道具二人(裕・諸見里)で行く!」
信「仕方な…えーっ!?
びっくりアセアセ

信「中止にしましょう!」


佐「舞台の向こう側で待ってくださるお客様が居るんや」
佐「それに、大道具の二人やったら、代役出来そうやろ?」
佐「デカいのと(ジャボリ→諸見里)、ずんぐりむっくり(清水→裕)」
信「確かに…でも、中止にした方が良いと思います!」


佐藤が、諸見里と裕に舞台に立つ気持ちがあるか、尋ねる。

諸「やります!借金がありますし」
諸「役者も夢やったんで
おねがい

一方の裕は、後ろ向き。
裕「僕は裏方なんで、役者は…」

そこに真希がやってきて、
前「お願いします!
お願い
裕「やります!
ラブ


代役が決まった佐藤は一安心する。
佐「良かったー!
照れ

佐藤が屋台に置かれた『赤い箱』のお菓子に手を出す。
途端にお腹を壊す。

佐藤が信濃に対し、
佐「信濃~っ!
アセアセ後は、任せたっ!アセアセ
佐「俺の代役や!」
佐「俺の想いっ、受け取ってくれーっ!
アセアセ
と、『白ブリーフ』を掲げ、力尽きる。

暗転。

 

 

その5に続く