楽屋(舞台上手袖)から、白ジャージ姿の佐藤(佐藤太一郎)が現れる。

佐藤が劇団吉本の座長のよう。

佐藤が舞台の中央に立ち、
佐「皆、集まってくれ!


佐藤、信濃、清水、ジャボリ、安世、新名、全座員が舞台に揃う。


佐藤が諸見里のもとに向かい、拳を握り、
諸見里の胸(心臓)に軽く触れる素ぶりをする。
佐「セット、ありがとうな!
キラキラ
佐「頑張れよ、ルーキー!
キラキラ
佐藤が舞台中央に戻る。

諸「うざい奴やな
ニヤリ
諸見里の発言を聞き逃さなかった佐藤が、諸見里を睨む
えー
諸「あっ、熱い奴やなアセアセ
佐藤が微笑む
照れ


佐藤が座員を鼓舞する。
佐「俺たちの最終目標は日本武道館で劇をすることや!
キラキラ
佐「努力すれば、良い結果が待っている!
キラキラ
佐「最高の演技で観客の心のドアを開けるんや!
キラキラ
佐「今日も良い酒を飲もう!
キラキラ
佐「気合い入れていくぞ!
キラキラ

諸「あいつ、何言うとんねん。(苦笑)」


台本を抱えた女性・真希(前田真希)が現れる。
前「台本を持ってきたわ」
前「17:30からリハーサルよー
ウインク

真希を見た裕はテンションが上がり、大げさに、
裕「(早口で)真希ちゃんや!
ラブ
会場の笑い声
笑い泣き


諸見里が裕に尋ねる。
諸「誰ですか?」
裕「劇団の製作マネージャーや。予算から広報まで、幅広い仕事をしている
おねがい
裕「身長162cm、体重45kg
おねがい
裕「…俺は、もうちょっと太った方がええんちゃうかなと思ってる
おねがい笑い泣き

諸「キモーッ!ストーカーやん!ガーン


真希が全員に台本を渡す。
台本を貰った座員は楽屋に戻る。

最後に信濃に台本を渡し、
真希がその場を去ろうとするが、予備の台本を落とす。

ダッシュで落とした台本を拾う手伝いにいく、裕。
裕の手と真希の手が合わさる度、
裕「あっ
ラブ
裕「あっ
ラブ
と、大袈裟なポーズで照れる。

信「わざとですよね?
タラー


台本を拾い終えた真希が去る。

裕は真希の後ろ姿をいつまでも見ている。
裕「頑張ってー
ラブ

諸見里が裕に対し、
諸「分かりましたよ。好きなんでしょ?…僕のこと?」
裕「なんでお前を好きになんねん。俺は真希ちゃんのことが…っ
アセアセ
諸「やっぱり
ウインク
信「バレバレですよ
ウインク


諸見里が裕に尋ねる。
諸「どこを好きになったんですか?」
裕「優しいとこかなー?
おねがい
裕「笑顔?
おねがい
諸見里は、既に裕の話を聞いていないが、
裕「時に厳しく接してくれるとこも良いかなー
おねがい


裕は諸見里を見て、
裕「無視すなーっ!
アセアセ
諸「途中から興味無くなった
ニヤリ


信濃が裕に尋ねる。
信「告白はしないんですか?」
信「へー、上手く行くといいですね
ニヤリ


裕「聞いたんやったら、言わせろーっ!タラー
信「聞いてる途中から興味無くなったんで
ニヤリ

 
 


裕・諸見里・信濃、3人で居るところに、
黄色スーツ姿の瀧見(瀧見信行)が現れる。

瀧「難波金融の瀧見っちゅうもんや
ニヤリ
瀧「諸見里に用事や」
瀧「借金踏み倒して、とんずらしやがって!」


諸見里が瀧見の前で土下座し、必死の様子で、
諸「もう少しだけ、待ってくださいっ!
お願いアセアセ
瀧「また逃げるんやろ?」
諸「逃げませんって!逃げたら、殺していいですからーっ!
お願いアセアセ
諸「もう少しだけ、時間をーっ!
お願いアセアセ

諸見里は土下座しているようで、
自分の頭を瀧見の股間に押し当てているようにも見える。
信「頭をグリグリすな!
タラー


瀧「しゃあないな」
その瞬間、諸見里が立ち上がり、瀧見の至近距離で
瀧見を上から睨みつける。
信「圧をかけるな!
タラー

瀧「一週間だけやぞ!」
瀧見が去っていった。


諸「助かったーっ!」
裕「幾ら借りてるの?」
諸「元金利息を合わせて、4万2千円
口笛
裕「少なっ
タラー
信「よう、さっきの雰囲気出せたな。あれ、300万借りてる感じやん。(苦笑)」
 
 


引き続き、裕・諸見里・信濃、3人の場面。

真希が戻ってきた。
前「信濃さんにお客さんですよ」
信「…?誰やろ?」
前「彼女さん」
信「おかしいなあ?今日、来る話してなかったけど…
キョロキョロ


信濃の彼女・早苗(金原早苗)が現れる。
早「観に来ちゃった」
早「いつも以上に応援してるから」
信「いつも以上?」
早「お父さんも来てるの」
信「えーっ!
びっくり
早「『ええ役もらった』って、岳夫君が言ってたから」
信「…?」
早「たっぷり見せてね」

早苗が舞台から会場に去っていった。


信「ええ役?どういうことや?」
諸「もしかして、嘘付いた?」
信「いえ、ちゃんと言いましたよ。『ヤクザA』の役って」
裕「ヤクザA(ええ)!ええ役と間違えたんちゃう?」

笑い出す、諸見里
笑い泣き
諸「アホやニヤリ

 


信「どうしましょ?
アセアセ
裕「どうしましょ?言われてもなあ…」
裕「ヤクザAの役を一所懸命に演じるしかないで」
信「それじゃダメですって!『邪魔すんでー!』一言だけですもん
アセアセ

信「…こうなったら、リハーサルでアドリブ連発します!」
信「座長に認めてもらって、台詞を増やしてもらいます!」


リハーサルのため、全座員が舞台に現れる。

座長の佐藤が改めて皆を鼓舞する。
佐「今日は、劇団吉本の新しい一面を見せる大事な公演や!
キラキラ
佐「気合い入れていくぞ!
キラキラ

全員が舞台袖に捌ける。

裕「劇団吉本は、リアルな人間描写がウリなんや」
裕「新しい一面が加わるんか…楽しみやな
照れ


脚立やテーブルが楽屋側に片付けられ、
リハーサルの準備が進む。



その4に続く