■スーパーカーと並ぶ“とんでもない”GTI フォルクスワーゲンは、オーストリアで開催される今年のヴェルターゼー（Woerthersee）ファンミーティングのイベントで、第7世代ゴルフGTIベースの、とんでもない370kWヴァージョンを発表する。これにより、世界のアイコン的ハッチバックのゴルフは、スーパーカーと同じ領域に到達することになる。
■ポルシェ911GT3も凌ぐ動力性能 デザイン ヴィジョンGTIと名付けられた革新的なコンセプトカーは、今後登場するゴルフGTIと同様に、フォルクスワーゲンのMQBプラットフォーム（高自由度横置きプラットフォーム）上に構築されている。将来、ごく限定的な販売目指すデザイン ヴィジョンGTIには、ゴルフGTIの2.0Lターボ直列4気筒エンジンの代わりに、3.0L V6直噴ツインターボエンジンが横置されるのだ。出力は208kw増（129％増）の、ポルシェ911GT3をもしのぐ370kW（503ps）だ。トルクも350Nmから210Nm増の560Nm、それも2,000回転で簡単に500Nmに達すると言う。新型V6エンジンに関する詳細は公表されていないが、マカン・ターボ用に開発された新型ポルシェのエンジンに由来するのでは？という噂は否定された。
■謎のギアボックス。0-100km/hは3.9秒 膨大なパワーを処理するデュアルクラッチギアボックスの詳細は、今週ヴェルターゼーで発表されるまで謎である。ただ、標準モデルの前輪駆動ゴルフGTIとは異なり、ゴルフ デザイン ヴィジョンGTIはマルチプレート・クラッチの四輪駆動システムを採用している。結果、VW関係者によると、0-100km/hは3.9秒と、標準ゴルフGTIより2.6秒も早い。最高速は244km/hから 61km/h伸びて300km/hに到達している。
■社内デザインのエクステリアも過激 ゴルフ デザイン ヴィジョンGTIは全長4253mm、全幅1870mm、全高1385mm。これは標準ゴルフより15mm短く、71mm広く、57mm低い。デザイン ビジョンGTIのスタイリングは、フォルクスワーゲン・ブランドのデザイン責任者クラウス・ビショッフが率いる社内デザイナーの手により、標準ゴルフGTIをより肉太にしたボディに、改造されたシャーシによって過激に増した車幅、20インチホイールなどが相まって、相当に押しの強い雰囲気を醸し出している。発表には2014年にデビューする40周年記念限定ゴルフGTI専用のパーツも含まれると言われ、世界ラリー選手権のキャンペーンを担当しているフォルクスワーゲンのモータースポーツ部門を通して販売される、ゴルフの次期レーストラック・ヴァージョンのスタイリングを垣間見ることができるだろう。
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発行人：高塚豊（１ばりき代表・モータージャーナリスト）
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