サポートとヘルプ | 日々の戯れ言

日々の戯れ言

アルコール依存症の家族や友人と関わる日々のこと
自分自身のアラノンでの体験や考えを
思うままに綴っていきます。
また、個人を特定される可能性がある記述や
過去記事は限定公開にさせていただいています。

今日、スポンサーとコーヒーショップで待ち合わせをし、

私のコントローリングな部分についての話をした。




「あなたは彼の手伝いをしたいって思う部分が、

実は彼の生活や行動を把握しておきたいっていう、

そういうコントロールの現れなのかもね。」



ああ、まったくその通りだ。

私は心の底で彼をあまり信用していないので、

彼の手伝いをする、といいながら、

本当はいろいろ把握しておきたいのだ。




「ちょっとこう考えてみるといいわ。

いい?ヘルプとサポートは似ているようで違うのよ。

あなたがやっているのはヘルプだわ。

彼が自分でもやろうと思えばできることを、

あなたが率先してやってしまう。

どんな書類を揃えるか、指示をしてしまう。

申請書だってあなたがとって来て、

アポイントメントもあなたがとって、

でもこれって彼が全部自分でできることよ。」




「サポートはね、後ろにいてあげるだけなの。

わたしは手は出さない。

あなたがやっていることをそばで見守っていてあげる。

でもどんな時でも私はあなたを見放さず、

あなたのやっていることを指示してあげる。

時には賛同できないこともあるかもしれないけど、

黙ってここで見ていてあげる。

そういうことじゃないかしら。

もしかしたら、彼に本当に必要なのは。」




私にとって、この言葉はとてもわかりやすかった。

彼は立派な大人だ。自分で何でもできるはず。

それがたとえ間違っていたとしても、

その間違いはあとで自分でただせばいいのだ。

彼が間違いを犯さないように、私が手を出してしまうのは、

人の行動を管理しようとしてしまう私の悪い癖だ。




「実はね、私、今朝もやってしまったの。

ゆうべ申し込み中の場所のルールブックを読んでいて、

あなたはね、ラジオやテレビを夜遅くに大きな音で聞く時があるから、

気をつけた方がいいわよ、ここは騒音にうるさいみたいって、

彼に言ってしまったの。

そしたら彼は憮然として、そんなことはわかっている、

子供じゃないんだから、言われなくてもわかっている、って。

私が契約書に一緒にサインすることの不安を打ち明けたら、

お前は俺が信用できないのかって言われてしまって、

これは私が確認しておきたいだけなんだって言って、

でも彼はだいぶ気を悪くしたみたいで、黙ってしまった。

あれから何度も電話しているのに出てくれないの。」




そう私が言うと、彼女は不思議そうに聞いた。




「なぜ何度も電話してしまうの。

彼が怒っているかもしれないから?

一度メッセージを残せばすむことなのよ。

彼は電話したかったらする。

したくないからしないのよ。

腹が立つでしょうけど、それは彼の選択なの。

あなたに彼の気分を変える事はできないのよ。

あなたにできることは不安を打ち消して、

気分を変えて楽しく過ごそうと努力することだけよ。」





結局何度も何度もこの基本に戻って来てしまう。

私に他人は変えられない。

その他人が変わろうと変わるまいと、

その人の選択をサポートすることはできる。

つまり相手の選択を尊重するということだ。

相手が正しいか間違っているか判断するのは、

それこそハイヤーパワーのすることであって

私の仕事ではないのだ。

私はつい、ヘルプしてしまう。

彼のことに限らず、子供に対しても、

回りの人に対しても、必要以上にやってあげてしまう。

それは結果的にその人のためにならないかもしれない。

ヘルプ、ではなく、サポート。

コントロールではなく、リスペクト。

まだまだ私には難しい問題だ。