半落ち | テレビウオッチャー

半落ち

昨日ビデオに撮っておいたのを今日見ました

まず今年の日本アカデミー主演男優賞を寺尾聡が受賞したということで注目してその演技を見ていたが「これで受賞?」ってのが率直な感想
別段これと言って「ここは凄い演技だぞ」というシーンは無かったぞ
今回の日本アカデミーは多彩なノミネート作品が多く、普段なら1作品からそのほとんどの部門で受賞されるという茶番的な賞だったのだが今回は期待して見ていたのだ
確かに今回は色々な作品から各部門受賞が分かれたが、この作品での寺尾聡の演技が去年の映画の男優の中で最高だったと言うのか?
確かに悪い演技ではなかった、がしかし無難にこなしているようにしか見えなかった。例えば笑いの大学の役所や稲垣の方がよっぽと良い演技だったとわたしは思うが専門家の判断はもっと別の次元で評価しているのだろう

わたしの方がもしかしたらうがった見方をしているのかも知れない

どうしても寺尾の父・宇野重吉と比較してしまう傾向にあるためだ
あの演技と個性を追い抜けと無謀な事は言わないでおくが、寺尾聡としての寺尾しか出来ない演技がこの映画にあっただろうか
それが見出せれば納得しただろうがどうも腑におちない

本編の方はどうか
テーマは良い、高齢化社会に突入し、どこの御家庭でも介護については関心が高いキャッチーな問題である
ストーリー展開も途中までは良い鶴田真由が演じる新聞記者が事件の真相に迫って行くのはなかなか良い
しかしどうかと思うのは裁判の証拠を検察・弁護のどちらも鶴田から貰っていると言う事があまりにも茶番じゃないか

判決は検察の求刑よりも重い物になったと傍聴席にいる他の記者達が言っている

判決は重い物にせざるを得かったろう
この映画を見て同じ環境におかれている方達に同じ犯罪をされてはたまらないからだ

裁判官が3人のところを見ると地方裁判所の判断だろうから、この先控訴もあるのだろう、本人がそれを受けとめて服役するかもしれない

しかし命の重さはどうなる
このままか
やりっぱなしか

その事にもっと重点を置くべきだったのではないだろうか

テーマも展開も良かったがこの点でこの映画は駄作と言っておく




タイトル: 半落ち