今日は珍しく朝から何の予定もなし。

しかし、サラリーマンの悲しい習性か、いつもの起床時間にはキッチリ目が覚めてしまうのであります。

そうなると、もう暑くて寝てられない。

と、言うことで、意味もなく車を走らせております。

ただいま、渋川海水浴場のパーキングエリアでひと休み。

潮風が心地よい。


遠くに見えるのは瀬戸大橋であります。

BGMは、“DEAR~コバルトの彼方へ”by荻野目洋子

‥‥似合わねぇ~!!!!

MALTAの“SPARKLING”にでも変えようかな‥‥。

さて、お昼にはまだまだ早いし、もうひとドライブとまいりましょう。

それにしてもこんな時に‥‥

となりに乗ってくれる女性がいたらなぁ‥‥。

リア充爆発しろ~‼

(またかよ)


角川文庫

ずいぶん久しぶりに坂木さんの本を読みました。

最近の自分の状況から、あんまり重たすぎるのはキツいな、などと考え、青春物らしいこの本をAmazonに注文したのですが、到着したのを見てびっくり。740ページ?!‥‥2冊分、いや、薄めの本なら3冊分のボリュームでした。
文体は読みやすいのですが、量が強敵だった‥‥(汗)。もしこれが上・下巻に別れてたら読むのやめたかも知れない。

さて、ストーリーです。

高校1年の泳は、退屈をもて余していた。
金銭的には恵まれ、軽いが物分かりの良い両親に、批判的ではあっても、表立って反抗することもなく、学校にもそれ以外でも熱中する物が無かった。
趣味でサーフィンをすることはあったが、それもトレーニングして競技にでるほどでも無かった。
そんなある日、あるサーファーから聞いた“終らない波”と言う言葉。
それを手懸かりに“ポロロッカ”ブラジルのアマゾン河で起こる、波が河を逆流し遡る現象を知る。そして、それに乗るサーファーの存在も。
同じ頃、泳の叔父が仕事でブラジルに渡ると言う。
泳はブラジルに行きポロロッカに乗る決意をする。

‥‥てなお話しです。

その後、泳は(親がかりが嫌で)旅費を貯める貯めにバイトしたり、安くブラジルに行くための手段を探したり、果てにはアマゾンまで行くわけですが、その過程で様々な人と関わりをもつなか、少しずつ成長して行く様が描かれています。

さて、私はサーファーと言う存在が

嫌いです(爆)。

特に個人的に何かいやなことがあった分けではありません。単なるイメージから来る偏見です(爆)。

私の持つサーファーのイメージと言いますと、細マッチョで爽やかで、茶髪や金髪にして、時にオシャレ髭なんかはやして、時にファッションタトゥー(本物かシールとかかは別として)なんか入れた、やたらイケメンなアンチャンで、(ここからがポイント)傍らにはボディボードなんかしてる、やたらスタイルのいい美人の彼女なんかいて‥‥みたいな物です。

だから嫌いです(誤爆)。

単純に言うと、ネット民の良く言う、

リア充爆発しろ!!

って事です(無差別爆撃)。

この主人公の泳にも、最初はそんな根拠不明、意味もっと不明な(自覚はある)反感をもってました。

親に養って貰ってる分際で退屈だぁ?生意気言ってんじゃねぇ!!熱くなるかどうかは環境が決める事じゃねぇ!自分(てめぇ)で決める事だろうが!
‥‥などと自分が暑苦しいことを考えておりました。

泳への反感は、彼がブラジルへ渡り、数日お世話になった現地の日系人の家庭の、同い年の美少女と所謂“大人の階段”を登ったりするにあたりピークへ達します(猛爆)。

しかし、彼はその翌日、今度はマイナス側へとんでもない経験をすることになり、僅か2日の間に、エロスとタナトスの両面で、自分の常識や価値観を揺さぶられることになります。

その辺りから、彼の成長を、反感はとりあえず棚の上に置いといて(無くなりはしないけど)、ちょっとだけ暖かい目で見れるようになったかな?
しかし、成長したらしたで気にくわないっちゃ気にくわないんですけどね。泳の親父さんの気持ちがなんとなく分かるような。

タイトルにある“大きな音”
これは1つはポロロッカのたてる音を表しています(実際、ポロロッカ=大きな音って意味です)。
そしてもう1つ意味がかけられていて、それが泳の成長を表しているんですね。それが分かった時、成る程、と、膝を打ちました。

さんざか文句はいいましたが、さすがは坂木さん。面白く読ませていただきました(面白かったのかよ)。最初は気になった長さも、そんなにつっかえる事なくクリアできました。

さてさてさて、私は学生時代にバンドやってたり、その後バイクに乗ってたりしました。

実は音楽やってたり、バイクに乗ってたりする人も、私がサーファーに対して持ってるような偏見を持たれることがままあるようです。

が、それこそ偏見です。間違いです。都市伝説です。

私がバンドしてたりライダーだったりした時に、そんな女子が傍らに居たことなんか1度もないぞ!だから経験から断言します!!!

‥‥‥‥えっ?

居なかったのはお前だけだって?

他のバンドやってるヤツらや、バイク乗りには可愛い娘連れてるのが沢山居るって?

‥‥‥‥‥‥‥‥。


やっぱり

リア充爆発しろ~‼
(自爆)




創元SF文庫

正式なタイトルは

“BISビブリオバトル部 1 翼を持つ少女”


ビブリオバトルってご存じですか?
たまにTVの情報番組などで取り上げられるので、知ってる人も多いかな?
簡単に言うと、本の紹介をして、それを聞いてその本を読みたくなった人の数を競う競技です。

以下がその基本ルール

①発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
②順番に一人五分間で本を紹介する。
③それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを二~三分行う。
④全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。

以上です。結構単純明快ですね。

この他にも、暗黙のルールとして、

☆原稿やレジュメ、プレゼン資料は使わない。
☆ディスカッションでは、批判や揚げ足取りは行わない。

等々ありますが、興味を持たれた方は公式サイトをご確認下さい。
ビブリオバトル公式サイト

この競技、単純に見えて奥が深い。

ポイントは、紹介の上手さを競うのではなく、あくまでも読みたくなった人の数で勝敗が決まるってこと。
勿論、紹介が上手ければ有利では有りましょうが、その紹介者が選んだ本が、お堅い学術書なんかだったら、読みたくなる人は限られてきそうですよね。

じゃあ人気作家の本なら?それもあまり有利とは言えません。
この小説の中でもありましたが、自分の好きなジャンルの本だけど、もう読んだことがあるから票は別の本に‥‥ってなことが起こるのです。

これは中々に難しい。

前に知人から、
「お前は本好きだから、こんなの得意なんじゃないか?」
などと言われたことがありますが、冗談じゃない。

あまり知られてないけども、面白い本を探しだし、それの紹介を、他者の興味を惹くような内容で考え、不特定多数の前で原稿も見ずに発表するだ?!(それも五分間!結構長いぞ)
無理無理無理無理!!!!
こちとらアメブロの記事を書くにも、それなりに推敲はして、悩みながら書いとんのじゃ!それでも読んだら多分1分ぐらいだぞ!
そもそも小学生の頃から、読書感想文とか作文とかは大嫌いだったんだ!
(じゃあ何故、今、読書感想文ブログをやってるのかは自分でも不思議ですが)

と、言うわけで、これまで私はビブリオバトルは知ってこそいましたが、それほど興味はありませんでした。

さて、そんな私が本屋でこの本を見つけたのですが、それほど興味が無いビブリオバトルの話で、ついでに上下巻2冊。
上下巻2冊って、1冊目を読んで、万一ハズレだった場合、2冊目読むのは苦痛だし、だからといって全部読まないと最終的な良し悪しも判断できないし‥‥ってジレンマに陥るので、私は敬遠しがちなんですよね。

では何故、私がこの本を手に取ったかと言いますと、先ずは作者が山本 弘氏だったと言うこと。
氏は私より10才程度年長者ですが、結構、私ら世代(特に男)のツボを突く作品を出されているんですね(“MM9”なんて最たる物)。

それと、正に現代の物であるビブリオバトルの話が、なんで創元“SF”文庫で出てるのかって疑問からでした。

で、本屋で手にとってパラパラと‥‥めくって目にしたページが悪かった。

ハイ、この本、間違いなく現代のお話で、まったくSFではありません。

科学者も、未知の技術も、宇宙船も異星人も、超能力者も未来からの旅人も出てきません(ついでに言うなら、異世界もドラゴンも、ドワーフもエルフも、剣も魔法も出てきません)。

しかし、この本は創元SF文庫に入っていて然るべき作品であります。
いや‥‥むしろハヤカワ文庫SFでラインナップされるべきか‥‥?

私が開いたページで目にしたのは、なんとも懐かしい作家の名前でした。

エドモント・ハミルトン!
エドガー・ライス・バローズ!!
E・E・スミス!!!

更にページをめくると、

C・L・ムーア!
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア!
ロバート・E・ハワード!
‥‥切りがないからこれ以上の引用は止めておこう。

ええっと、

私とご同様の、1970~80年代に、少年または青年(少女でも勿論かまいませんが)で、SF小僧で、乏しいおこづかい握りしめて、本屋のハヤカワ&創元の棚を中心に、買いたい本を長時間かけて吟味した覚えのあるかた!

これはあなたの為の本です!!
(つまり、私の為の本でした)

ビブリオバトルの時は、様々なジャンルの本の事が語られるのですが、それ以外のパートで、最も長くクローズアップされるのがヒロインの伏木さんですが、彼女、古いSFに非常に(或いは非常識に)深い愛と造詣を持ってるんですね。その語りで出てくる名前が、まさに私がSF小僧の頃、指をくわえて眺めたハヤカワの棚に並んでいた名前なんです。

あああ、最近の本で、まさかポール・アンダースンやフレドリック・ブラウンの名前を聞くとは‥‥(引用はもうええっちゅうんじゃ)。

さてさて、この本を(上下とも)買うことにして、ふと、その本屋(結構大きい本屋です)のハヤカワの棚を眺めました。

判っていたことではありましたが‥‥。

上述した懐かしい名前は一つも並んでいませんでした。

それどころかアーサー・C・クラークも、ロバート・A・ハインラインさえもありませんでした。
かろうじて、フィリップ・K・ディックと、レイ・ブラッドベリが1冊ずつ有ったくらいです。

今の若いのに、古典SFを読むやつはいないのか~‼

時代の流れとは言え、寂しいことよのう‥‥(どこの年寄りだ)。

ともあれ、伏木さんの言葉に(要は山本氏の趣味なんだろうな)、懐かしい友と再開したような、嬉しい思いをした本でした。

ああああああ!!!!

それともう一つ!

タイトルの中にある“翼”の文字。

これが何を意味するか分かった時も大興奮しました。

これを読んでいるあなた。

もしあなたが、

『子供の頃は、空を飛べたよ』

この歌い出しで始まる曲を、それが使われていた某国営放送のアニメーション番組を覚えているなら、そしてそれを懐かしく思い出すことがあるなら‥‥

読みましょう!この本を是非とも読みましょう!

伏木さんがあの歌い出しを口ずさんだ時は、あたしゃトリハダがたちましたですよ。

山川啓介作詞、大野雄二作曲、初期はヒデ夕樹、後期はタケカワユキヒデが歌ったあの歌の入ってるCDを私は持っているので、速攻BGMにしてこの本を読んでいたら、ラストに歌詞が載ってて思わず歌いそうになったぞ(爆)。

最近、読書その物にスランプ気味だった私ですが、それを吹き飛ばしてくれたんじゃないかな?それぐらい熱中して読みました。

あっと、SFに興味が無いかたも、ビブリオバトルのシーンは面白いと思いますし(SF者は伏木さんだけだし)、青春物としても良くできてると思います。敬遠しなくても(多分)大丈夫ですよ~!(きっと)

それにしても山本さん‥‥

ジェイムズ・ブリッシュと、マイケル・ムアコックを忘れちゃいませんか?(だからもうええっちゅうに)。



キャプテン・フューチャー・オリジナルサウンドトラック
日本コロムビア

“夢の船乗り”も良いけど、“ポプラ通りの家”も、またジーンとくる名曲です。