みちのく玉川温泉の旅 (1) | 魚との対話

みちのく玉川温泉の旅 (1)

「遊子の会」主宰者YUさんは、旅の案内書に次の様に記した。

秋田八幡平の玉川温泉(PH1.2 毎分9,000L湧出)奇跡の岩盤浴を体験!

旅行全費用も新玉川温泉2泊3日で驚嘆の39,800円です。

玉川温泉の効用は長い湯治により絶大になりますが、今回はお試し体験と思いご参加ください。


これに応えて、ゴールデンウィークが終わった5月7日(水)~9日(金)に「遊子の会」は22名が参加して

あわみなみ交通のマイクロバスで、みちのく玉川温泉の旅に出た。


一日目 5月7日(水) 晴れ


行程


館山(5時発)→東北自動車道→国見SA(11時昼食)→北上江釣子IC→北上展勝地→北上江釣子IC→

盛岡IC→道の駅雫石あねっこ→新玉川温泉(17時着宿泊)


車中の話


私の座席は定番の最前列運転手の後ろである。今回は妻が孫の世話で不参加の為、お隣さんは運転手となった。玉川温泉は秋田県仙北市ゆえ運転手は2名で、休憩の運転手が私の隣という訳である。

たずねたところ、宿泊先の新玉川温泉までは約750kmと言う。

他の人達は、部屋がツインとのことで同室の人同士で座った。一方私の相棒となる千倉のMさんはと言えば、最後尾に陣取っていたので私は一時Mさんの隣に行き、皆の様子やYUさんの話を初めて真後ろから見聞きしたのであった。


YUさんの話は、三日目に訪れる田沢湖から始まった。そして、辰子伝説即ち辰子と田沢湖誕生の伝説へと続き固有種クニマスも飛び出した。

同様の話として、三湖伝説即ち田沢湖(辰子)の他に十和田湖(南祖坊)、八郎潟(八郎太郎)誕生の伝説を語った。

それから、やはり三日目に訪れる角館に絡んで戦国大名芦名氏の話へと移った。

芦名氏(義勝)は、会津から常陸そして関ヶ原の戦いの後角館に入り、それまでの城下が河川の氾濫や

火災にしばしば悩まされていたところから大規模な都市計画を実施し、今日みちのくの小京都と呼ばれる

角館城下町の基礎を築いた、と言う。


首都高速を通過してから、お馴染みとなった民話のSさんからの結び文を皆が手にした。

読書家のSさんが、これはと思う文言を書き留めておいたものだと言う。

「愛は盲目、そして結婚で開眼」私が手にした結び文である。艶っぽいものが多くなったとの声あり。


東北に入り、車窓から見える山々をミスターアウトドアKさんがガイドする。続いて二日目の玉川温泉岩盤

浴について、体験者であるTさんが説明する。以後Tさんはマチコ先生と呼ばれるようになった。


北上展勝地


北上夜曲歌碑

北上展勝地 : 北上夜曲歌碑前で参加者全員の記念写真を撮る


北上展勝地

北上展勝地 : 2kmも続くという桜並木は全くの葉桜


北上川

北上展勝地 : 北上川を望む


ゴールデンウィークには桜並木横の北上川には、鯉のぼりが泳いでいたという。

         北上の 大河を渡る 鯉のぼり   YUさんの句


ミズバショウとフキノトウ


道の駅雫石あねっこを過ぎると、清楚なミズバショウの群落が見られ車中に喚声が上がる。

道端には随所にフキノトウが見られ、最後尾に座るOさんとMさん(女性)はフキノトウ採りたい、採りたいと言う。まるで我家の二歳になる孫がダダをこねているのと同じである。結局二人は宿の近くで雪の中から出て来たフキノトウを摘み満足したようである。


新玉川温泉


宿泊先である新玉川温泉が近づく玉川ダム・宝仙湖の外気温は10℃。雪景色の中に新玉川温泉と玉川

温泉の建物が見えて来た。先ずは明日の岩盤浴の下見にと玉川温泉に立ち寄る。箱根の大涌谷を連想する光景だ。そして、17時新玉川温泉に到着。12時間のバス旅であった。


食事の前に大浴場の温泉に浸かることにした。

玉川温泉の源泉を引湯しているというからパンフレットによれば、塩酸を主成分とした強酸性の泉質で

ラジウムを大量に含有していて低放射線ホルミシス効果で潜在的な生命力を刺激して身体に元気を作り出してくれる、ということになる。


大浴場はヒバ造りの大空間で、温泉の効能を引き出す様々な種類の浴槽が用意されている。

私は弱酸性の湯~源泉50%の湯~蒸し浴~歩行浴~源泉100%の湯の順に入浴してみた。

蒸し浴は蒸気浴槽の箱の中に座り顔だけ出すのだが、すぐさま汗がタラタラ。

源泉100%の湯では、うっかり濡れた手で顔をぬぐったところ眼がヒリヒリ。

あわてて掛け湯を顔にぶっかけて事なきを得た。

また、飲泉を十分に薄めて口に含んでみたが酸っぱくて到底飲み込む気にはなれなかった。


夕食は野菜主体のバイキングであったが、これが実に美味しい!

会費からして多くを期待していなかったので、上述の温泉や清潔な部屋を含めて大変得をした気分になった。しかし、しかし、同室のMさんは至って寝付きが速い。そして、荒れる大河の流れのようないびき。

私はまどろみながら、いつの間にか眠りに着いたのであった。 つづく