監督:エリア・カザン
主演:ヴィヴィアン・リー
初見の際、なんだか「エデンの東」に作風が似ていると思ったら監督が同じ人だった。
気になったので監督エリア・カザンについて調べてみたら、
(作風が賛否両論とはいえ)代表作が山ほどあり、多数の賞を受賞しているスゴイ方だった。
「エデンの東」が好きだった私は、この作品も楽しめた。
エリア・カザンはどぎついというか、グロテスクなものをダイレクトに表現する方なのだろうか。
グロテスクといっても彼が表現するのはスプラッターの類ではなく、精神的なものである。
しかし、人々がより嫌がるのはそっち……のような気がする。笑
「鬱作品」なんて称されがちな、重いテーマの作品は必ず賛否が分かれる。
批判側の言い分の多くは「グロで目を引くのは安っぽい」「現実は厳しいのだから、創作内でくらい希望を」なんてものである。
前者の言い分は作品によっちゃその通りと思うものもある。
例えば、園子温監督の「ヒミズ」は、私には派手でわかりやすい悲劇・惨劇をのりたまのごとくふりかけまくった作品にしか見えなかった。
そういった感じ方なら理解もできるが、実際は暗い作風というだけでポジティブ教信者が脊髄反射的に拒否しているだけの場合が多く思える。
後者の言い分は、いつもお笑い草だと思っている。
この言い分を使う人に限って、普段から現実に向き合っちゃいない。
テキトーにやかましく楽しく毎日を送って、普段は何も考えやしない癖に、たまーに暗い作品を目にした時だけそんな事を言うのは滑稽である。
また、事実は小説より奇なりとはよく言ったもので、現実にはエグい創作物よりもっと悲惨な事が山のように起こっている。
創作なんて所詮はフィクションだ。可愛らしいものである。
平和で恵まれた人々は冷たく身勝手よのう、などと皮肉めいた考えが浮かぶ。
勿論、実際に余裕がなくて暗い作品はとても見られないといった方々を責め立てる気はないが、
毎日お気楽に逃避アンド逃避で生きてる人々に限って、フィクションを見て現実が云々言い出すのが笑えてしまうのである。
所詮はフィクションじゃないか。そもそもお前は普段から現実に立ち向かっちゃいないだろう、一生見てみぬふりできる立場の者が何を知ったように。
なーんて、捻くれた考えが浮かぶのである。
話が大分それたが、「欲望という名の電車」はそういった精神グロに耐えられる方にオススメ。
本来は耐えられない方にこそ見てほしい作品なのだろうが、
そういった人は見たところで一瞬落ち込んでは景気づけに町へ繰り出して終了だろう。
映画版は陰惨なラストシーンがぼかされているが、そこを含めて見る価値がある作品だと思う。
ちなみに規制でぼかさざるをえなかったようで、エリア・カザン自身はダイレクトに表現したかったようです。
主演:ヴィヴィアン・リー
初見の際、なんだか「エデンの東」に作風が似ていると思ったら監督が同じ人だった。
気になったので監督エリア・カザンについて調べてみたら、
(作風が賛否両論とはいえ)代表作が山ほどあり、多数の賞を受賞しているスゴイ方だった。
「エデンの東」が好きだった私は、この作品も楽しめた。
エリア・カザンはどぎついというか、グロテスクなものをダイレクトに表現する方なのだろうか。
グロテスクといっても彼が表現するのはスプラッターの類ではなく、精神的なものである。
しかし、人々がより嫌がるのはそっち……のような気がする。笑
「鬱作品」なんて称されがちな、重いテーマの作品は必ず賛否が分かれる。
批判側の言い分の多くは「グロで目を引くのは安っぽい」「現実は厳しいのだから、創作内でくらい希望を」なんてものである。
前者の言い分は作品によっちゃその通りと思うものもある。
例えば、園子温監督の「ヒミズ」は、私には派手でわかりやすい悲劇・惨劇をのりたまのごとくふりかけまくった作品にしか見えなかった。
そういった感じ方なら理解もできるが、実際は暗い作風というだけでポジティブ教信者が脊髄反射的に拒否しているだけの場合が多く思える。
後者の言い分は、いつもお笑い草だと思っている。
この言い分を使う人に限って、普段から現実に向き合っちゃいない。
テキトーにやかましく楽しく毎日を送って、普段は何も考えやしない癖に、たまーに暗い作品を目にした時だけそんな事を言うのは滑稽である。
また、事実は小説より奇なりとはよく言ったもので、現実にはエグい創作物よりもっと悲惨な事が山のように起こっている。
創作なんて所詮はフィクションだ。可愛らしいものである。
平和で恵まれた人々は冷たく身勝手よのう、などと皮肉めいた考えが浮かぶ。
勿論、実際に余裕がなくて暗い作品はとても見られないといった方々を責め立てる気はないが、
毎日お気楽に逃避アンド逃避で生きてる人々に限って、フィクションを見て現実が云々言い出すのが笑えてしまうのである。
所詮はフィクションじゃないか。そもそもお前は普段から現実に立ち向かっちゃいないだろう、一生見てみぬふりできる立場の者が何を知ったように。
なーんて、捻くれた考えが浮かぶのである。
話が大分それたが、「欲望という名の電車」はそういった精神グロに耐えられる方にオススメ。
本来は耐えられない方にこそ見てほしい作品なのだろうが、
そういった人は見たところで一瞬落ち込んでは景気づけに町へ繰り出して終了だろう。
映画版は陰惨なラストシーンがぼかされているが、そこを含めて見る価値がある作品だと思う。
ちなみに規制でぼかさざるをえなかったようで、エリア・カザン自身はダイレクトに表現したかったようです。