しかし、結局のところ、最後に勝ったのは、日本だった。
日本のとった道、つまり自らの主権のもとに、近代化すなわち西洋化をはかるという道が、結局西洋を打ち負かした。日本は、西洋を取り込むことによって、西洋の支配を免れた。
軍事的には、日本は第二次大戦において、歴史上もっとも決定的な敗北を喫した。自ら植民地大国たらんとする政治的な野望は達せられなかった。
しかし、その後の推移では、政治的に敗北したのは、西洋だった。
日本は、西洋をアジアから追い出し、西洋の植民地勢力の権威を失墜させることに成功した。その結果西洋は、アジア、ついでにアフリカの西洋化された非西洋世界に対する支配権を放棄せざるをえなくなった。
