J1戦力診断13.ヴァンフォーレ甲府 | オレンジでいず

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昨年の甲府は見事であった。
慢性的な得点力不足に悩まされながらも、盛田、石原の大ベテランコンビがシーズンを通して活躍し、山本英臣を中心とした守備陣も堅守で勝ち点を拾っていった。

仙台、清水と比べると余裕を持った勝ち点計算でシーズンを進めており、残留は必然の結果。
阿部拓馬の加入はあったが、外国人選手に頼り切れる状況ではない中で、盛田らベテランのコンディショニングを万全にしていたチーム作りはまさに称賛に値する。


ヴァンフォーレ甲府(昨季13位・昨季予想13位)



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守備を支えた佐々木が広島に、青山はタイに移籍し、外国人選手も総入れ替え。
城福監督退任に伴い、大刷新の嵐が吹き荒れた今季は、甲府の陣容に低い点数をつけるメディアも見られる。

日本でプレーしていたクリスティアーノ、ジウシーニョ、マルキーニョスパラナと比べ、新しく加入したジバウ、エンリケ、イルファンは実力未知数な部分が多い。
徳島から獲得したアドリアーノを軸にしていくであろうが、彼も日本で十分な実績を残しているとは言い切れないところが不安要素である。


しかし、マリノスから赴任した樋口監督は持ちうる駒の中で、最悪を防ぐ術を持っている指揮官である。1+1を5にする布陣よりも、それがリスクを伴うものであれば必ず1+1を2以上にキープする策を取る。

盛田の起用法であったり、シャドーの時間の作り方、山本の縦パスの入れ方など、昨年通用した部分は基本的に継続するだろう。


ブラジルで注目を集めていたと触れ込みのエンリケにはブレイクの予感が漂う。甲府はとても真面目にサッカーをする選手が多いので、外国人助っ人も個性を出すというよりはまずフォアザチームか。

プレシーズンマッチの結果を見るに好調そうなのが神奈川大から入ったFWの伊東である。
河本明人がレンタルでチームを離れ、ジウシーニョ以上に痛いと思っていたところで、ルーキーが輝きを見せている。首脳陣にとっても高齢化が進む前線トライアングルの活性化は喜ばしい。

アドリアーノがフィットすれば、盛田を酷使せずに前線を回せるようになるだろう。


さて、3バックの左で予想した野田だが、同じく新加入の渡辺に目処が立てば最終ラインは山本英臣、畑尾、渡辺でいくだろう。
野田は長崎に在籍していた昨年、33節の鳥栖×浦和を加藤順大のユニフォームを持参して観戦しにきてくれた。

浦和在籍時から明るいキャラクターとサポーターへの真摯な姿勢で人気はあったが、契約満了でチームを離れてもなおレッズのファミリーと思っていてくれるんだなといたく感動した。

初めて同じカテゴリーで敵としての野田を見るわけだが、楽しみで仕方ない。これからの彼のサッカー人生が幸多きものになるよう心から祈っている。

厳しい戦いが予想される甲府だが、外国人が相当な期待外れに終わらない限り、残留は問題なさそうな予感。
堀米、下田らの急成長にも期待したい。


攻撃5
中盤5
守備8
試合運び8
監督7
選手層4
継続性7
短期的爆発力3
長期的安定力7
環境面5

※継続性…昨年からのビジョンの継続。
短期的爆発力…開幕ダッシュ、連勝など短いスパンで勢いに乗る力。
長期的安定力…シーズンを通し、大きな連敗を喫しないなどの安定性。
環境面…日程やスタジアム、サポーターなどを含めたもの。


診断値:59(13位/18)

注目選手:エンリケ、堀米勇輝