『小さく賭けろ!』ピーター・シムズ著《CORE1000ノミネート作品》
圧勝するために小さく賭ける。
僕は最もよいビジネス書とは実際に使える本だと考えております。
それは例えば読んでいる間に、自分の仕事に関するアイデアや改善策が溢れてきて、何度も読むのを中断して、大量のメモを取らざるを得なくなるような本のことです。
『小さく賭けろ!』は、まさにそんな本です。
実際に、僕はこの本を読み終えるまでに、1冊のメモ帳を最後まで書ききってしまいました。
そのおかげで、明日から何をすべきなのか、自分の仕事にどう活かせばいいのか、不思議なほど明確に頭の中に描かれることになりました。
まずは、冒頭の「ウケない」お笑い芸人についてのエピソードが抜群にいい。
ショーは45分ほど続く。その間、ほとんどのジョークはスベる。新しい演し物が最初に演じられるのを見るのは辛い。ジョークはしろどもどろになる。話の脈絡を自分でも見失ってノートを読み返す。明らかに面白くなさそうに腕組みをしている観客もいる。ロックのジョークに笑うのではなく、ジョークがスベっているロックを笑う声も上がる。自分ではこれ以上ないくらいの面白いネタを仕込んだつもりでも、何度繰り返しても観客が笑わないなら、お蔵入りにするしかない。逆につまらないジョークだと思っていても、小屋中爆笑の渦ということもある。(本文P6より)
面白いのは、この「ウケない」お笑い芸人が、決して「売れない」お笑い芸人ではないというところです。
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