トヨタ/シエンタから読み解く 〜前面衝突に対する車の安全性能とはどのようなものなのかpart2〜
この写真は(前回に続いて)トヨタ/シエンタの衝突試験後の写真です。
前回の記事で書き忘れたので、この衝突試験の内容について説明します。
このテストはJ-NCAP(日本自動車事故対策機構)が2015年に結果を公表した
車種の中の一台で、車名はトヨタシエンタと言います。
この車を時速64キロで走らせ、車体前部の幅の4割をアルミハニカム剤に衝突させます。その直後に、事故後の燃料漏れ、ドア開閉の可否、自動車内部の変形(トーボード、ブレーキペダル後退量、ステアリングの後退量と上方移動量等々)、ダミー人形の障害値などから5段階評価(星の数)で評価します。ちなみにシエンタは評価5、満点でした。(サイドカーテンエアバッグオプション装着者が対象)
次回更新は明後日夕方頃になります。
トヨタ/シエンタから読み解く 〜前面衝突に対する車の安全性能とはどのようなものなのか〜
こちらの写真は、先月私が自動車アセスメント結果発表会にて携帯電話のカメラで
撮影したものです。
この写真から言えることは2つあります。
一つ目は、車体前部が均等に(ボンネット付け根からサイドシル前部まで)
クラッシュドしている事。つまり前方からの衝撃そして車体の運動エネルギーを
均等にフレームに伝達し、広い範囲で潰れ、衝撃を吸収/分散しているのです。
二つ目は、先述したように広い範囲で車体が大破/変形しているにもかかわらず、
フロントドアやその付け根部分には全くと言っていいほど影響(目視の場合ですが)
が無く、専門家曰く、「衝突後も片手でドアが開きます」とのことです。
これってすごいと思いませんか?
(続く 次回更新予定は6月29日夕方ごろです )
エアバッグってなあに?
おはようございます。
前回はヨーロッパの自動車アセスメントについてお伝えしました。
今回は一旦その話題から離れて、『エアバッグ』について解説していきます。
量産型車載エアバッグの歴史は四半世紀程あります。
まずはそのエアバッグの歴史と変遷について語っていきます。文の途中で
次回につづく...と締めてしまうかもしれませんが、ご了承ください。
頑張って継続して投稿しますので、どうぞ宜しくお願いします。
世界初のエアバッグを搭載した車はメルセデスベンツ・Sクラスという高級車で、
それは1980年代中頃の事でした。当時のエアバッグはステアリングホイールに
内蔵されたもので、一つの車両に一個のエアバッグという構成でした。
当時はまだコンピュータですら黎明期で、機械式と呼ばれる作動方式でした。
そのため、衝突した速度やタイミングに応じてエアバッグの作動の強さを調節する
機能はなく、事故が起きると大怪我や事故死はそれの作動で回避できたものの、
場合によってはエアバッグ作動時の爆発力が強すぎ、けが人が出ることもありました。
(これには、シートベルトプリテンショナーとエアバッグとの協調制御などがまだ行われていなかったったことも関係していると個人的には考えていますが)
それから90年代中頃、予防安全装備の代表格であるESP(現:ESC)が発明されたころ、側面衝突に対して『サイドエアバッグ』が開発されました。それらはトヨタの一部車種、ボルボ、メルセデスなどを始まりとして、広まっていきました。当時、トヨタやボルボその他のメーカーはシート側面内蔵型で、メルセデスだけサイドドアの内張り内蔵型でしたが、のちにメルセデスもシート内蔵型になります。
2000年代に入るとサイドウインドウ全体を覆い、横転時や激しい側面衝突の際に、中の乗員が車外に放出されたり頭をぶつけるのを防ぐ新たなエアバッグ『サイドカーテンエアバッグ』がメルセデスやボルボそしてトヨタの一部車種に採用され始めます。
そして2005年頃、トヨタは、長らく不変だった前面衝突対策のエアバッグ方式に一石を投じ、『ニーエアバッグ』「英:knee airbag」なる画期的な新発想のエアバッグを市販車「カルディナ」に搭載したのです・・・
次回、明々後日、につづく....
安全なクルマってどんなクルマ?
前回の更新にて、安全なクルマを選ぶことがいかに理にかなっているか、
サクッと説明させていただきましたね。
今回は、安全なクルマとは一体!?
また、安全でないクルマと安全なクルマの違いってなんだろう?
そのあたりの疑問に答えていきます。
まず、安全な車の定義についてです。
例えばこちらのサイトはヨーロッパで売られているほとんどの車種の安全性能を
中立公平に評価しているものになります。
(英語ですがgoogle翻訳等を使えば日本語で読めます)
ホームページの情報提供元が『ユーロNCAP』というイギリスの
公的機関です。この組織が正式に啓蒙活動を開始したのが1997年頃になります。
この活動の甲斐もあって、欧州ひいては欧州と同じ仕様で販売される地域のクルマたち
の衝突安全性は飛躍的に向上したと言われています。
近年では、”ぶつからないクルマ”の性能比較・評価にも力を入れており、
直近だとトヨタ・プリウス(2016年モデル)が衝突安全性能においても予防安全性能
(ぶつからない性能)においても最高評価を獲得しています。
皆さんも、EURO NCAPの公式サイトで、ご自身でお乗りのクルマなどを検索窓に入力(アルファベット)して安全性について調べてみてくださいね。
(明日午前の更新をお楽しみに。)つづく
受動的安全性と能動的安全性。その本質は何か?part1
こんにちは。おっさん中学生です。今日は昨日よりさらに暑くて参っちゃいますね。
さて、前回は、まえがき「だけ」でしたので午後の部はガッツリ本題を
取り上げます。
自動車が日本に住むヒトビトに身近になった今、消費者が選ぶべき車はどんな
車か?ズバリ、”安全性と環境性能”で、選ぶべし。と私は考えます。
なぜなら安全性能と環境性能は、お金で買えないもの、プライスレスなもの、
例えば、地球上の自然ですとか、いろいろな動植物(ホモサピエンスも含む)の生命
を保護する為の欠かせない性能だからです。つまり、学校でいうところの、
必修科目(学習指導要領)だからですね。
これについては政府も認めていて、自然(環境や生物)に優しいクルマには、
税金を安くしたり、国が直々に税金を使ってまで消費者に、「このクルマ、エコですよ~しかも安全です~」などと宣伝したりしています。
お分りいただけましたでしょうか?
ここまでの文章で、『なぜ?今こんなにも安全性能に(環境性能については別の機会で書きます)、おっさん中学生はこだわるのか?』微塵ながら分かっていただけたら
幸いです。
次の更新は本日の夜7時頃になります。