「殺人の追憶」の有力容疑者が33年ぶりに見つかる | ソウルの風に吹かれて、時には優しく、時には雷雨のごとく!

ソウルの風に吹かれて、時には優しく、時には雷雨のごとく!

韓国での暮らしを通して観た韓国社会の素顔や日韓関係、南北問題、韓流など興味を引く情報を紹介してゆきます。

「華城(ファソン)連続殺人事件」の有力な容疑者が33年ぶりにあらわれた。

警察の粘り強い捜査の末、3件の被害者の遺品から出たDNAが現在服役中のある無期囚のものと一致したのだ。 

警察は、残りの被害者の遺品から出たDNAも対照中だ。

 

1986年9月から4年7ヵ月間で10件が発生した華城連続殺人事件は、1988年9月、パクさんを殺害したユン氏のほかに犯人は捕まらなかった。

捜査に延べ205万人が投入され、約2万1千人が取り調べを受けたが、得るところはなく、迷宮入り事件となった。

 

しかし、警察の粘り強い努力と捜査技法の発達で、事実上迷宮に陥った犯罪を明らかにしたのだ。

まだ、最終確定ではなく、公訴時効も過ぎて処罰はできないが、被害者と遺族の痛みを少しでも癒すことができて幸いだ。

   (東亜日報日本語版 2019.09.20)

 

 

 

 

 

 

韓国映画「殺人の追憶」を視聴された方も多いと思います。

この映画のモデルとなったのが「華城(ファソン)連続殺人事件」という猟奇的な殺人事件でした。

 

京畿道の田園地帯である華城で1986年から約4年に亘って16歳の女子校生から72歳のお婆さんに至るまで10人の女性が連続的に殺害され、数人の女性は身体の一部が切り取られるなどとても残忍で猟奇的な連続殺人事件でした。

 

当時、警察は全力を挙げて捜査しましたが犯人を検挙できず、結局、迷宮入りかと思われていましたが、33年ぶりに別件の殺人事件で地方で服役中だった男性のDNAと華城殺人事件の何人かの犠牲者の衣服に付いていた唾液などのDNAが一致する事が判明しました。

 

容疑者の男性は現在、調査を受けていますが頑なに犯行を否定し続けているそうです。

しかし、華城殺人事件当時、容疑者は華城に在住していた事も明らかになっており、真犯人の可能性はかなり高いです。

 

 別件の連続殺人犯ユ・ヨンチョルは2004年、警察に逮捕された後、「華城連続殺人事件の犯人は他の事件で刑務所にいるか、既に死亡しているはずだ。 何故なら殺人はやめられないからだ」と語ったそうです。

今回見つかった容疑者が真犯人ならば彼の予想が当たっていた事になり、殺人が中毒性をもっているというなんとも猟奇的な世界が存在する事にもなります。

 

 ちなみに韓国では最近、殺人事件の時効を無くしましたが、事件当時は時効があったので2006年に時効が成立しており、たとえ真犯人であってもこの件で法的に処罰を受ける事はありません。