2006年04月27日(木) 18時46分30秒

貯蓄と投資と投機の違いって?

テーマ:政治・経済
このところ景気回復のせいか市場が活発なようです

個人で資産運用する方も増えてきていますね

ところで貯蓄と投資と投機って良く聞く言葉ですが

違いはなんでしょう?

ここで重要になるのはリスクのとり方の違いです

貯蓄というとリスクゼロが基本です

ペイオフ解禁で銀行の状態に関するリスクは多少あっても

かなりリスクは小さいものだと考えられます

これに対して投資や投機はリスクが発生します

ではこの二つの違いはなんでしょうか?

この二つの決定的な違いは資産を投入する目的にあります

つまり、投資というのは長期的な視点で投資先企業の成長を

支える目的で行うものです

投資先の成長を支える目的で行うものであるため、株価の上昇下降に

一喜一憂することなく配当などによる利益を当てにします

逆に言えば投資先企業に対して一定の興味なり愛着なりが

なければできないものであるといえます

また、投資先企業として普通は長期的な成長期待が高い

企業を選ぶため。投資リスクは比較的低く済むと言えます

これにたいして投機はいわゆる株で一儲けというやつです

つまり、短期的な株価の上昇下降によって利ざやを稼ぐわけです

株価が安いときに購入して、株価が上がったときに売るのが基本です

そこに、相手先企業への興味などは無くてもかまいません

だたし、短期的な儲けに走るあまり大きなリスクを背負うことも

少なくありません

一般的に個人で株をやっているというとこの投機目的の場合が

多いと思いますが、実は一番リスクの高いギャンブルとそれほど

変わらない行為であるといえます

この三つを比較すると安全性に関しては貯蓄>投資>投機

ということになり、収益性では投機>投資>貯蓄となります

基本的にリスクのある資産運用ではリスク分の利益を求めますので

利率に加えてリスクプレミアムというものが要求されます

そのため上記のような関係になるはずだいえるのです

それでは今後の日本ではどのような資産運用が望ましいのでしょうか?

これに関しては一概には言えませんが今まではリスクを嫌う個人が

貯蓄や国債購入に傾いてきたためリスクが銀行や政府に集中する

事態が生じてきました

このため、不況になったときに企業倒産などによりリスクが現実化し

銀行が倒産するなどのいわゆる金融危機が生じてしまいました

そういったことからリスクの担い手を個人にまで広げていく観点で

貯蓄から投資へという政策目標が掲げられることになりました

広く薄くリスクを担うことで不況などになったときに致命的な金融危機

などを防ぐことができます

以上のことから貯蓄→投資、投機という流れが生じてきている現在は

望ましい方向へと向いてきているとはいえます

ただし、投資的な視点よりも投機的な視点が注目されるようになり

マネーゲームなどやモラルの低下といった市場の問題点も浮かんできています

したがって今後は個人がきちんと将来的なリスクを考えながら

投機から投資へと成熟していくことが望ましいと考えられます

とはいえ、投資には多くの情報や長期的な視点が必要であるため

人々の資産の流れが鈍る可能性もあります

そうなると企業の短期的な資金需要にこたえられないなどの問題も

考えられますので、一定規模の投機家も必要になります

また、市場において投機筋の動きは決定的な流れを作り出すことも

しばしばあり、一昔前のエンロンの事件では投機筋からの売り浴びせにより

問題が公になったということもありますので、一概に投機筋を排斥すれば

良いというものでもありません

要は、個人で資産を運用するにあたり、自分の行動のリスクをきちんと

把握し、市場の情報に左右されすぎないことが重要です

短期的な儲けによりギャンブル的な楽しみを追うことを止めることはできませんが

市場参加者のモラルや構造を悪い方向へ導くほどのマネーゲームは

良くないことは確かです

市場をどうコントロールしていくかは今後の日本の資金面から見た経済において

非常に重要なテーマになっていくことでしょう
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2006年04月20日(木) 23時56分09秒

国債と将来世代への負担

テーマ:政治・経済
近年日本の国債依存度や国債残高が国際的に見ても

異常な状況であるといわれ、将来世代への負担の

転化などの懸念があちこちで叫ばれています

この国債と将来世代への負担の転嫁の関係を経済学的に

考えてみることにします

いきなりですが、負担とは何をさしているのでしょうか?

実はこの問題が非常に重要な論点となるのです

つまり、負担をどう定義するかによって将来世代へ負担が

転化するのか否かでまったく逆の結論が出てしまうのです

以下でこの問題に対する財政学上の主要な主張を示し、最後に

自分なりの視点でこの問題に関して考えてみることにします

(財政学を学んでる方ははじめの方は読み飛ばしてください)

まず、ケインジアンであり新正統派のラーナーの主張を見てみることにします

ラーナーは負担を国全体で利用可能な資源の減少としました

この定義に沿って考えれば、内国債(国内で国債が消費される)であれば

国富は減少せず将来世代に負担は転化しません

これに対して、外国債(海外投資家等が消費する)であれば利息分

海外に国富が流れて行きますので将来世代に負担が転化します

以上を簡単にいえば日本から国富が外に出て行かなければ国の中で

お金が回っているだけで負担無しで、利息分外に出てしまったら

国富が減少して負担が生じるというわけです

いわれてみれば確かにそうだと思えてきてしまいますねぇ


次にブキャナン(公共選択学派)の主張を見てみます

ブキャナンは負担を取引の強制性に求めました

この考え方では公債は任意での選択ができ負担ではないが

課税は強制的になされるため負担になるとなります

そのため、公債発行時の人々は任意性より負担を負わず

公債償還時に増税された将来世代は課税の強制性より

負担を負うとなります

次にモディリアーニの主張を見てみます

モディリアーニは負担を生産力の低下としました

ここで、ちょっと難しい議論ですが政府支出Gを公債発行で

まかなった場合、公債購入に貯蓄が使われるため

民間の貯蓄がGだけ減ることになります

これは資本貯蓄がGだけ減少することに相当します

このGを一律課税でまかなったとすると、民間の可処分所得は

Y→Y-Gとなります

ここで民間の限界消費性向をc (0
貯蓄の減少は(1-c)G (
貯蓄の減少が少なくなります

以上より公債発行は課税よりも資本貯蓄を減少させ、よって

生産力を減少させるので将来世代に負担を転化させることになります

ずいぶん長くなりましたがまだあと二人の主張を見てみます

ボーエン=デービス=コップの主張を見てみます

この三人は負担を生涯消費量の減少としました

この議論によれば、公債発行時はすべての人が消費を一定にすることが

できますが公債償還時には公債を持っていない人は可処分所得が減少

することになり、この人々の分将来世代に負担が転化します

最後にリカード=バローの主張を見てみます

リカード=バローは負担を総消費量の減少としました

彼らは、公債発行時には将来の増税を見越して人々は

その分貯蓄をし、消費を増やさないので公債と課税は経済的な

効果で同一となると主張します

また、世代をまたいで公債の償還が行われる場合でも

将来世代に遺産を残すことで負担の転化が起こらないとします

これをバローの等価定理といいます

以上教科書に載る理論を概観しましたが、いかがだったでしょうか?

納得できるようなできないような感覚を持った方も多いと思います

自分自身の考え方を述べますと、ボーエン=デービス=コップの

考え方に近いものだと思います

日本では国債がほとんど国内で消費されているためラーナーの

定義によれば問題はありません

また、ブキャナンの考え方はある意味精神論に近いですし、

モディリアーニの考え方はそもそもマクロ経済の定式化の部分で

妥当性があるのかないのか定かではないと考えられます

リカード=バローに至っては人間が完全に増税とその規模を

予見するといった無理やりな仮定を置いていますので怪しいです

私自身公債の問題点は持つものと持たざるものの格差の発生

だと思っています(あまりこういった主張は聞きませんが・・・・)

つまり、国債を購入する層はある程度の余裕のある人々で

国債を購入しない層は低所得層であると考えられるので

国債償還時期が来たときに増税によって低所得層も含めた

全体から償還の原資を集めてそれを国債保持者の富裕層に

利息を付けて償還するという所得の逆移転が起こってしまうのです

低所得者から高所得者への所得移転が起こってしまうのでは

格差を広げることになり、国を不安定にする結果になります

また、公債は将来世代への負担転化だけでなく財政の硬直化

を招くことになりますので、やはりたまってもいいものではありません

今の日本の現状は国債依存度や残高が非常に高い上に

国債を大量保有している金融機関などが倒産した場合

国債が投げ売られ、暴落し、金利が高騰するなどのリスクもあります

今後の国債管理政策としてはラーナーの主張とは逆を

行くことになりますが外国人投資家なども含めた多くの主体に

広く薄く国債を保有してもらう努力が必要になります

そして、所得の逆移転が起こらないように低所得層にも購入しやすい

小口の国債も発行していく必要があると考えられます

発行を減らす努力と共に、負担転化やリスクなども考え以下に

安全に国債管理ができるかということも考えていく必要があるでしょう
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2006年04月19日(水) 01時16分37秒

グレー金利

テーマ:政治・経済
最近研究室所属などで忙しく、ぜんぜん書き込めてませんでした

さて、今日はここのところ話題になっている貸金業者のグレー金利について

考えてみたいと思います

貸金業、いわゆる消費者金融などに関わったことのない方の大半が

グレー金利の存在について知らないと思いますが、現在利息制限法という

法律では貸金業の上限金利を、元本100万円以上は年15%、10万円以上

100万円未満は18%、10万円未満は20%に制限しています

この利息制限法は法務省と金融庁が関わっていますが、もともと個人間の

貸し借りを対象としていたものなため、これを超える金利での貸し借りは

無効になりますが、違反しても罰則はありません

これに対して出資法という法務省所管の法律ではヤミ金対策として、29.2%

という上限利息を定めています

これはもともとがヤミ金対策として設計されているため違反すれば刑事罰が

科されることになります

この二つの法律、たとえば100万円融資の場合利息制限法によれば

18%が上限となりますが、出資法によれば29.2%が上限となり実に

11%以上の差が生まれてしまいます

この差の部分がグレー金利と呼ばれるわけです

実際の運用の場面では借り手が任意(自らの意思で)グレー金利部分を

支払っている場合にのみ有効とされてきました

しかし、実際にはこのグレー金利についてよく知っている借り手は

ほとんどいないため多くの消費者金融では何も伝えずにグレー金利で

貸し出していました

しかし、近年になり最高裁判所判決でこのグレー金利を認めない判決が

相次ぎ、金融庁の貸金業制度に関する懇談会がグレー金利を撤廃し

上限金利を新たに設定する(両法律の差をなくす)ことにほぼ決定しました

しかし、問題はどの水準に一致させるかということです

一般的に高利での貸付をしている消費者金融は悪者で弱者である

借り手を徹底的に保護すべきだという議論になりがちですが、実は

そう単純でもない問題が存在しています

それは、利息というものが貸し倒れに対してのリスクヘッジであるという

側面があることによります

つまり、ある借り手が一定の確率で貸し倒れると仮定したときに、貸し出しによる

利潤の期待値がマイナスになってしまってはその借り手に対して

消費者金融はもちろん貸し出しを行いません

そうなるとその借り手はヤミ金融に流れるしかなくなるのです

上限利息が高いということはつまり、貸し倒れ確率の高い借り手でも

ヤミ金融ではない消費者金融から借りることができるということになります

逆にいえば上限金利を下げることで借りる際の審査が厳しくなり借りられない

借り手が増えるということになります

現状ではグレー金利存在下でも6割しか契約が成立しないといわれる為

上限金利を下げればさらに厳しい常況になると考えられます

以上のように悪者消費者金融を懲らしめてやれ的な感覚だけでは語れないのが

この問題の本質でありましょう

しかし、ここで考えてみるとそもそもヤミ金に流れる人が増える恐れがある

という議論自体ヤミ金対策が追いついていない現状を認めていることになり

実は平行してヤミ金対策をさらにしっかり行っていかなければならない現状を

浮き彫りにしているともいえます

また、実は上の法律は消費者金融の資金調達利率が10%程度のときに

制定されたものであるので現在のように低利で資金調達できる現代において

29.2%もの利息を認める意義があるのかといった議論もあるようなので

消費者保護という目的を達成するためにはある程度上限を下げつつ

消費者金融側と粘り強く議論していく必要があると思われます

消費者金融の実際のリスク管理などにまで踏み込んで議論できることが

もっとも望ましいでしょう

また、先にも触れましたが、ヤミ金対策をしっかりすることももちろん考えて

いかなければならない問題ですし、上限金利が下がることで借りられない

ほどの借り手をできるだけ少なくしていくような経済政策も必要でしょう

最後になりますが今後上限金利が引き下げられると現在進んでいる

銀行と消費者金融の業務提携にも影響が出てくる可能性があります

もともと金利差により住み分け、消費者を取り込むことでグループとして

収益を上げていくモデルのため、金利差が小さくなるとその住み分けが

成り立たなくなり、戦略の見直しが必要になります

こういったように、このグレー金利の問題は経済のある側面において

非常に重要なインパクトを持つ問題であるといえます

消費者金融からお金を借りないでも済むような人が多くなればそれほど

重要ではない問題でも、11兆円にも及ぶ経済規模を持つ現在では

注視していかなければならない重要な問題であるといえます

私たちも関係ないという姿勢ではなく法律の行方をしっかりと見届けて

万が一自分が借り手となるときには相手に確認するなどの姿勢が必要でしょう
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