フルタイム、残業も多く、日曜出勤も時々ある、労働時間だけ見ればブラックすれすれのような企業で働いている。

それでもこの仕事が楽しくて、結婚もしないまま、22年も同じ会社で働き続けている。

今更辞めてもこれしかできないし、専門職過ぎてこんな田舎じゃ同業他社もそうないし、給与面含めていろいろ融通きかせてもらってるし、割と役職も上の方だし、居心地よすぎて辞められないってわけ。

この居心地の良さが結婚退職を遠のかせた一因だと思ってるんだけど。



会社に1ヶ月休む旨、伝えたら、快く「ゆっくり休むように」と言われた。

そりゃそうだ。
こっちは今までいろんな人の産休、育休のフォローをしている。
ワタシまだとってねーし、これからも取る予定ねーし。
1ヶ月だけど、産休、育休の気持ちで休むことにする。

そういえば、怪我で休んだ人もいたな。
それとは違って、いつから、どれぐらい休むか決まっているんだから、計画的に仕事を進めることができる。

できるだけ同僚に迷惑をかけないよう、できる仕事はやっていく。
おかげで、みんなが年末休暇に入ってしまっても、1人で会社に出てくる羽目になった。
まぁ、1か月休むから仕方ない。

なんとか12月29日には仕事を全て終えた。
後は後輩たちに任せることにした。




次に買い物だ。

病衣もバスタオルも使い放題だから、それほど準備らしい準備はないが、病院からの用意するようにと言われているのは、前開き肌着、スリッパ、下着だ。
前開き肌着は、母親が買ってくるというので任せた。
問題は下着だ。
42歳のおばちゃんが履いているパンツは、それほどセクシーではないが、股上がまぁまぁ腰骨ぐらいまでのやつだ。
たぶんそれだと、手術の傷の上がゴムになる。
痛いと困るから、へそまで隠れるデカパンを7枚買う。
可愛くはないが、痛いよりはマシだ。

上はどうするべきか。
冷え込みが厳しい季節だ。
ブラジャープラスババシャツか。
ババシャツもくたびれてるのじゃなぁと思って下着売り場を歩いていたら、カップ付きババシャツを見つけた。
これ、いーんじゃね??
5枚ほど買った。



部屋が寒いと困るから、病衣の上から羽織るパーカーと、病室を出て売店に買い物に行ったりするときに着ようかなーと思うロングのパーカーを購入。



入院中、暇を持て余すだろうと思い、前から読みたかった単行本も3冊ほど買う。



会社でパソコン、家にもパソコンがあるから、スマホの必要性を感じたことがなく、ガラケーユーザーだったが、入院中の暇に備えてスマホも購入。
でも、ガラケーも解約せず、2台持ちとする。
同僚にも友達にも言っていない。
なんだか、せっかくの「いまだにガラケーキャラ」をなくしたくなくて(笑)



後は、不幸集めだ。
ワタシは幸せと不幸の数は同じだと思っている。
これが過剰になってきて、大きな成功のためには、同じぐらいの不幸が身に降りかからないといけないんじゃないかと追い詰められる。
自分でも、これはちょっと精神的な病気だと思う(笑)

とにかく、手術が成功して、卵巣がんでもなかったという最高の結果を得るためには、それなりの不幸を集めなけれは、自分が納得できないんだ。

何かあるかな………。

…42歳なのに処女。

くぅ、とんでもない不幸人生じゃねーか!!

よし、納得した。
こんなに不幸な人生背負ったんだから手術も成功するし、がんでもないと期待しよう。




そんな結論に達したワタシの元に、1本の電話が。

会社の後輩から「困ったことが…」と。

どうやら、ワタシが関わった仕事でトラブルが起きたらしい。

ワタシの仕事先の相手が、自分のミスを社長に責められ、ワタシのせいにしているそうだ。

まぁ、ワタシが悪いところもあるのかもしれないけど、あっても1割ぐらいだ。9割はお前の責任だろーが!

男のくせに卑怯だな。

後輩「それで、その社長が、1月5日に謝りに来いと…」
私「それは手術の日だね」
後輩「無理ですよね」
私「だねー」
後輩「1人で行ってきます」



うーん、大丈夫かな。
私、ほぼ無実なんだけど、この後輩で晴れるかな。


あ、また追加で不幸集めちゃったよ。