Look Back On The Past STAGE vol.9 | 空想天象儀

空想天象儀

無限の想像力が日本人の創造力を刺激する!SF・ファンタジー専門劇団 『空想天象儀』!!

お久し振りの瀬良浩介です。

なかなか稽古日記が書けない瀬良浩介です。

だから久し振りの瀬良浩介です。


さあ、劇団員持ち回りで過去の公演を振り返ってきたこの企画も、今週で最終回!今回は9th STAGEの異色作。こちらです!



9th STAGE

「無限昏倒」





2014年2月14~16日

@要町「アトリエ第七秘密基地」



笑いだけの第9回公演。


劇団初のコント・オムニバス公演。もう、最初から最後までコントのみ!コントの台本を書いたことはあったのですが、コントだけという公演は人生初でした。

空想天象儀という劇団がやるコントですから、当然、SFやファンタジーの要素がなくてはいけません。そんなわけで、全コントに何かしらのSF・ファンタジーの世界観を持たせました。制約を課して書くというのは、難しくも面白い挑戦になったな、と感じています。宇宙船あり、ゾンビあり、月の精霊ありの、充実したSF&ファンタジー・コント集となりました。


書いていて印象に残った作品は、古典落語を元にして書いたSFコントです。本歌取りとでもいいましょうか。もともと江戸時代を舞台にした落語のお話を、近未来の宇宙船の中でのお話にリブートしたのです。もとのお話のタイトルは「庚申待ち」で、コントのタイトルは「交信待ち」。…洒落が効いていますね(笑)。

リブートというよりは「置き換え」なんですが、まったく異質な設定で筋立てを似させるという作業は僕の中で斬新で、とても楽しかったです。

コントを見たスタッフさんからも、「一番、オチがしっかりしていた」という感想をいただき、ちょっと嬉しく思うも、まあ元が落語だしな…と、改めて落語の筋立ての秀逸さに舌を巻く次第でありました。





今回は出演役者が4人と、過去最低人数の公演でもありました。劇団員3人と、ゲストは常連の田邉敬太くん。彼はうちに出演するたび(他の劇団でもやってるそうですが)、ちょいちょい台本にない小ネタで笑いをかっさらおうとしてきます。そんな笑いの申し子のような彼と、ガチンコでお笑いをやってみたいなとずっと思っていた願いがついに叶いました。

これはいつものお芝居を作るときもそうなんですが、「笑い」を創造する作業はとても神経質になります。全てのネタが、勢いだけでもっていけるものではありません。緻密な計算のもと、”間”や台詞のイントネーションにもこだわらなくてはいけません。そんな作業を、田邉くんや劇団員たちと苦労しながら作り上げていったのは労力がいりました。その分、うまく笑いがとれたときの達成感は筆舌に尽くしがたいものがありましたね。


劇場の第七秘密基地は狭いながらも使いやすい芝居小屋で、お客様と舞台の近さが、コントや芝居の空間密度を上げてくれているように感じます。その代わり、雑な演出は通用しないでしょうけども。

都心から近くアクセスもよかったのですが、なんと公演初日は記録的な大雪に!交通機関は乱れ、劇場に到達できないお客様が続発!それでも来場しようと家を出たところで滑って怪我をしてしまった方もいて、なんだか申し訳ない気持ちに。せめてコント内でスベるだけなら、怪我したのは役者だけだったんですけどね…。

公演のひとつ前の週末もやはり大雪に見舞われ、「一週前でよかったね~」と安心していたのをあざ笑うかのような、二週連続の大雪。やってくれました。劇場前に雪だるまを作らずにはいられませんでした。



さて、全9回に渡ってお贈りしました「Look Back On The Past STAGE」。なんとか10th STAGE前に終わらせることができました。

そう、来週末はとうとう10th STAGEの幕開けです!役者一同、渾身の力で稽古に臨んでいます。空想天象儀の栄えある第10回公演として、恥じないものをお客様にお届けする所存であります。ぜひぜひ、劇場へ足をお運びの上、その目でお確かめいただければと思います。


それでは、次は劇場にてお会いしましょう。ごきげんよう…。



by.瀬良浩介