Look Back On The Past STAGE vol.7 | 空想天象儀

空想天象儀

無限の想像力が日本人の創造力を刺激する!SF・ファンタジー専門劇団 『空想天象儀』!!

三週間ぶりの瀬良浩介でございます。

カレンダーも新年度を迎えまして、世間はもうすっかり春ですねえ。春といえば桜。今年の桜は、三月中旬に急に暖かくなったこともあってか、一気に満開になったような気がします。昨日あたりがお花見のピークだったのでしょうか。それも今日の雨でいくぶんか散ってしまうでしょう。花の命は短くて、ですね。


さて、劇団員持ち回りで過去公演の紹介をしております。今週は瀬良が7回目の公演を紹介いたします。7th STAGEは三年に渡ってお贈りしたトリロジーの第二部です!



7th STAGE

「女魔導士は求めても得られない

  ~パンゲア・サーガ 第二章~」





2012年8月4日~6日

@高円寺「明石スタジオ」



転機の第7回公演。


三年に渡った一大プロジェクト、パンゲア・サーガの折り返し地点。第一章から一年後。それぞれの一年を過ごしたキャラクターたちがふたたび動き出す。重大な秘密の暴露。そして別れ。序破急のまさに「破」というにふさわしいストーリー展開でした。世界観や人物像は第一章で描いていたので、それを広げることはさほど難しくありませんでした。ただ、第二章から観はじめるお客さんのことを考え、第一章を観ていなくても楽しめるように工夫をこらしました。


三章ぶんのストーリー展開の構想はできていたので、話の流れは早い段階でできていました。ただ、第三章に向けての伏線を張ったり、旧来のキャラと新キャラとの新しい関係性の構築など、いろいろと苦心した覚えがあります。

一番の苦労は、合戦のシーンでしょうか。人間側のパナティア軍と、魔王側のパンゲア軍がぶつかり合う一大スペクタクルのシーン。たかが10数人の役者で再現するのは骨が折れましたが、戦場のピリピリした雰囲気は伝えられたのではと思います。

そして、純ファンタジーの醍醐味である魔法。これも第一章のときよりも出番が多かった。精霊を演じてくれた役者さんは、カラフルな布をバサバサ、何気に一番疲れたのではないでしょうか(笑)。今更ですが、ありがとうございました。





この公演で転機となったのは、優秀な殺陣役者さんと、殺陣師さんに知り合えたことです。第一章ではなけなしの殺陣しかなかったのが、第二章では本格的に取り組むことになりました。残念なことに劇団員は全員殺陣ができないので(汗)、殺陣ができる客演さんにがんばってもらいました。上の写真のシーンでは、本当に見ごたえのある殺陣だったとお客さんから賞賛の声をたくさんいただきました。

剣と魔法のファンタジーを題材にする以上、殺陣は避けようがない要素です。自分で書き始めておいて、「できない」では済まされません。そんな脚本家の理想を見事に叶えてくださったこと、関わってくださった人たちには心から感謝しています。そして、つたない技術の瀬良に、イチから殺陣を教えてくださった関係者の皆さんには、足を向けて寝られません。本当にありがとうございました。


舞台装置は、はじめて非シンメトリー(対称)のものになりました。派手な殺陣が入るのであまり凸凹にもできず、かつ明石スタジオの特異な形状を生かした結果、S字のような段差を持つ舞台となったのです。舞台案を考えてくださった舞台監督さんにも頭が上がりません。

それにしても明石スタジオは面白い構造をしています。ネガティブに考えれば一般的な劇場とは勝手が違って使いにくいのかも知れませんが、ポジティブに「特殊な使い方ができる」と考えるようにしています。10th STAGEでも舞台美術は試行錯誤を繰り返していますが、劇場自体がもつ「箱感」と、持ち味である天井の高さを活かした舞台セットになる予定です。どうぞお楽しみに。



そういえば、この公演から空想天象儀に関わってくれている、あの「殺陣役者さん」が10th STAGEでも魅せてくれますよ。明石で空想天象儀といえば「あの人」と言われるようになればいいなと、密かに思ったりしています。そちらもご期待ください。

では、来週は牧野ちあきがお贈りするLook Back過去公演、どうぞお楽しみに。瀬良とはまた三週間後にお会いしましょう。その頃にはもう、過去公演は紹介し尽くしている気もしますけどね…。ごきげんよう…。



by.瀬良浩介