季音-KINON-@鎌倉

JR鎌倉駅西口を出て紀ノ国屋手前の交差点を右折して歩くこと4分ほどの道沿いに店を構える薪火を使った村野敏和シェフのサンフランシスコ料理店

ここ、実は飲食店NGのビルだったのに若い村野シェフの"想い"に惚れたオーナーが「君の夢を叶えるお手伝いがしたい」と快く提供いただいたのだとか…

伝説の隠れ家フレンチりんごの絆
山本明弦氏に師事した村野敏和シェフ
なるほど、食材を究極に活かす村野キュイジーヌは「料理が美味しくなるのは職人の腕ではなく、ただただ食材が偉いのだ」という師の教えが根底にあるんだひらめき電球

その後、マンダリンオリエンタル東京、同マイアミを経てかのレフェルヴェソンスエスキスにて修行の後ミシュラン三つ星を獲得(2014年)したサンフランシスコのSAISON(現在は二つ星)に入店、就労ビザがおりた2017年からは唯一の日本人シェフとして腕をふるわれた村野氏が、帰国後、昔師事した曽村シェフ(オリエントエクスプレスのシェフを経験した唯一の日本人で、現在アタゴールのオーナーシェフ)が使っていた鎌倉野菜が忘れられず、なら鎌倉にと昨年(2019年)8月に38歳でオープンしたSAISON仕込みの薪火料理のお店

サンフランシスコ料理って何?アリス・ウォーターズさんのシェ・パニーズみたいなオーガニックレストランかと思ったら、そういうことだったんだメモ

店名はお二人のお子様の名前から一文字ずつ取られたのだとか
なんだか、素敵ニコニコ

扉を開けると、手前右の壁には表からも見えるようにディスプレイされた薪が積まれています



こちらは6ヶ月ほど乾燥させたもので若干水分が残っていて、主に使う1年以上乾燥させた薪に比べて火がつきにくい代わりに長持ちするのだそう

入って正面にL字型カウンターの8席

奥にレンガ造りの薪火窯をどんと据えた村野ステージを囲んでいます


ガスコンロと違って火加減が難しい薪火は乾燥期間の異なる薪を混ぜたりうちわで扇いだり大変です

奥にはSAISONオーナーシェフジョシュア・スケンス氏のサイン入り推薦状



と、サンフランシスコの風景の額
絵だと思ったら写真だそうです
金門橋とうろこ雲とカモメが同時に収まった奇跡の一枚カメラ


この日は、湘南スイーツツアー@Teslaの〆として訪問です


お料理はお任せのコースで8,200円(別途 薪火料7%+消費税)


鎌倉野菜のポタージュスープ


燻した今が旬の鎌倉黄色カリフラワーダウン

を出汁で戻してから炊き上げ、生のカリフラワーと合わせたポタージュスープにアサリのコンソメを纏わせたずわい蟹、ゆずをトッピング



燻したカリフラワーを水で戻すと元の大きさに戻るんですと語る村野シェフ

調理工程の異なるカリフラワーが醸し出す深くて優しくてほっこりする味わい

長井漁港直送お刺身のサラダ仕立て

紅芯大根、アントシアンたっぷりのあやめ大根やビタミン大根、黒大根、紫水菜、紫からし菜など新鮮な鎌倉野菜のキレの良い食感と瑞々しさが秀逸です

上に乗っかっている飴色に輝く刺身は相模湾東部長井漁港の平目の神経締めをお店で6日間熟成したもの
新鮮な魚も良いですが、熟成されて深みとコクの出た魚と新鮮野菜のコラボは最強かも

器は、シェフの奥様のご親戚でもある宮崎県日南市の山下夫妻が70歳を超えた現在も新作を出し続けるていらっしゃる無限窯の皿を使用


鎌倉野菜の薪火焼き


3日燻してから、改めて薪火で火入れした加藤農園さんの春キャベツが主役


カウンター下に仕込まれた引き出しに用意されたカトラリーでいただきます

「鎌倉野菜」の発祥、昭和3年に始まった日本初のヨーロッパ式マルシェ、鎌倉市農協連即売所(通称レンバイ)で週に2回採れたての野菜を販売している農家の跡取り息子加藤忠幸さんの肩書"加藤農園4代目/ビームスバイヤー"にびっくりびっくり
〜大学を卒業後、大好きだった洋服に携わる仕事をしたいとビームスに入社、アシスタントバイヤーを経て2012年に念願のバイヤーに昇格、今では、朝は湘南で農家さんとしてアウトドアライフ、午後からは原宿で人気セレクトショップ「ビームス」のバイヤーとしてオフィスライフと二重生活を送るマルチプレイヤーなのだそうメモ
そんなタフガイ加藤さんが作る野菜もやはり元気いっぱいです


シェリービネガーで和えた白魚と菜の花が熟成で凝縮されたストレートなキャベツの旨みをさらに引き出します

キャベツのそりっ、白魚のとぅるん、菜の花のきしっ


本日の熟成魚の薪火焼き

一週間熟成させた金目鯛

皮目に油を掛けて鱗を立たせ、薪火でさらに油を落としながらパリッふっくらと仕上げます




伊勢海老のコンソメに浮かばせる贅沢

薪火で丁寧に火入れされた金目鯛は熟成による豊かな味わいに伊勢海老の風味が重なり極上の一品に

皮目のソリッ、身はほろほろ、コンソメのとろ〜ん

本日のリゾット


帆立と蕪のリゾット
手前の燻して水分が抜けた蕪
戻して取った出汁で炊きあげます


上にかかっているのは燻したタコを削ったタコ節

なんとも言えない和風味のリゾット
でも、違和感なくすぅ〜っと胃の中に収まります

リゾットの器は無限窯の先述の山下さんが、これを作ったおかげで腱鞘炎になったという曰く付きのお重
二度と作らないから割るなよと言われているとかいないとか…てへぺろ

本日の熟成肉の薪火焼き

メインはアップグレードして、希少な宮崎牛(イチボ肉、A5‼︎)+2000円にしていただきました

史上初3大会連続内閣総理大臣賞受賞の見事なサシの宮崎牛が、薪火の絶妙な火入れにより極限のジューシーさを纏い感動的な味わいに

加藤農園のきたあかりと紫大根


3日ほど燻されたきたあかりは、皮付きと間違うほど表面ぱりっ、中ほっくり

上に乗っているのは椎茸ではありません、いぶりがっこを彷彿とさせる燻して水分を飛ばした紫大根



デザート2


青島みかんとマシュマロのアイスクリーム



静岡市の青島平十氏によって発見されたコクと甘みが特徴の青島みかんとマシュマロのアイス
かかっているのは村野シェフが修行したSAISON暖かい塩キャラメルソースを一手間かけて燻したもの


ハーブティー
柚子、バジル、オレンジ、スペアミント、レモングラス…なんとか覚えましたあせる

ガトーショコラ
この写真、訳あって通常の一人分ではありません

小麦粉を一切使わないグルテンフリー、卵と乳製品で繋いだガトーショコラ

添えられた生クリームも燻してあります


小麦粉を使わないおかげでふわっふわ

深みが増した生クリームを絡めるといくらでもいただけます



素敵な仲間と素晴らしい料理で過ごす3時間はあっという間時計

舞台は"同じ食材の熟成と燻しによる激変"が体感できる感動と興奮の村野劇場


教えたいけど教えたくないとっておきのお店と出逢ってしまいました

再訪決定ですベル





俺のフレンチTOKYO


銀座1丁目の「KIRARITO GINZA」地下1階にある全席着席形式の俺フレです


俺のフレンチで、昨年12⽉29⽇(⽇)に最終回を迎えたTBS⽇曜劇場"グランメゾン東京"に登場したクスクスアラメゾン10月21日(月)〜、アッシパルマンティエ11月18日(月)〜、ビーフシチュー12月30日〜をそれぞれ期間限定で提供していたのは知っていたのですが…

一度にはそれぞれ一品しか食べられないからちょっとなあと、結局行けず仕舞いで終わるかと思っていたら…

1/16に"俺のフレンチ"から緊急告知が…


昨年12⽉29⽇(⽇)に感動の最終回を迎えたTBS⽇曜劇場「グランメゾン東京」に登場したメニュー第3弾「ビーフシチュー」を、「俺のフレンチ」にて提供中です。
提供は1⽉18⽇(⼟)をもって終了する予定でしたが、お客様からの多数の熱いリクエストにお応えし、第1弾「クスクスアラメゾン」・第2弾「アッシパルマンティエ」、第3弾「ビーフシチュー」を、それぞれ以下の店舗で期間限定復活させることが決定いたしました。


・俺のフレンチ TOKYO(クスクスアラメゾン、アッシパルマンティエ、ビーフシチュー)
・俺のフレンチ 銀座コリドー街(アッシパルマンティエ)
・俺のフレンチ・イタリアン 青山(アッシパルマンティエ、ビーフシチュー)
・俺のフレンチ・イタリアン 赤坂(クスクスアラメゾン)
・俺のフレンチ 神楽坂(ビーフシチュー)
・俺のフレンチ 人形町(アッシパルマンティエ)
・俺のフレンチ 横浜(ビーフシチュー)
・俺のフレンチ 梅田(クスクスアラメゾン、アッシパルマンティエ、ビーフシチュー)
・俺のビストロ&Bakery 心斎橋(アッシパルマンティエ)
・俺のフレンチ 博多(ビーフシチュー)

提供期間:2020年1月19日~31日


やったービックリマーク爆笑

というわけで、東京で3品を一度にいただける唯一のお店、俺のフレンチ TOKYOに予約を入れて本日往訪




クスクスアラメゾン 1,480円(税別)

第1話に登場する「クスクスアラメゾン

木村拓哉さん演じる尾花夏樹が作る賄いメニューで、数種類の肉をアニス、カルダモンなどの様々な香辛料とニンニク、お肉のブイヨンで味付けしたトマト煮込み

パリの三つ星レストランランブロワジー修行時代、沢村一樹さん演じる京野隆太郎が大好物だったという贅沢すぎる賄い料理

鈴木京香さん演じる倫子の家で尾花と京野が3人で食べていた、あの料理


ビジュアル的にはダウングッド!ですが、


実際は、カットした肉をクスクスに乗せてスープをかけていただきます


牛テール


はじめ、じっくり煮込まれたお肉はホロホロっとほどける柔らかさ


濃厚な味わいに、倫子さんが言うようにクスクスではなくご飯に合わせたい感じですウインク



アッシパルマンティエ 1,480円(税別)


飢饉が襲ったフランスで、悪魔の食べ物と言われ避けられていたじゃがいもで人々を救った学者さんの名前パルマンティエを冠したじゃがいもを細かく刻んだ(アッシェ)した家庭料理、Hacis Parmentier

第5話に登場します

尾花夏樹の愛弟子、Kis-My-Ft2の玉森裕太くん演じる平古祥平がエスコフィユで作っていた賄い料理は、牛テールの赤ワイン煮込みとマロングラッセ・キノコに、洋梨のピューレを合わせたマッシュポテトを重ねてグラタン皿で焼き上げたフランスの伝統的な家庭料理


祥平が作ったこのアッシパルマンティエが三つ星が取れずに落ち込む尾花を救い、グランメゾン東京では、尾花が作って祥平を救うというドラマのキーアイテム

仕上げにかける"クルミオイル"がミソ上差し


表面のカリッとした食感に覆われたなめらかなマッシュポテトと柔らかな牛肉の赤ワイン煮込みの見事なマリアージュ


ビーフシチュー 1,480円(税別)


第8話に登場した「ビーフシチュー

尾花夏樹の料理の師匠・の店「浪漫亭」の看板メニューで、忘れかけた料理への想いに気づかされる大切な一品


赤ワインの甘さが引き立つソースがほろっほろにほぐれる牛タンの舌触りと相まって珠玉の一品に




グランメゾン東京登場のメニューが一度に3皿味わえるなんて、至福のひとときでした時計


このフェアは1/31までメモ

気になる方は即予約ですねビックリマーク



オマケ

本日いただいたその他のメニュー


私の泡【ぶどう】680円



名物!"俺の"タルタル 980円



フレンチのお供!2種のこだわりパン 380円

俺のベーカリー直送の銀座の食パン『香』とフランスパン


名物!旬な苺の"ロング・ロング"エクレア 580円




B restaurant  wine bar

自由が丘駅中央口から徒歩1〜2分の立地なのに通り過ぎそうな隠れ家感満載店

昨年2月にオープンして以来評判が鰻登りで予約の取りにくいお店の仲間入りを果たしたB restaurant wine barを友人のI女史が予約してくれたので、初訪問です



スタイリッシュな外観のコンクリート壁に埋め込まれた、フランスで幸運を呼ぶ蜂のBeeと末広がりの8を合わせた店名ロゴの“B”に気付かなければ通り過ぎてしまいそうな佇まい



店内はグレイッシュな壁に直接花が活けられたモダンな空間にテーブル10席とカウンターに4席



壁の穴から薔薇



カウンター奥が厨房

シェフが一人で調理されています


清潔感溢れるシンプルモダンな空間で温かみを演出する木目の椅子に腰掛けた瞬間から“美味しい”予感に包まれます


夜のコースは¥5,000


そして、

wine barを謳っていながら、下戸のにも優しいソフトドリンクのラインナップ



乾杯にオーガニック葡萄ジュースをチョイス

pfälzer Traubensaft Rot

11の限定農家さんしか名乗ることを許されない1903年創立のドイツの協同組合pfälzerがホテル等にアルコールが苦手な客や子供たちにも楽しんでもらえるよう提供するTraubensaft Rot=赤ワインになる前のブドウ果汁をそのまま瓶詰めした100%ピュアな超濃厚グレープジュース



始まりの一皿


薄い膜で包まれたパプリカのスープ


一見卵の黄身にしか見えないパプリカのスープ

口に含んだ途端膜が弾けて、、、うん、パプリカ

ちょっと不思議な感覚


焼きなすとキハダマグロの自家製生ハムのタルトレット


パリッパリの極薄タルトレットにのっかる焼きなすに魚の生ハムという香ばしい×香ばしいの組み合わせに食欲が刺激されます



アジのマリネ リコッタとキュウリのソース


キュウリのすりおろしにアジのマリネをのっけ朝どれキュウリのサラダをトッピング

リコッタとキュウリの白いソースとフヌイユとキュウリの透明なソースのお洒落なWソース

仕上げにフヌイユの花をトッピング…ん〜オサレニコニコ


のシェフは食感の演出に並々ならぬ拘りをお持ちのようで、この一皿も同じキュウリでもすりおろしとスライスとで全く異なる食感を創り出しています

   

スープドポワソン


おかひじき、フルーツトマト、じゃがいものニョッキや帆立をのっけたお皿に


ベニテグリ、ヒメジに少々のオマールの殻からとった濃厚なスープドポワソンを注いで完成




香ばしく焼き目を入れた具材にThe“海”の旨味をたっぷり纏った濃厚スープが絡み、トッピングのルイユ(にんにくマヨネーズ)が味わいにアクセント、じゃがいものクランブルが食感にアクセントを加えます


自家製パン

ドイツのサワー種を使ったライ麦パンをお店で焼いちゃうこだわり


もっちもちで好みのパンでした


ドリンク2杯目は

ジンジャー&レモングラスのフレーバーウォーター


イギリスのスプリングウォーターにボトルグリーン社独自の製法でショウガ、レモングラスを溶け込ませた微炭酸ドリンク

甘みを抑えてあり、料理にも合います


タスマニアサーモンのポワレ ヴェルモットのソース


シャンピニオンとジロール茸を混ぜ合わせキノコのリゾット風に演出したリゾー二にのっかるアミエビの衣を纏ったヴィエノワーズ=ウィーン風


ヴェルモットのソースのほんのり酸味が混じる深いコクが淡い味わいのタスマニアサーモンに深みを与えます




花悠仔豚のロティ 粒マスタードのソース


麦やハーブ主体の植物性飼料で大事に育てられた千葉県産ブランド豚花悠仔豚のモモ肉は柔らかくミルキー

脂がモチモチでめっちゃ美味い



この上に剣先イカと夏トリュフをトッピング、ここでも食感へのこだわりが…


そら豆、とうもろこし、オクラ、南瓜、満願寺etc.の夏野菜たっぷりのガルニチュールとミルキーな豚肉を濃厚な粒マスタードソースが繋ぐ、ワインが進む(であろう)一品




デザートは

ライムとラベンダーのタルト


タルト生地の上にライムのソースとメレンゲトッピングのセットを並べ、19世紀の終わりにブルターニュ地方のMarie-Catherine Cornicおばさんが産み出した、卵と小麦の割合を変えたクレープ生地ガヴォットで巻いて、ラベンダーのエスプーマを注入するという手間のかかったデザート

添えられたバニラのアイスクリームまでめちゃくちゃ美味




最後の最後に

なめらかプリン


キャラメルの苦みも上品なTheカスタードをいただきながら


選べる〆の飲み物はコーヒー、紅茶、ルイボスティー、ハーブティー

紅茶を選ぶと、さらにマリアージュフレールの数種類からチョイス可能

久しぶりのマルコポーロをチョイス



これだけのこだわりフレンチのコースが¥5,000というコスパの良さもさることながら、特筆すべきはモダンフレンチ=料理そのもの


若手のイケメンシェフ一人で創り上げる全ての皿に、特に食感にアクセントをつけることに拘り、例えば同じメニューに見えてキュウリを焼いたりサラダ仕立てにしたりと、探究心には頭が下がります

ワインと合わせることが前提のソースはどれも濃厚で、好みによると思われますが、静岡にルーツを持つ濃い味好みのは大歓迎


フロアをお一人で担当される若いマダムのサービスもこのお店の人気の秘訣

気働きの利いた押し付けがましさのない笑顔の接客のおかげで、居心地はすこぶる良好です


再訪決定ビックリマーク

ごちそうさまでした