注文していた品物を受け取りに行った時のこと

前回商品選びを手伝ってくださった親切な男性の担当者はあいにくいませんでした

代わりに綺麗な女性が引換証を受け取って、商品の確認と説明、そして保障について丁寧に話してくださいました

その接客応対を受けながら感じたのは、彼女が気を使いすぎていること

私がうっかり説明書を床に落とした時も、まるで自分が落としたかのような気の回しようです

きっと、この人、仕事が終わった時に、どっと疲れが出て大変だろうな


私は内心気の毒に思いました


そこで、ついその思いを告げてみました


「そんなに気を使っていたら、仕事が終わった時には疲れが噴き出すんじゃないですか?

私はサービス業の方たちと接する仕事をしているので分かるんですが、あなたはもっと普通にしていても十分素晴らしい接客になると思いますよ

あなたが心の優しい方だということは誰にでもすぐわかると思いますよ

そんなに気を使わず、もっと自信を持って、普通に接してみてはいかがですか?

普通にしていても、最高クラスの接客になると思いますよ

それに、あなたは綺麗だし」


「-  -  -  -  -       」


明らかにそれまでのトーンとは違って、下を向いて返事がないので、覗き込むと、


彼女の瞳がうっすらと潤んで、


涙をためていました


「どうしたんですか? 


いけないこと言っちゃったかな?」


そしたら、小さな声で、


いいえ感動したんです


それを聞いた私が、今度は言葉を失いました


ちょうど商品を包み終えたところだったので、その場で受け取って、席を立とうとしたら、彼女が、きっとマニュアルで決まっているのでしょう、お見送りを致しますと言うので、店先まで5、6m進んだところで挨拶を交わして店を後にしました


帰宅して商品を開けると、そこにはアンケート葉書が

これかと思いました


彼女の応対を過剰にさせているのはこれに違いない


お客様に喜んでもらうには、店員さんにも元気になってもらえる工夫がアンケートにも必要ですね


店員さんを窮屈にしてしまっているのなら、そのアンケートはいったい何が目的なんでしょうか?




花咲か爺さん