http://www.takemotokyoko.com/ 武本京子の最近のコンサート/
長い間 ブログを書くことができませんでした
昨年は、最愛の母との 別れの年 になってしましました
文才に恵まれ、優しく、美しく、
何事にも完璧をめざしていた母が、
歳を重ねるうちに 言動が変わっていき
その状態に 私は とまどい 傷つき
自分の感情の整理をするのが大変な日々が続きました
しかし、癌で余命宣告されてから
家で死にたい!という母の願いを叶えるために
自宅で介護することを決心しました
訪問看護の先生や看護師さんやヘルパーさん また、
近所の方々や母の同窓会の方々の助けを借りながら
最後の母の看取りを 娘と 自宅ですることができました
そのことによって
世の中のたくさんのお年寄りや家族の介護の様子を知り
病気のせいで起こる様々なことを理解し
一人で悩み苦しんでいたころより 私の心は救われ
介護の世界でお仕事される方の愛と仕事への誇りを知りました
父は10年、母は8年の介護を通して
親が老いることの様々な哀しみと苦しみを味わいました
自分としては最大限の時間を費やして努力していても
親としては、短く感じ 寂しかったと思います(>_<)
仕事と介護の両立は本当に苦しいものでしたが
専門家の話を聞き
すべてを受け入れる覚悟をしました
大きな愛の持てる人間ならなければと自分を叱咤激励し
精一杯後悔しないように 介護をしたかった
いよいよ余命2か月と医師に言われてから
うっそうとした庭木の剪定を早朝から毎朝やって
青空が見えるようにしたかった
早朝の庭仕事なんてやったこともなかったけど
青空のもとから父に迎えに来てほしかった
あまりの介護疲れで 心が安定しないその頃の私は
肉体労働をするしかなかった
夜中に娘とバトンタッチして起き
母の様子を見て
庭の剪定をしながら 自然を感じ、月日を感じながら
朝陽が昇ると ああ、仕事に行かなきゃ!という日々は、
足腰痛く、辛い日々でした
でも次第に 介護の苦しさより 私のピアノをやらせるために
一生懸命応援してくれた若い頃の両親を思い出しました
たくさんの愛情と時間を私についやしてくれた両親
庭がきれいになったよ!というと笑顔で喜び
水分補給の水をあげると
「こういうのを 末期の水というのよ!」
と優しく微笑み 昔の優しい母に戻っていました
青空が 庭に 広がり
天使の羽を付けた 父が微笑んでいる夢を見た時
母は、幸せに 安らかに 眠るように 天国に行きました(T_T)
たくさん 花を植えました
たくさんの人に助けられて 最後の看取りができました
人間は
たくさんの人に助けられて生きていることを実感しました
12月12日、母が亡くなり、身動きできない二ケ月でしたが
4月5日に、宗次ホールでの コンサートの依頼が来て
背中を押してもらえました
震災のときもそうでしたが
私には、音楽で
愛と感謝と勇気と情熱を表現することしかできない…
今も、介護で苦しんでいる方々に
後悔しないように ガンバッテ!と 応援したい…
母のために愛を注いでくださった方々に
感謝を込めて演奏したい!
愛と幸せを天国に届くように 心を込めて
それが、何よりも両親に対する私の愛のかたち … …
シューマンの 「幻想曲 ハ長調 op.17] で
シューマンとクララのように天国で父と再会してほしい
ベートーヴェンの [ピアノソナタ 第31番 変イ長調 op.110」 で
病気の苦しみから解き放たれ、天国への階段を登ってほしい
モーツァルトの 「デュポールのメヌエットの主題による9つの変奏曲 ニ長調 k.573」 で
光あふれる天国で 天使になって 大好きな花々と戯れてほしい
ショパンの「 夜想曲2番 変ホ長調 op.9-2」で
青空のような広く大きな母の愛を感じたい
ショパンの「夜想曲 遺作 嬰ハ短調」で
どうか永遠の愛で私たちを見守っていてください
愛と感謝を込めて演奏します