4/22 

被災地石巻市で活動するボランティア団体のトップの方と看護士の方と私の女三人で香川県庁知事公室

を訪れた 県庁からは知事公室長、知事秘書、危機管理課長と全員で六名の面談となった

まずは現地の現状と様子をボランティア団体の方が説明する

想像を遥かに越えた被災地の状況にその場に居た他五名が聞き入り言葉を失った

次に行政ができること医療チームができることNPO団体ができること

そして民間の私達ができることの意見と情報交換

救援物資については届いている地域と届いていない地域のばらつきがあり

県には届いていても市には届かない市に届いていても町村には届いていない

町村には届いていても各家庭に行き届かない

例えるなら県や市の動脈には大量の物資があるが毛細血管の先まで物資が行き届かない

そればかりか動脈さえ断ち切られてしまってる市町村もある(市庁ごと津波にのまれてしまっている)

受け入れ体制が整っていないところに大量の物資が届けばそれは混乱を生む

なにより受け入れ態勢を整える仕事をする被災地の県や市の職員の方々の手を止めることになる

かといって物資供給を止めてしまうわけにはいかない

今の時点で救援物資はライフラインに他ならない

受け入れ態勢も物資供給も同時進行

しかしそのための人員が圧倒的に足りない

市の職員もボランティアも輸送する人もどこに何が足りないか情報を拾いに行く人も医療も

建築関係の人も土木関係の人もその他全般に渡って全てにおいて人が足りない

かといって誰でも彼でも被災地に行けばいいかというとそうではない

その各スペシャリストが行かないと事が進まない

加えて被災地の方の気持ちに寄り添えてプライバシー保護に徹することができないといけないし

ある程度災害等を経験していてバックパッカーやボランティア経験医療従事者や介護職など命のそばで仕事をしたことがある人など精神力と体力がタフであることが望まれる

要約すると内容はこういったものだった

話し合いの中でその場に居た全員が黙り言葉を詰まらせた瞬間があった

全員が天井に頭をぶつけたような沈黙

解決策が出てこない

それは被災地の方もボランティアの方も行政の方も医療従事者の方も民間企業も市民も

全て人間だからそれぞれの想いとやり方と考えと行動がある

それを強要することはできないししてはいけない

かといってそこから目を背ければそれは少々乱暴な言い方だが

被災地の方を見殺しにすることに他ならない

『なんとかならんのか』

搾り出すように口火を切った知事公室長のその言葉は立場や地位を完全に越えた

人としての叫びだった

その場に居た全員が同じ事を想い考えていた

『この解決策を提案できたらノーベル平和賞ものです』

被災地に震災から一ヶ月以上も入り活動してきたNPO団体トップの方がそれに答えた

ここからは人

それを強く感じまた打ちのめされた

会合が終わって二日間はありとあらゆる感情と方法論に自分で自分自身にかき回された

4/25 

このひと月で集めた救援物資集荷が終わり市のトラックに積み込んだ

今週中頃(4/28まで)には被災地に向けて物資は出発する

集まった救援物資は全部で6~7トン

お米は問屋さんのご協力を得て500㎏

生理用品とマスクはユニチャームさんから4トン弱

(私事ですが生理用品はもうユニチャーム以外は買いません)

他市民の皆様のご協力を得て1~2トン分の物資が集まりました

もちろん私も新品子供服1ケース、婦人子供下着2ケース、

缶詰2ケース、豆乳、野菜ジュース5ケース、薬局にてキッチンハイター1ケース

購入し寄付しました

食料(缶詰などおかずになるものたんぱく質源)と野菜ジュース、粉ミルク、

食器用洗剤、新品下着靴下が全く足りていないので輸送まで知り合いの方にお願いして

自身もこれから買いに走るつもりでいます

高松市職員の方も食品の企業さんにお願いしていると危機管理課長さんが今日言っていました

今日明日で

1、食料(缶詰などおかずになるものたんぱく質源)

2、野菜ジュース、果物ジュース

3、粉ミルク、

4、食器用洗剤、除菌ジェル(ノロウイルスが被災地でまんえいしているとのこと)

5、新品下着、靴下

ご協力いただける方がいましたら

高松市危機管理課0878392184

もしくは私西川08051224302

までご連絡頂くか

直接市役所危機管理課までお持ちいただけると幸いです

よろしくお願いいたします

またご協力いただきました皆様この場を借りて厚くお礼申し上げます

ありがとうございました

母の会 西川


4/11~18まで一週間

東京に住む私の友人が宮城県石巻市に会社をあげて(株式会社クルック)炊き出しに行きました

ひとまず仙台に拠点を置き一日1000食分石巻市の避難所に届ける作業

石巻市は広く途中牡鹿半島の泊浜にも炊き出しに行ったそう

その途中行方不明者捜索手付かずの地域もあり当然物資も行き届かず

そんな地域は一日一食は当たり前です

東北の人はまず遠慮し我慢する


私の友人が炊き出しのご飯を配るとき

『何食要りますか?』

と聞くと

『3食お願いします』

と遠慮がちに答えた方が居て

『沢山あるから遠慮せずに言ってくださいご家族分ちゃんと用意ありますからね』

と念を押して聞くと

『じゃあすみません六人家族なので・・・』

とおっしゃったそうです


これが何を意味するか


一食を二人づつで分けようとしていたんですね


町は壊滅、家族は行方不明、避難所生活で明日が見えない生活を強いられながら

なおも食事を家族で分け合おうとする


これが東北の方々の人柄です


物資も食事も足りていない今現在の話です


夕方も四時を過ぎると日もかげり車上荒らしや悪いことをする人がうろうろしてくる

ほとんどは県外から来る方々だとか


被災地の皆さんはもちろんのことボランティアの方も怖いから日が暮れたら外には出ない


前のブログでも書いたボランティア同士のイニシアティブの取り合いが悪化している

対立したり自分の活動を誇示したがるボランティアはモンスターボランティアと現地で呼ばれているそう


ボランティアに行くときはどんな団体で誰と行くかが一番重要と私の友人は言っていました


明日は県庁に行きます

後方支援でできることまだまだ沢山あるはず




















私自身がこの耳で聞いたことまとめます


①私の友人であるNHK報道部の方4/11まで陸前高田入りし取材しました

被災地から直接電話で聞いた内容をここに記します

現地はいまだライフラインが整わずろうそくでの生活、度重なる余震で不安におびえる人々

泊まっていたホテルの壁が余震で崩れ落ちたそうです命を張った報道の仕事

取材中の食事はおにぎりなどの簡単な食事のみ当然避難所での食事もそれに等しい

野菜なども入ってこないので栄養は偏る一方壊滅地域は震災当初と全く変わらない

下着すらいまだ替えられない

市役所も職員も流され行政自体が機能しておらず各地から派遣された職員も何から手をつけていいかわからない

市議会県議会国会議員が被災地を訪れるも激励し帰っていく始末

現地で一番ありがたがられるのは率先してボランティアにあたるNPO団体

避難所の方々がなぜ他の土地に移らないのか?それは行方不明の家族を待っているから

生死が確認できぬ行方不明者が一万人を越えている当然その後ろに家族が居る

家族の安否がわからぬままその土地を離れることはできない当然だ

乏しい食事に避難所での暮らしをしながら毎日家族を探し海岸や瓦礫の中を探し

遺体安置所をまわる日々が続いている

自衛隊や警察レスキュー隊も必死の捜索活動にあたる

病院も流され決定的に医療が足りない精神的なダメージに加えて栄養不足で体調は悪化

栄養がとれないとお年寄りや小さい子供から健康を害していく


NHKは放送を全て震災報道に切り替え全国の報道局員(女性も含め)が交代で被災地に向かっています

NHKは震災の壊滅地域全てに取材班を飛ばし被災地を網羅しています

今後少なくても半年はこの震災体制が続く予定

私が取材依頼の為高松の局に電話したところ報道デスク(報道部で一番偉い人)はすでに福島に取材に出ており

副局長が電話応対をしてくれました

これが何を意味するか

普段電話を受けるはずの部下が総出で被災地に出払っているのです

報道は人手不足これに尽きますそれほどまでに取材するエリアが広く

今回の震災が広範囲で深刻であることは間違いない事実








②東京で被災地の方と連携を取り物資を送っている友人の話で電話で直接話しました

物資は分配が全くできておらず手袋ひとつ配るにも伝票をおこしている市の職員

避難所に300人居て299個の物資が届いたら数が足りないから配らない

などお役所のきっちり仕事が裏目に出ているという

震災孤児は数百人に上りいまだ受け入れ先が整わない

メディアの取材を受けた子供はカメラの前では笑顔で話すもカメラがその場を去ると

嘔吐したり震災を思い出しおびえて泣き出すという






③ボランティア団体みんつなジャーナリストの話

被災地である陸前高田に直接行っています

本人から直接メールでリアルタイム情報が私の元に届きました

電話でも話した内容を含め記します


高田病院屋上より瓦礫の撤去が進む市街地

ほとんど手つか ずの広田地区
NPOみんつなコアチームでは、6日の物資搬入後
長部地区と広田地区を中心に情報収集を行っている
まず問題点としては、「行政が機能していないこと」と、
それによって各地域が動けずにいること
調査中何度も耳にしたのが
「何を支援してもらえば良いのか自分たちにも分からない」という言葉
つまり、現地調査を元に、
ニーズの提案から始めなければならないという現状
それくらい被災地はゼロの状態であると考えたほうが良い
偏った物資支援は返って被災地の負担になることが考えられる
しかし、支援が必要な状況であることは一目瞭然
みんつなは地域との関係を作りながら、少しずつ実のある支援をして行きたいと考えている

現地ではボランティアに関して、受け入れることにためらっている方もいらっしゃる
緊急を要する支援は自衛隊を中心に着々と急ピッチで進んでおり、

また、被災者の方々も協力し合って活動している状態
ボランティアの滞在場所の不足もあり、

長期間車で寝泊まり出来るような方でないとうまくコミット出来る状態ではない

しかし、みんつなでは、現地入りを希望してくださっているみなさんの気持ちを、
少しでも現地と繋げたいと思い、短期滞在でも参加頂ける 「炊き出し」の準備を進めている
現地の状況を鑑みて、少人数になるかと思いますが少しずつ活動を広げていく所存
是非、長い目で関わって頂ければ幸いで緊急支援ではなく、長期支援が必要
見た限りでは陸前高田市市街地周辺の治安は、今のところ問題ないように思えたが、
後方支援の現場では、義援金や募金箱を狙った犯罪が報告されている

今のところ、みんつな関連団体からの被害報告はありませんが
十分に気をつけて頂ければと思います身の安全もしかりです


メール内容ほとんどそのまま記載しました

他現地に向かったボランティアはイニシアティブの取り合いが錯誤し

本来のボランティア活動に支障が出ることがある


行政は全く機能していないそれによって各地域が動けずに居る

被災地に調査中何度も耳にしたのは

『何を支援してもらえばいいのか自分たちにもわからない』

これも当然のことで町ごと海に飲み込まれ瓦礫と化した場所で精神力だけで

なんとか持ちこたえている方々に次を考える余裕がないことは明らかです










最後は私の活動の話


直接行動しこの目で見たこと直接人に会い聞いたこと


被災地以外の土地である西日本は全く日常は変わらない

地方選も始まり選挙カーも走らせる始末

当然市民の意識も震災から選挙に傾き

県や市の対応も遅れている

母の会にて募集を始めた救援物資も前回より集まりが少なく

県や市が救援物資募集を休止した為もう足りているだろうという声もあがる

救援物資よりむしろ募金活動が盛んでメディアや企業も

募金すればいいだろうという趣き

新聞社やNHKニュースで今回の活動を紹介していただき問い合わせがある

高松より丸亀、坂出、ひがし香川などが多い問い合わせ後物資郵送してくださる方も居る

香川県や高松市の輸送協力が得られました

知事から嘆願書とメールの回答もあり行政のバックアップが得られる

ボランティアセンターからも協力しますとの声がかかり力強い

物資協力していただける心ある企業さん米やジュース歯ブラシなども続々と入荷

輸送トラックを出していただけるとのお声もかかるありがたい限りです

なにより家にあるものをかきあつめ幼子の手を引きながらかけつけてくださるお母さん方

ご近所の方仕事の休日をつぶしてまで駆けつけていただける母の会メンバーには本当に頭が下がります

東日本の危機を救う手助けをありがとう

故郷に変わってこの場を借りて御礼申し上げます



メディアや新聞グラフ誌

朝日新聞緊急刊行、サンデー毎日緊急増刊、フォーカス、他

購入しこの目に焼き付けられる数々の写真と言葉に胸を締め付けられる


ペンは剣より強し

しかしまた写真や映像はペンよりも強い

百聞は一見にしかず


被災地に向かった自衛隊、消防隊医療チーム、ボランティア団体、、土木関係者、ライフライン復旧作業にあたる方々、バスやトラック運転される方、行政職員、東電職員の方々、報道関係者、企業団体、身内や友人を想い駆けつけた方、

その他書ききれないけど被災地に行かれた全ての方々に深い感謝と敬意を払います

実際その場に行ってその目でみたことが一番リアルで一番つらいと思います



そして私を含めた被災地に行ってない方は被災地についてどうすればいいかなどと

したり顔で語ってはいけないと少々強い言葉ですがそう思います


私はこの活動を始める一番最初からそのことを肝に銘じてきました

まず語るより前に動こうそして私から語る言葉は現地情報と現地に行かれた方の手記や情報紹介

自身の活動被災者に物資を届ける為の手段と方法に限定しようと


自己紹介文では母が被災している為自分の体験や感情も含め思うままに書きましたが

今はそれすらもはばかられる心境で居ます

こういった方々を前に私がしていることは本当に微力で援護射撃に過ぎません


今日福島原発の消火活動にあたる消防隊員の方のインタビューとドキュメンタリーを見ました

チェルノブイリ原発事故では20名の消防隊員の方が放射能防御服をつけず消火活動をし

土木作業員の方はランニング一枚で汚染した水を浴びながら作業にあたっていました


言葉を失いました


命を前にして人は言葉を失うものなんだと改めて知りました

そういえば息子を出産するとき壮絶な痛みと戦いながら出てくる言葉はありませんでした

大切な友人が亡くなったときもしばらく誰とも話したくも会いたくもありませんでした

自宅前が火事になったとき誰の言葉も耳に入りませんでした


世の中には人のために命をも顧みず走れる人間が居る

そういった方たちは決して語らず

目の前にあることに無我夢中で取り組んでいらっしゃる

そこには保障も逃げ道もない言い訳すら存在しない世界


そういった世界に自分自身が身を置いていなくても

痛みや状況を想像することはできます

ただその想像の千倍くらいのことが現地では起こっているので

その想像を含めた意見を口にすることなく動くことが重要だと私は考えます


いま現在世の中であたりまえでないことが起こっています

だからあたりまえのことをしていてもどうしようもないのです


日常や仕事、組織や人とのつながりはそのままでいいし、それを保たなければいけないけど

乱暴な言い方ですが自分が今まで持っていた価値観は一回ぶっ壊さないとだめだと思います


わたしは争いや口論は現時点では一番の無駄だと思うので

自分と違った価値観の方にお会いしても肯定的にお話したく

できれば共に手をつないで行動していきたいと考えています

ただ自分の立場や周りを気にされる”まず保身”の方があまりにも多い

もちろんそれは本能として当然だし、自分の身を守ることが誰かの命を救うことにもつながる

でもそれが過剰なのです


私がこの活動を始めたときある方に言われたことばがあります


『人を救いたいならまず自分が身を挺して動かなければだめだ』


ばっちりと目が見開き心のど真ん中につきささりました


自分はなにを思いどう行動するのか


できるかできないかではなく

やるかやらないか


すべてはそこに尽きます


ボランティア団体みんつなの創始者佐藤さんの言葉も響いています


誰がインセンティブを取るかは問題ではない

被災者の皆さんを救いたいだけ






ありがとうございました