Life goes on... -4ページ目

『批評』を読んで。


―大分のメインスポンサーの場合はペイントハウスが相模原でマルハンは京都が本社でした。あえて、縁もゆかりもない場所から、地方のクラブがスポンサーを見つける上で、ここをアピールしたらというアドバイスはありますか?


溝畑「いろんな経営者とお会いして1つだけ共通したことがあります。クラブに対する想い、情熱ですね。やっぱり命がけでやっているのかどうか、それがまずひとつ試されるという。私が常に言われたのは『お前、これ命がけでやっとるのか』と『死ぬ気でやってるか』と。正直言いますけれど、ペイントハウスの社長さんにお会いした時には、めったにそんなこと触れませんけど、自分の家族を犠牲にしたこととか話しました。それこそ、トリニータが出来てから、今日が548試合目なんですが(取材は5月25日ナビスコカップの午前中)、そのうち546試合、私は帯同しています。2試合親族の不幸のときだけ行けませんでした。・・・(略)経営者の方にはどれくらい努力しているかを、まず聞かれるわけです。で、次にはなぜこの仕事をお前はしているんだと。やっぱりこのクラブの行く末を見たときに、どんなに弱くても絶対に捨てていない目標というのは、日本一なんですよ。なぜその目標を持っているのかを熱っぽく語って。『一緒に戦いませんか?』とお願いします。費用対効果、広告効果というものを超えた世界で、このクラブに対して協力しようと、そういう胸中になっていただくためには、こちらも身体張るしかないんです」
(『季刊 サッカー批評 issue39』p.p23 [地方クラブの道標]より一部抜粋。聞き手は木村元彦氏)


学校帰り。緑色の電車内。椅子に深く腰掛けて今日発売の『サッカー批評 issue39』を読んでいると、上記の一節にぶつかる。涙がこみ上げて来る。不覚。

何気なく書かれた〈トリニータが出来てから、今日が548試合目なんですが〉の部分に、言葉の本当の意味で感動したんだ。そんなこと普通知らないって。。
イングランド・プレミアリーグを引き合いに出すまでもなく、「金」が幅を利かせる昨今のサッカー界において、彼のような経営者が存在することが何より嬉しい。

少しロマンティシズムに寄りすぎ?いや、そんなことはないだろう。





溝畑宏。大分トリニータの創造主。
東大卒→自治省(当時)。出向先の大分で「トリニティ」(企業・行政・住民の三位一体の意)という一大プロジェクトの立ち上げに参加する。
ちなみに、このお方、大分に何の縁もゆかりもない人間である。 


県庁主導の下で、クラブ〈大分トリニティ〉が任意団体として産声をあげたのは、発言(※)から約1ヶ月後の94年4月。・・・(略)知事発言に集約されるように、〈トリニティ〉の成立は初めにW杯誘致ありき ― プロチーム誕生を渇望する民意ではなく、行政による、いわば逆転からの発想。その船出は他のJクラブと比べても異色であり、また困難を極めた。
(木村元彦著 『蹴る群れ』p.p172-173より一部抜粋)
(※)「2002年の日韓W杯招致のために、地元にサッカークラブを作りたい」という、当時の大分県知事である平松守彦氏の発言を指す。


米国でW杯が開催された1994年、登録選手5人、サポーター3人からスタートした「大分トリニティ」を、現在の地位まで押し上げた存在。


年間予算はJ1でも毎年最下位を争うほど。何度も経営危機に直面し、そのたびに最前線でスポンサーの支援を取り付けてきた。県からの公的資金の注入を受け入れたこともあった。一方で、クラブの「旗頭」として常に批判の矢面に立ってきたとも聞く。





―地方における商圏エリアの開拓と地域密着のメソッドについてお聞きしましょう。これを遂行するには、フロントのスローガンや理念提示以上にまず選手がどれだけ理解して協力してくれるのかというのが大きいと思うんです。

溝畑「トリニータの場合スタジアムから半径50キロでどれだけ人口があるのかと言えば、大分は70万くらいなんですよ。浦和は、約1000万人でしょうか。1000万人の中から、5万人のお客さんを集めるのと、70万人のなかから2万、3万集めるというのはやり方もアプローチの仕方も違ってくるんですよ。だから、他のクラブ以上に、サポーターに対して地域密着をしていかなければならない。(以下略)」
(『季刊 サッカー批評 issue39』p.p26 [地方クラブの道標]より一部抜粋。聞き手は木村元彦氏)



これは、大分生まれ福岡育ちの僕自身、ずっと思ってきたことである。


今住んでいるのが埼玉、ちょっと前までは横浜に住んでいたが、「人の密集具合」は大分のそれと比べるべくもない。人集め自体、至難なのだ。

そもそも、「ハコ」があるから自然と客が来る、というものでもない。
目の前のコンテンツがいかに魅力的であるか、全面的にアピールしていかなくては顧客は見向きもしない。 ハード・ソフトの充実、まさに車の両輪。

そのために、フロントの人間含め、トリニータに関わる人間は東奔西走を余儀なくされる。
勿論、トップの人間も例外ではない。


「溝畑が鍛えし大分のフロント陣は芸達者が多い。責任企業を持たない大分はスタッフ全員が営業マンでもある。スポンサーを前に芸無しでは生きていけない。生きていく資格もない。」

「先ほどから溝畑が口にしているのはビールでも焼酎でもなく、ジョッキに入ったカボスジュースである。ここ10年の酒席での狂ったような営業活動が、肝臓をボロボロに壊していた。」
(『エル・ゴラッソ』 2006年5月6日号より一部抜粋)


少なくともここ数年見ている限りでは、大分トリニータのホームゲームには常時2万人近くの観客が『ビッグアイ』(トリニータのホームスタジアム「九州石油ドーム」の愛称)に足を運んでいる。

この事実は、本当に価値のあることだしもっと注目されてもよい。

そんなに有名な選手もいないし、やってるサッカーも決して華やかなものではないけど、シャムスカ監督の下で全員がハードワークして必死こいてサッカーしてる、ってとこにいたく共感しているんだろう(僕もそうだ)。その思いが県民をスタジアムに向かわせる。
(「田舎モンはどうせ楽しみが少ないから、こういうハレの舞台にみんな寄って集ってくるんだろう」という意見は、この際受け付けない笑。)


「トリニティ」


発足は半ば強引な行政主導だったこのクラブが、ようやくその言葉を咀嚼し始めているのかも知れない。





例えば、今年8月に開催される北京五輪。この大会に挑むU-23日本代表、大分トリニータの選手たちが「センターライン」を担うであろう、という事実は溝畑氏含めたフロント、そして現場の人間の功績を何より雄弁に物語る。

西川周作(21)はこの世代において、「正GK」としてのポジションを確固たるものとしたし、DF森重真人(20)も先日のトゥーロン国際でセンターバック・サイドバック・ボランチとマルチロールプレイヤーとしての真髄を発揮。見事、反町監督のお眼鏡にかなった模様。元トリニータ(現浦和レッズ所属)の梅崎司(21)も恐らく最終メンバーに残るはず。今季前半、トップ下のポジションで大車輪の活躍を見せた金崎夢生(19)にも、まだまだ召集の可能性は残されている。


「外から買えなければ、内で育てる」

まさに、中堅クラブのお手本である。

例えば、ヤマザキナビスコカップ。
先日、クラブ史上初の決勝トーナメント進出を果たした。

強豪クラブのファンからは一笑に付されそうな話題だが、トリニータにすれば本当に大きな一歩。
そう。「千里の道も一歩から」。


「たとえいつかJ2に降格することがあっても、大分が未来に向けて、今後も100年、200年と続いていける土台を作る。これをもって溝畑宏の使命は完了すると思っています」
(『エル・ゴラッソ』 2006年5月6日号より一部抜粋)


自分も、このチームをずっと応援し続けていこうと固く心に誓った、火曜日の午後でした。

(=写真、すべて大分トリニータHP より抜粋=)

思考はカラダを超えられない。

バイト先より。

中国大地震の影響で、お仕事の量がとんでもないことになってる(>_<)

それにしても、ここ数ヵ月でのアジアの人間の減り具合は半端ないっすね(ミャンマー・サイクロンに四川大地震)





今日の日経夕刊、コンドルズ・近藤良平さんのインタビュー記事は良かったなぁ。

「目的のない動きの方が豊かだし面白い。遊び心を持って身体を動かそう」との持論を展開する。


…(略)ブエノスアイレスにいたころ、毎週土曜が「サッカーの日」だった。パレルモ公園という巨大な公園で、子供から大人まで、みんなサッカー。子供ながら「大の大人が夢中でボールけ飛ばすのっていいなあ」と思っていた。その延長線上にコンドルズもある。「大の大人が」と思われそうな舞台だからね。
日本でも、例えば毎週火曜の午後五時から六時は何もせずに目をつむる、などと決めるのも一案かもしれない。でも少し前に比べると、街で人を眺めていて良くなったと感じる。オープンカフェって、以前はオシャレして気取って行く場所だったでしょう?でも最近は、目的もなさそうにぼんやりしている人を見る。そんな光景に希望を感じたりするんだ。
(5/14 日本経済新聞 夕刊18面より一部抜粋)


最後の件(くだり)なんか特に秀逸。好きだなぁ、こういう良い具合に肩の力が抜けた大人。日経にこういった記事が掲載されることに、僕は希望を感じる笑。

コンドルズ公演、行ってみようかな?

at a loss...



☆本日の1曲☆

山下達郎 『ANGEL OF THE HEART』

http://jp.youtube.com/watch?v=rzxpRQoy9uA



優しい光が、降り注ぐことを願って。

(=写真、candy撮影=)

ユライ花。



☆本日の1曲☆

中孝介 『花』

http://jp.youtube.com/watch?v=D9_oBUR5ND8


中孝介(あたりこうすけ)。


「地上で、最も優しい声」を持つとされる、奄美大島出身の島唄歌手。

現在、世界的カジュアルブランド“Gap”の2008年春のキャンペーン・モデルとして、日本全国のGap各店舗の店頭でビジュアル展開されてるんで、彼の顔を見たことある方も多いのでは?



先日、用あって渋谷から東横線に乗車したときのこと。


自分は席が空いてなかったので仕方なく立ったのですが、目の前に、なんとも東洋的な、実に彫りの深い顔の男性が。。


3秒間じっくり確認して、結論「中孝介だっ」。


最近無意識に『花』を口ずさんでいたので(笑)、結構驚きました。

こういう出会いもあるんだな、と。 (実際、この日彼はテレビ神奈川『SAKUSAKU』の収録の為、横浜に向かっていたようです)




もしもあなたが 雨に濡れ

言い訳さえも できないほどに

何かに深く 傷ついたなら

せめて私は 手を結び 風に綻ぶ 花になりたい 


もしもあなたの 夢破れ

行き先のない 日々は暮れゆき

信じることさえできなくなれば

せめて私が 声にして 明日に揺蕩(たゆた)う 歌をうたおう 


(『花』より一部抜粋)




補足。同時にM橋にも車内で遭遇。

こっちは、なぜ出会ってしまったのでしょうか?笑


(=写真、candy撮影=)

ばいばい。



お前ともお別れだね、ポチ。


ゴルフ場の玄関前で、毎朝たるそうにだらーんと座り、加えていつも素っ気無い態度。

今日もやっぱり素っ気無かったなぁ。でも、頭撫でたらめずらしく舐め返してくれたー!


なんか無性に寂しくなってきたじゃん。

お前の顔見たら、必ず「ポチ」って聞こえるか聞こえないかの声で言ってたんだけど、気づいてた?


ツンな君は、ほとんど振り向いてくれなかったね。

でも、そんな些細なやりとり(こっちが勝手にひとりでやってることだけど)が無性に嬉しかったんだよな。。



一人暮らしの家には、たくさんの人が来てくれた。


サークルの友人、バイト仲間、ゼミの人、恋人・・・。

本当にいろんな想いが詰まった一人暮らしの部屋とも、今日でお別れ。


ばいばい。