彼女がその名を知らない鳥たち | MusiCinemania by Uzo★mUzo

彼女がその名を知らない鳥たち



映画2017/10/28
CD2018/04/25

監督 白石和彌
原作 沼田まほかる
脚本 浅野妙子
音楽 大間々昴

出演 蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊、
赤澤ムック、中嶋しゅう、村川絵梨、赤堀雅秋

(あらすじ)

十和子(蒼井)は陣治(阿部)と同棲中。
金銭的な面倒を見てもらい、
献身的に尽くしてくれる陣治だが、
15歳も年上のガテンで野卑な彼が気に入らず、
罵倒して暮らしている。

彼女はかつて交際していた黒崎(竹野内)のことを
恋しく思い出していた。
十和子は彼に酷いDVを受けたことがあり、
姉・美鈴(赤澤)はそんな十和子を注意し、
陣治を大事にするように諭している。

あちこちにクレームをつける十和子は
それがきっかけで
デパートの社員・水島(松坂)と出会い、
不倫の関係を始める。

十和子の変化に気がついた陣治は
彼女の尾行をし、
それを知った十和子は彼を更に嫌悪する。

そんな中、酒田刑事(赤堀)が
十和子を訪ねて来る。
十和子が久々に黒崎の携帯に電話してみたからだったが、
黒崎は五年前から失踪しているのだと言う。

十和子は
黒崎の失踪に陣治が関わっているのでは?と考え始める。

(感想)

なんとなく内容がわかる感じだったけど、
白石監督作品なので観賞してみた。

端的に言えば
メンヘラクソバカ女とアホ男たちの話。

性の貢ぎ物にされた上に
結婚もしてもらえず、
DVに遭いながらも
まだ黒崎が忘れられなかった十和子。

その後、
十和子にひとめ惚れした陣治と同棲しながらも、
久々に黒崎に呼び出されて嬉々として出向いた十和子は
彼がまた自分を利用しようとしていることに気がついて
彼を殺し、記憶をなくす。

事態に気がついた陣治が
死体の処理をしていた。

陣治は盲目的に十和子を愛していた。
十和子を案じ、
水島に嫌がらせを始める陣治。

水島には妻と離婚する気などさらさらなく、
そのことに気がついた十和子は彼を刺す。
跡を尾けていた陣治がそれをフォロー。

十和子はそこで記憶を取り戻す。

種なしの陣治は十和子を孕ませることは出来ないので、
まっとうな男の子供を妊娠して
自分を産んでくれ、と言って自殺する。

無数の鳥が羽ばたく中で(→作品名の意味がわかる)、
自分の本当の恋人は陣治であったことに気がつく十和子。

という展開。

男の愛の形と、
女の愛の形の違いがくっきりわかる。
父性と母性の違いと言ってもいいかも知れない。
極端すぎて気持ちが悪いところがあったけど。

どの俳優も
なぜ出演したんだろう?と思うくらい
共感出来ない
救いのない嫌な人物を怪演している。

桃李も竹野内もろくでなしだが、
桃李の演技力が光っていた。彼はいい。
公園でフェラさせるシーンは
ろくでなしの極致だった。

盲目的な陣治は
自分には彼の思考はわからないが、
こういう男はいそう。
阿部が本当に卑しく汚らしく、
嫌になるくらい優しく演じていて
悲しかった。
彼が演じたことで救いがなかった。

男からすると、
十和子はありがたいバカ女。
(だから普通の人だったら惚れないのだ)
こういう女いそうだけどね。
蒼井が演じていたから
まだ観ていて救われたけど。
この作品で
蒼井は脱ぎ時期(どき)だったと思う。
いつか脱ぐならこの作品だったような気がする。自然だし。
見たい裸ではないけど。

十和子の姉も含めて(演じたムックは今後注目)、
こういう人たちがいそうな世の中って
どうなんだろう?って思ったなぁ…
で、当人同士しか知らないことで
こんなことがある人っているのかもなぁ、って。

最後にフラッシュバックで一気に
十和子と陣治のこれまでを描くわけで、
これで感動を呼び起こそうとしているんだろうけど、
そこだけ急にベタベタしすぎな印象になって、
ないほうが良かったかな。

もうどんな映画を観ても
最近は新鮮味がないんだけど、
日本映画で久々に俳優の演技を堪能したって気はした。

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サントラ





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