金曜電信 vol.19 【トランス サタニアン】 | toeの占星術的視点

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私は1999から西洋占星術に関わっています。リーディングでは、その経験の中で見えてきた各テキストの解釈の裏にある共通点のようなものを大切にしています。このブログでは、その視点による占星術の記事を紹介していきます。



【トランス サタニアン】


土星外縁の感受点(トランス サタニアン)、天王星・海王星・冥王星を説明します。


年齢期は天王星71歳から84歳、海王星85歳以上、冥王星は死の瞬間。ホロスコープの周期は天王星約84年、海王星約164年、冥王星約248年。


つまり天王星の周期でさえ、人の一生の中でギリギリ一つの仕事を終えるか終えないか、これでは人が天王星の感受点がもつ課題を理解することや克服することは不可能です。他の二つに関しては人が生きている間は、その生命力が何のために働いていたのか気づくこともできません。


土星は殻によって内側と外側とに境界を設けます。つまり外側とは土星が規定した枠組みなのです。ですからトランス サタニアンはその名の通り、外側(規定された)より外側という意味です。トランス サタニアンの感受点とアスペクトやトランジットで他の感受点がかかわる時、人は個人や時代を超えて息づく生命力によって翻弄される人生を送ることになります。


人によっては、まるで歴史の潮流に乗り、時代の寵児のように持て囃されもすれば、世界の変容に抗えず、時代の生贄として名もなき犠牲者にもなりえます。それは善悪の彼岸であり圧倒的で絶望的な無常観でもあります。ちなみにこの無常観を受け止め、保護して影響を濾過するフィルターの役割を木星がします。


またそこまで大きな話でなくても、暮らしている社会(外側)の外側を暗示している場合もあります。例えば、外国や精神世界、宗教団体や犯罪組織。もっと下世話な例では浮気の暗示もあります。


天王星は社会のルールでは測れない視点、時として普遍的本質をついた考え方や行動に生命力が活用されます。天王星の生命力は先進的で、現社会では受け入れられにくいのです。


海王星は、世界を変革する生命力である冥王星の力が太陽系内で具現化したものであり、未だ到達していない形なき未来の形として芸術や夢の中などで表現される生命力です。


冥王星は万物流転や諸行無常の理をもって、破壊と再生の禊により世界を変革する生命力なので、個人の行動や思考に現れる時は迷いや躊躇がない極端な行動として現れます。しかも本人はその目的や意味も分からず巻き込まれます。人が冥王星の生命力の意味を知ることはできないので、ただ極端な行動や衝動に振り回されるのです。


バースチャートのアスペクトにしろトランジットにしろ、他の感受点を経てトランス サタニアンの生命力が持ち込まれる時、本人や社会の善悪、倫理観や損得勘定を超えた流れに巻き込まれる不条理な経験をします。