梅毒は、梅毒トレポネーマ(トレポネーマ・パリダム:Treponema pallidum)という細菌に感染して起こる感染症です。

感染経路は、感染者との性行為による直接の接触や、妊娠中の感染者から胎児へと感染が及ぶ胎盤感染があります。

梅毒トレポネーマは、HIVウイルス以上に感染力が非常に強いと言われています。

感染者の血液や体液には、大量の梅毒トレポネーマが存在しているため、粘膜同士の接触や微細な傷口がある場合には、高い確率で感染が起こると言われています。

また、HIVウイルスとの重複感染を起こしている割合も高く、新規の梅毒患者の6割以上がHIVウイルスにも感染していると報告されています。

性行為における感染は、コンドームを着用する事によって感染を予防する効果はありますが、100%完全に防げる訳ではありません。

また、感染直後の潜伏期間には症状が現われない事や、口腔内に感染が及んだ場合には、舌や喉の奥の病変に気が付きにくいため、感染に気が付かないまま病変が全身に及んでいたり、他の人にも感染を広げている場合があります。

医療機関で正しい治療を受けていても、ペニシリンなどの抗生物質を長期に渡り使用する必要があるため、薬の量を減らしたり中断する事によってなかなか治らなかったり、薬への耐性菌が繁殖して治りにくくなる場合があります。