禅を学ぶ中で、一つ分かってきたことがあります。
困っているときに必要なものは、「答え」ではないと。
苦しい時には、何かいい解決策がないか模索します。
これは、ビジネスでもスポーツでもいっしょです。
コーチングのセッションをしていると、経営者やアスリートからアドバイスを求められることがよくあります。
以前は、いいアドバイスをしようと心がけていました。いっしょに答えを出そうとしていたのです。
もちろん、解決策を模索することが必要なこともあります。答えを出そうとすることを否定はしません。
しかし、手っ取り早い答えを求めるときは、心が浅くなっています。浅い心だと、浅知恵になってしまいます。
自分が見えていない状態で答えを出しても納得できません。また、別の答えを求めるだけです。
本当に必要なことに出会うには、もう少し深く自分を見つめられるか。
自分に何が起きているのかに気づくことで、自然に心がクリアになっていきます。
そして、少しずつ自分が見えてくるのです。
自分が見えてくると、必要な「気づき」がやってきます。
この気づきを積み重ねていくことで、自然に方向性が見えてくるのです。
メンタルトレーニングで選手にとって必要なのは、「答え」ではなく「気づき」なのです。
週刊ゴルフダイジェストに連載中のメンタルトレーニングのコラム「禅の境地へ」第159回のテーマは「自問自答力をつけましょう。心の中の自問自答は、答えよりも問いが大事」です。