うちの会社は「どベンチャー」企業。
それゆえ、会社のあるべき姿として、整備されてなければいけないことも、手つかずのまま荒れ放題だったりするのが現状だ。


人材も、能力にかなりのバラつきがあるように、駆け出しの私の目からも、見える。
大切なのは、個々のレベルの底上げをし、ある程度のスキルの均一化をしていくこと。
できない人を、できないままにしておかない、ということらしい。


そんなある日、我らがボス(会長)から、社内のガバナンスを強化せよに指令がKさんに回ってきた。
そこで、あわてて、即席ガバナンス委員会を設置。
私も、そこに参加するように言われた。


今回の目的は、
1)各自のモチベーション管理
2)ミーティングにおける最低ルールの適用
3)チームの意識統一
などである。


現状では、「デキる人」と「デキない人」の差に乖離がある、とKさんは見ていた。
それと「デキるようになりたい人」「このままでいい人」にも分けられるのでは?というのも彼女の見方だった。


そこで、彼女が言ったことは
K氏「オトコはプライド高いからね~。これを間違えちゃいけない。
どんなに仕事デキない男でも、プライドは高い。そこを踏まえないと、めんどくさいことになるんだよね」

私「プライド…?」
キョトンとしていると、

K氏「それを無視して失敗した女はいっぱいいるからね~」。


男のプライドが高いなら、高いままにしておいたほうがよい、というのがKさんの持論だった。


「あなた、仕事できないですよね?」と言われて嬉しい男はいない。

「あなた、できるんだから、もう少しやらない?」
「経験も豊富だから、当然わかってるでしょうけど、今回はこうやったほうがいいかも」
そんなニュアンスで彼らを乗せていくことのほうが、よっぽどいい結果につながる、と言うのだ。


私にはピンと来なかったが、その日の会議でのK氏を観察してみた。

うまい。さすが。こういうところか~、と腑に落ちたところがたくさんあった。
会議が活き活きしてるし、スムーズに事が運んでいる。

なるほど~。


デキるオンナはオトコがプライドが高いことを知っている。
プライドが高いからそこをうまく活用し、自分の実力を発揮できる環境作りを手伝ってもらう。

それを踏まえないでガツガツいってしまうオンナは、結果的にオトコを敵に回し、せっかく実力があったとしても、発揮できるフィールドを失ってしまう…。
それほど男の嫉妬は深い、というのもKさんの経験値のようだ。


なるほど~。仕事とは実力だけではいけないのだ。
それを発揮できる環境を創るのも実力のうちなのだ。
環境。環境を整備する力。それこそが一番重要なのかも知れない。


『デキるオンナとは、オトコ社会において、オトコに対抗することではない。
時には母のような寛容さで接することも必要だ。自分のチカラを発揮できる環境整備もできなければ、デキるオンナとは言えないのである』