高齢者介護現場で働いると、

普段の生活ではみんなが避けている「死」について話すことがあります。

自分の意思で施設に入所してくる人の多くは、

施設で自分の最期を迎えるというのをしっかり理解している人たちなので、

自分の死から目を背けず、しっかり考えているんだなと感じる場面が時々あります。

 

 

先日、利用者の1人が体調不良で早めの就寝をしました。

そこへ家族が電話で話したいと連絡があった為、利用者に伝えに行くと、

「体調悪いし、疲れてて眠たい。」と言われたので、

「明日にしてもらいますか?」と聞くと、

「明日生きてるか分からないから話した方がいいかな。」と言い、

その後、疲れている中、頑張って家族と電話で話をしていました。

施設に入所している人のほとんどは、健康状態が良いというわけではないので、

この利用者の言った「明日生きているか分からない」という言葉は、

とても重たい意味があるなと思いました。

 

「明日生きているか分からない」

これは、高齢者に限らず、

私達生きている人間、誰にも分からないことです。

高齢者介護をしていると、私たちの大先輩である高齢者の方々が自分の人生を使って、

死が迫る中での人生を強く生きる為の知恵や道を教えてくれているように感じます。

 

 

高齢者介護は、いつ終わりが来るか分からないし、

認知症や重度介護などで辛く苦しいことも多いですが、

高齢者の最期を介護することで、

生きることの大切さや、小さな喜びに感謝することを忘れないということを

思い出させてくれる素敵な仕事だと、私は感じています。