介護に関するニュース記事を読んでいたら、1年前のものですが少し気になる記事を見つけました。
Äldre har gått ner i vikt på boende - personalen åt deras mat
ニュース記事のタイトルは
「介護施設の利用者の体重が減った - 職員が彼らの食事を食べている」
あの~・・・タイトルだけ見たら、
職員が利用者の食事を食べちゃったから利用者の体重が減ったと読み取れるのですが・・・。
なにがなんでも介護職員を悪者にしたいというタイトルだなぁと感じました。
高齢者の多くは、体調によって食事の量が大きく変わります。
あと、運動量が減ったり、認知症などの理由で、お腹がすいているという感覚も分かりにくくなるので、
食事を食べたくないと意思表示されることも多いです。
そんな中、介護士は、何とか1人前食べてもらおうと試行錯誤するのですが、
相手がもう食べない!と口を開けて飲み込んでくれなければ、無理矢理は行いません。
そんなことが続くと、利用者本人の胃も小さくなり、
いつも以上の量を食べると吐いてしまうということもあります。
そうすると、長い年月で見た時に、体重が減っているということはあります。
定期的な体重測定を行っていて、体重が減っている利用者にはいつも以上に食事に気を使います。
ただそれでも、食事量が減った利用者に今以上食べてもらうのはかなり難しいです。
本人の食べたい意思を尊重することも介護をする上で大切なことですから。
なので私たちが食事介助をしていていつも葛藤するのは、
食べさせなければ体重が落ち、ADLも落ち、死が近づく。
でも、無理矢理本人に食べさせるわけにはいかない、ということです。
間食を増やしたり、利用者の好きなものを提供したりはしますが、
それでも、本人が食べたくないと意思表示が出来る人であれば、それ以上はやはり無理です。
この記事を書いた人は、本当に高齢者の特徴を理解した上で記事を書いているのでしょうか・・・。
職員が食べたというのは、利用者の食事が終わった後に、余った食事を捨てるくらいなら・・・という意味で、
職員が余った破棄されるご飯を食べたという意味だと思うのですが、
(そこは記事の内容で少し弁解してくれてはいますけど)
この記事のタイトルを見る限り、真実からかけ離れた誤解を招く書き方だとは思います。
高齢者介護をするには、高齢者の特徴を理解する必要があります。
高齢者介護の知識が無い人からすると、介護者と高齢者の食事時のやり取りやかけ引きを知らずに、
「体重が落ちた=介護者がちゃんと食べさせていない」となり、
一般的に考えて「これはヒドイ」となってしまうのかなと思います。
もし本当に職員が利用者のご飯を全部食べたというのなら話は変わってきますが、
それが事実とは異なっていることや、高齢者の特徴を調べずに記事を書き、
今以上に介護士のステータスを下げるような書き方は正直やめて欲しいです・・・。