先日研修に行った時に、とても倫理学的な質問をされました。

 

「スウェーデン人高齢者が、スウェーデン人介護士の介助を受けたいと言った場合、

この高齢者はスウェーデン人介護士のみによって介助を受けるべきか?」

 

皆さんはYesですか、それともNoですか?

(下の私の意見を読む前に自分の中で「Yes」か「No」か決めて記事を読んでみてください^^)

 

YesかNoを選べと言われたら、私自身はYes寄りになります。

ちなみに、この時、私以外全員はスウェーデン人で、私以外の全員はNoでした。

スウェーデン人がYesにいたら「差別だ~!」と言われそうですが、

あの場で、唯一外国人である私がYesにいたことで、、

みんな「なんで外国人のあの子がYesなの?」みたいな雰囲気になってました^^;

その後、この質問について討論されることもなく、みんなが触れてはいけない話のように、

次の質問へサッと変えられてしまいました。

私的には、利用者の気持ちになって話をしてみたかったのですが、

こういう話は差別的になりかねずタブーな感じがあるので、スルーされましたね^^;

 

 

自分が外国人としてスウェーデン人高齢者を介護する中で、

実際、スウェーデン人に介護されたいということを何度も言われてきました。

そして、その時にその高齢者の気持ちを考えたら、「まぁそれが自然な感覚だよなぁ」と毎回思います。

特に思うのは、大きなイベント事の時。

イースター、夏至祭、クリスマスなどの時は、この料理は必ず食べる、この物は欠かせないなど、

それなりにイベントを楽しむ気持ちがあります。

日本で言う、正月におせち料理を食べるというような感じでしょうか。

もし文化や言語をあまり理解していない外国人介護士がやってきて、

お正月に、お雑煮やおせち料理の代わりに、スパゲッティが出てきたら

がっかりするのは自然な気持ちだと思います。

そうなってくると、やっぱり言語や文化を理解している、

「スウェーデン人」が良いとなるのは自然ではないかと。

 

ただ、現実は、スウェーデン人が介護士になりたがらないので、

スウェーデン人介護士がいないというのが現状で、質問のように「スウェーデン人が良い」と言われても、

「今はスウェーデン人介護士がこの施設にはいません」と言ったところでしょうか^^;

 

スウェーデン人に介護されたいと提案するのは利用者の自由だと思います。

介護を受けるのは利用者ですから、もしその提案が可能であれば、

利用者が心地よく介護を受けれる状況を作るのも大切だと思っています。

実際、最近はスウェーデン語が出来ないシリアやイラクの高齢者がいて、

アラビア語を話せる職員のみが対応していることもあります。

日本では、外国人介護士があまりいないので、こういう状況にはならないのかもしれませんが、

アメリカなど多くの文化や民族が混ざっている所では、

「アメリカ人」に介護されたいという提案があるのかなぁと気になります。

将来、私自身がスウェーデンの施設に入ることになって、そこへ日本人介護士が来たら、

言語も通じるし、文化も気持ちも理解してくれるからと言う意味で、

やっぱり出来るだけその日本人介護士に介護してもらいたいと思いますから。

 

 

かなり倫理学的な質問なので、答えは1つではないですが、

皆さんはこの質問に対してどういう考えを持っていますか?