北欧の歯科衛生技術と知識は、やはり他国に比べて進んでいるなぁと感じます。
前にも「歯の健康」で少し歯について触れましたが、
この間「口腔ケア」についての研修があったので、
忘れないうちに学んだことを書いておきたいと思います。
(とは言っても、1時間と短い研修でしたが^^;)
介護士にとって、介護をしている中で難しいなぁと思うのが、この口腔ケア。
特に、認知症のある人に対して口腔ケアを促すのは至難の業。
入れ歯の場合は、口の中から出して洗うだけなので、清潔を保ちやすいですが、
自歯のある人は、歯磨きをしっかり行わなければなりません。
ただ、大人になってまで他の人に歯磨きをしてもらうというのは抵抗があるようで、
口を上手く開いてもらえなかったり、歯間ブラシを使おうと思っても、痛がって嫌だと言われたり、
意思疎通の難しい人はうがいができず、うがいの水をそのまま飲みこんでしまったり・・・。
研修中に歯科医の先生が教えてくれたことは、
「そういう時は、白い白衣を着てみてください」ということでした。
「白い白衣=医師」というのは高齢者の頭の中では良く出来ている構図らしく、
私たちのような普通の介護士が、マスクをして白い白衣を着ただけで、
雰囲気ががらりと変わるので、介護士として歯磨きをしようと思ってもさせてくれなかった利用者が、
「先生、今日のご用はなんでしょうか?」と言って、素直に口を開けてくれるそうです^^
他の認知症棟で実証済みだそうで、今度試してみたいと思います^^
そして研修中に口腔ケアの注意点で口うるさく言われたことは、
歯周病、口腔カンジダなどが、肺炎、脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こすというものでした。
特に肺炎は、口腔内の細菌が肺に運ばれるので、せっかく抗生物質を使って肺炎が治ったと思っても、
口腔内の細菌を排除しなければ、またすぐに肺炎になります。
そして、糖尿病利用者の場合、口腔内で歯周病などがある場合、
体内の免疫力が口腔内に使われてしまい、体の他の部分まで免疫力が使われず、
血糖値が安定しなかったり、他の病気の合併症を引き起こしやすいというものでした。
口腔ケアをしっかりするということは、自歯を維持することだけではなく、病気からも守ってくれるんですね^^
・・・かと言って、それが頭では分かっていても、
利用者の口腔ケアをするのは、また別問題がいろいろあるので、難しいです。
とりあえず、うがいの必要ない歯磨き粉を使って歯磨きと、歯間ブラシは出来る限り行うようにしています。
そして、高齢者の口腔ケアで大切なのが、乾燥を防ぐこと。
口腔粘膜の乾燥を防ぐためのジェルを塗ったり、錠剤を舐めてもらったり、スプレーをしたりと、
いろいろなアイテムがあるので、それらを本人の状態に合わせて、上手く使い分けながら、
毎日の口腔ケアで、口腔内をチェックしています。
病気になりやすいなぁと思ったら、一度歯医者に行って、
口腔内をしっかりケアしてもらうのもいいかもしれませんね^^