ある日の昼のお話。
外部からからの電話に出ると、「警察ですが・・・」と言われる。
ん?私何もしてないぞ!と思った次の瞬間、
「OOさんは、そちらにお住まいですか?」と聞かれる。
話を聞いていくと、どうやら施設の利用者が、散歩中にバスに乗ろうとしたらしく、
受け答えが少し変だと感じた運転手さんが警察に連絡したらしい。 なるほど・・・。
すぐに迎えに行きますと返事をして、数分してバス停へ行くと、利用者とパトカーと警察官2人。
「どうしたんですか?」と聞くと、上記のことを話してくれた。
利用者本人に理由を聞いてみると、毎日施設でも話している、
自分の昔のアパートがあったエリアへ行こうと思ったと。
私は、「そっか。でもバスに乗るには、今はお金じゃなくて、バスカードを買わないと乗れないんだよ」
と説明すると、利用者も納得。
そこへ、警察官に「なんで、この人は一人で外出してるんですか?付き添いは?」と少し怒りぎみに聞かれる。
その質問に一瞬イラッとした私は、
「外出したい利用者を閉じ込めておくことはできません!それに私たちも24時間付き添えるわけではありません!」と答える。
なんとな~く不満そうな警察官2人。
その後、警察官にお礼を言って、
「綺麗なお姉ちゃんたち(2人とも女性警察官だったので)に会えて良かったなぁ~」と呟く利用者と一緒に家路につきました。
<この場合のそれぞれの考え方>
警察官目線
「なんで、歩行が不安定でお金を持っていないし、バスの乗り方も分からない利用者を一人で外出させておくのか?」
私目線
「歩けるし、自分の住んでる場所や状況もちゃんと説明できるから、少し物忘れがあっても外出したい本人の意思を尊重しよう」
利用者目線
「OOに行きたいなぁ。でも、行き方がよく分からないから、人に聞いてみよう」
この話を聞いて100人に聞いたら100通りの答えがあると思いますが、
私はどちらかと言うと、自由を優先したいタイプの職員なので、
利用者が歩ける、人とコミュニケーションができるうちは、率先して外出してもらうように協力しています。
私たちの仕事は利用者を守ることも含まれていますけど、
生まれたての赤ちゃんのように24時間付きっ切りで見ていられるわけではありません。
相手は成人した大人ですので。
警察官に付き添いの話を振られた時は、
そんな考えから何故理解してくれないのか?とイライラしたので、
「じゃあ、なんで警察官は犯罪を犯した人たちに付き添っていないんですか?」
と質問仕返してしまおうかとも思っちゃいました^^;
(一応、まぁ、その辺は穏便に大人の対応をしましたけど^^;)
それぞれの目線から見て、どれが間違っている・正しいということは人によって違うと思いますが、
この時に、「自由」と「安全」のどちらを優先するかで、考え方が変わってくるのかなと思います。